親の会社を継ぐ後継者が、せっかくここまで頑張ってきたのに、「もう嫌だ」という事があるようです。
もちろん、仕事がうまくいかないとき、親と確執が生まれた時などの「もう嫌だ」ならわかりやすいのですが、そこを通り越えたときにもそれは起こる。
自分はこんなに頑張っているのになぜ認められないのか、という苛立ち。
評価を受けられないもどかしさ。
そんなところから来る思いのようです。
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Contents
後継者・跡継ぎが仕事のやる気を失う時
過大なストレスと孤立
親の会社の中で管理職的立場に立った時、後継者・跡継ぎというのはあり得ないほどのストレスを受けがちです。
それなりに自立・自律を求められている一方で、行動を監視されたり制限されているような感覚を受けることが多いように思います。
未来のためにやらなければならないことがるのに、そこに動こうとすればストップがかかるというジレンマ。
なかなかきついものがあります。
これではやる気を失っても仕方ない、と思えるような状況に陥ることはけっこうあると思います。
自主性をうばわれ、しかし成果を求められるという板挟みの状態を経験する後継者・跡継ぎはけっこう多いと思います。
自主性が損なわれた時、やる気を失うという記事を以前書いていますので、良かったらこちらもご覧ください。
誰かに認められたい
一方で、こんな理由からやる気を失うケースもあるようです。
後継者・跡継ぎは、非常に人からほめられ、認められることが少ないと思います。
古参社員は「お手並み拝見」という目で見ていて、親はどこまで行っても認めてくれない。40歳を過ぎても、50歳を過ぎても「半人前」と言われ続けることも少なからずあります。
そんな中で、後継者・跡継ぎは事業承継を通じて、親に自分の努力を認めてもらいたいと思っているのに、親はそれを認めてくれない。
もしかしたら、内心は認めているのかもしれないけど、それを表現してくれない。
もっとしっかりと口に出していってほしいのに、という思いを抱くケースもあるようです。
認められなくて頑張ってきたのに、永遠に認められないという思いに至ると、もはや頑張る理由が見えなくなってしまいます。
結果として、なんだかやる気がなくなる、という後継者・跡継ぎもいらっしゃるようです。
事業承継で後継者・跡継ぎはいつも自分を責めている
認められたい後継者・跡継ぎの特徴
このように「認められたい」という思いを持つ後継者・跡継ぎについて考えてみます。
彼らの要望はこんな感じじゃないかと思います。
「親のために家業を継いでこれだけ頑張っているのに、なぜ親に認められないのか」
ただ一方で、誰かの承認を受けなければ何かをやり続けることができない、というのは少し困った状態じゃないかと思うのです。
特に社長という立場、経営者という立場になると、誰かに認められるために仕事をするというより、顧客の満足に喜びを感じるようなメンタリティがあったほうがいいように思います。
では、認められたい後継者・跡継ぎはなぜ誰かから認められなければ前に進めないのでしょうか。
その答えは人によってさまざまでしょうが、よくあるケースとしては「自分で自分を認めていない」という状況ではないかと思います。
実は、親子経営の中で悩み事を抱えている後継者・跡継ぎのほとんどの場合が、ここに陥っているのではないかと思います。
自分で自分を苦しめ続ける後継者
たとえば、理想の経営者像をイメージして、そこに向かうに際して「自分の足りないところを数え上げて頭を抱える」後継者。
あるいは、「もっとうまく出来るはず」と自分の行動に満足しない後継ぎ。
けっこう頑張った結果なのに「まだまだ足りない」と自分の成果を受入れない二代目社長。
後継者・跡継ぎ・二代目社長は本当にストイックで、自分で自分を褒めることはほとんどありません。
そうやって自分で自分を責めておいて、誰かに認められることで癒しを受けようとしているのです。
なんだか、ゆがんだ構造に見えませんか?
しかも超難易度高いです。
なにしろ、自分を責めて、もらえるかどうかもわからない賞賛を、誰かに期待してるんです。自分ではどうしようもない要素が非常に大きいですよね。
けど、自分で自分を認めさえすれば、心は満たされるとしたら、関係者は自分だけ。自分の行為だからコントロール可能なはずです。
後者が圧倒的にシンプルなのではないかと私は考えています。
「認められたい」「称賛されたい」という思いが苦しいほど強い後継者・跡継ぎの方へ
心の筋トレメニュー
さて、認められたい、称賛されたい、という思いが達成されず苦しんでいる場合、二つの方法があります。
一つは、認めさせ、称賛させるような圧倒的な成果を上げることです。
けどこれには欠点があります。
たとえ会社の売上を10倍にしようとも、望んでいる称賛や、認められるということは受けられるかもしれないけど、受けられないかもしれません。
なぜなら、称賛するのは他人だからです。
他人は他人の価値観で動いているので、あなたが「どうだ!」と胸を張っても何も感じない場合もある、という事です。
もう一つ言うならば、一旦は称賛されても、その満足は長く続きません。
なぜなら、他人の称賛を受けながらも、自分では自分を相変わらず攻め続けているからです。
一時的な対症療法にしかなりえません。
もう一つのパターンは、もう自分で自分を認めちゃうという事。
具体的には、「まだまだ」とか、「もっともっと」とか、「自分はまだ十分じゃない」とか、自分の思考が自分にスパルタで接しているときには、その心の言葉を変えてみます。
「まだまだ駄目だと考えているんだな」「もっともっと頑張らなければならないと思っているんだな」「自分はまだ十分じゃないと考えているんだな」という風に、「〇〇なんだな」という言葉をつけることで、まるで他人事のように感情と距離をとります。
これは何をやっているのかというと、「まだまだだ」と考えている自分を、「そうなんだね」と受け入れているという事をやっているのです。
心に浮かぶ自分の気持ちを、「そうなんだね」と受け入れる。
これをやると、他人からの称賛は必要なくなります。なにしろ、自分による自分いじめがなくなる状態ですから。
やることは、たったこれだけ。
これは自己肯定感を上げるトレーニングでもあります。
すぐにはやり切れないかもしれませんが、気づいたとき、つどつど意識してみてください。
少しずつ効果が表れるはずです。
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