後継者

自分を捨てるとうまくいきやすい!?

二代目社長・後継者で、社内で何をやっても停滞してしまうというシーンを経験される方は多いと思います。
その原因を、自分が認められていないからだと考えて、自分磨きをし、自分の時間を邪魔されないようにし、自分が価値ある仕事ができるような体制を作ろうとする。こうすると最短距離を走れそうに見えるのですが、案外うまくいかない。

なぜかというと、すべてのベクトルが自分に向いているからです。
そのベクトルを他人に向けたとき、びっくりするほど物事がうまく回り始めるということを私は経験しました。

 

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これはあくまで私の個人的経験なので誰にでも当てはまるものかどうかはわかりません。
私は親の会社に入って以来ずっと、自分を高めることに必死になっていました。純粋な成長欲求というより、何かに追い立てられるように自らを磨こうと必死だったように思います。
ある時期は睡眠時間を極限まで削って勉強してみたりもしました。

しかし思ったほど物事がうまくいくこともなく、悶々とした日々を送っていました。

会社があまりいい方向へ行っていないと感じると、自分が何とかしなくては、と孤軍奮闘するわけですが、まあ自分一人でできてることなんてたかが知れています。そして社員には「自分がこんなに汗水流して必死にやってるのに、なぜついてこない」と不満ばかりを募らせます。結果社内のムードは険悪になり、ますます物事は悪くなる一方です。

そんな期間を長いこと経験したのちに、やっとある結論に気づきます。自分が必死こいてやってることって。全部自分のためなんだ、ということ。一生懸命学ぶのも働くのも自分のためです。自分が評価されたいという思いを満たすために必死になっているのです。そのメンタルで、他人を巻き込もうとしても、そりゃあ巻き込まれないですよね。ある意味私は私利私欲で動いているのですから。

そのメンタルをなんとか修正してみようとしました。たとえば、自分が勉強のために取ってる時間は今までは人に邪魔されたくはなかった。けど、勉強はいったんわきにおいて、人の話を聞くとか、人との付き合いに使うとか、人のために使うとかいうことをできるだけ意識するようにしました。はじめは結構つらいというか、ストレスもたまるのですが面白いことに、誰かのために時間を使うと、何か新しいきっかけみたいなものがもたらされたりするようになりました。もちろんそのきっかけは大きいものも小さいものもあるし、それがない時だってあります。ただ、自分の時間と囲い込んでいたものを、人のために開放していくと、言い換えれば自分自身を他人のために役立てようとすると、いろんな幸運が舞い込んできたりします。

あるときには何の苦労もしていないのに、お客様からけっこう大口の案件をいただいたりしましたし、友人から驚くようなチャンスになる話が舞い込んだりもしました。論理的な因果関係は何もない不思議な話なのですが、そういったことが自分の身に起こるようになってきたのです。

考えてみれば、どれだけ勉強してもそれを活かすシーンがなければ市場価値はゼロです。しかし私はそんなことにも気づかず勉強オタクになっていたように思うのです。もし、「あ、自分も」なんて方がいらっしゃったとしたら、是非それを社会の中で影響を及ぼすような形で使ってみてほしいと思います。そのために必要なことは、学んだことを社会の役に立てるという大それた考えではありません。自分の時間というものを、誰かのために使うという決断をするだけでOKです。自分が、自分の内面以外の場所に立つことで、そこに自分の能力を活かせるシーンが向こうからやってくるのではないかと思います。

まあ、だまされたと思ってやってみてください。

 

  

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