後継者

後継者が親の会社を継ぐときにぶつかる5つの問題

親子で経営する中で、会社を引き継ぐ後継者である子。
多くの場合が、重い悩みを抱えます。
この悩みが解消しにくいのはなぜなのでしょうか?
また、これらを解消する方法はあるのでしょうか?
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家業を継ぐ後継者が抱える五つの問題

後継者を取り巻く複数の問題

何をやるにも障害はあるものです。
しかし、なぜか家業を継ぐ後継者である子は、その障害にからめとられたかのように身動きができなくなります。
まずは結論をお伝えしますと、後継者は複数の問題が絡み合う「システム」の中にいるからではないかと思うのです。
具体的には、5つの性質の問題が後継者の周囲にはまとわりついています。

一つ目の問題『社会の変化』

一つ目にあげる問題は、社会の変化と会社の在り方の乖離です。
先代が会社のリーダーとなって、数十年の歳月がたっているケースが多いでしょう。
その間に、社会は大きく変わっています。
たとえば、今であれば、思い立った時に携帯電話をかければ、たいていは即座に話ができます。
スマホで検索すれば、知らないこともすぐに調べられます。

しかし、先代が会社のリーダーとなった当時はどうだったでしょうか?
恐らく、一旦外出した人と連絡を取るにはポケットベルでしか連絡できない。
インターネットなどないから、図書館で調べたりするのが当たり前でした。

これだけの社会の変化の中で、会社はどれだけの変化をしてきたでしょうか?
恐らく、多くの場合は数十年前のまま。
使う道具は変わったかもしれません。
しかし、それはより早く、より安価に、商品をつくったり提供したりする手段の変化だけということが多いでしょう。
例えば、任天堂という会社は、花札づくりが今やハイテク企業。

そういった時代への変化に合わせて、会社が提供する価値を変化させなければ会社の未来は不安です。
後継者はこういった問題へ対処しなければ、「バカ息子」扱いされてしまうという問題があります。

【参考記事】

賞味期限切れのビジネスを、誰が変えるのか?

二つ目の問題『社内の抵抗』

後継者は、会社の未来を託された人間です。
つまり、会社が時代に即応していくように進化していくために、
社員をまとめ、会社を前進させ、自分流の経営を浸透させる役割を持っていると言えるでしょう。

しかし、多くの場合、後継者が自分のやり方を考え、実践すればするほど社員は後継者に抵抗する。
その抵抗は、あるいは社員だけではないかもしれせん。
先代である親こそが、後継者にとっての抵抗勢力としての最も大きな壁として立ちはだかることも少なからずあります。

前に進もうとすれば、それを引っ張って引き戻そうとする力が働く。
後継者にとって、乗り越えなければならない二つ目の問題として、社内の抵抗があげられます。

【過去に社員が一斉に退職した時の学びをまとめた記事です】

代替わりの後、社員が辞めていくという困難にどう対処するか?

三つ目の問題『世間の評価』

後継者は、親の会社に入社すると、たとえ新人でも”鳴り物入り”のデビューを果たします。
周囲は勝手に、後継者に期待したり、落胆したり、disったりします。
新人なんだから、ひっそりと経験を積みたい、と思ってもそれはたいてい許されない。
どこにいても、社長の子という立場は、後継者を孤立させがちです。

悩みを打ち明ける場もないし、どんどん孤独になっていきます。
【孤独の中で自分を癒す方法】

こんな会社、継ぐんじゃなかった・・・と感じ始めている跡継ぎの方へ

四つ目の問題『生きがいを奪われまいとする先代』

中小企業経営者にとって、会社とは自分そのもの。
よく言われる言葉ですが、この言葉は恐ろしいほど現実を表しています。
特に創業社長にとっては、会社はその社長の生きている理由でもあります。

結果として、その会社で自分が生きていることを実感するために、先代は自分へ人を依存させる傾向があります。
その先代とのやり取りは壮絶なものになりがち。
お互いがお互いの生きる道を奪い合う過程なのですから。

【先代と後継者の綱引きについて書いた過去記事です】

親子経営にはコツはあるけど答えはない

五つ目の問題『自分』

この問題は認識しにくいのです。
なぜなら自分のことだからです。
そしてここでいうのは、経験不足であるとかいうことを言っているわけではありません。

決断と言ってもいいし、
覚悟とでもいうのでしょうか。
それが欠如しているのです。

【ご自身についての問題はこの記事に詳しく書きました】

家業を継ぐか継がないか迷ったとき、メリットとデメリットを見ても答えが出ない理由

後継者の周囲は「システム」で動いている

個々の問題ではなく複数の問題

たとえば、会社を変化させようと動いたとします。
すると、社内の抵抗が起こったり、先代の生存本能警報機が鳴り始めたりします。
一方、後継者にとって困った存在となった先代を排除しようとすると、世間の評価を毀損したり、社内の反発が起こる事もあるでしょう。

つまり、これらの問題は、一つ一つで存在しているわけではありません。
あるボタンを押せば、別の場所が反応する「システム」になっているのです。
連鎖反応的に起こる問題は、もぐらたたきのように問題を一つ一つ叩いてもなかなか収まらないもの。

後継者が壁に囲まれたような孤独や、無力感を感じる背景には、このようなシステムとしての問題の連鎖が強く関係しているのではないでしょうか。

このシステムを抑える方法

しかし、悲観することはありません。
システムであるとすれば、逆に考えれば、一つの問題がうまく回り始めると他の部分もうまく回る可能性があるということです。
私たちは、押すべきボタンを間違えているから、望まぬ反応を次々と起こしているのです。

大事なのは、順序です。
しかし、多くの後継者がうまくいかないことを考えると、世間一般で知られている方法は間違いである可能性が高い。
今まさに、あなたが一番解決したい問題は、上記5つの問題の内どれでしょうか?
緊急性があって、重要であるように見えることへ対処するには、時には回り道が必要なことがあります。

そんなヒントをもとに、一度ご自身の身の回りの問題を俯瞰してみてください。
順序を変えると、面白いほどうまくいくようになる可能性だってあるとおもいます。

以下のセミナーではそのヒントになるようなお話も一部させていただいております。
よろしければぜひお越しください。

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