後継者

後継者は一人で悩むとろくなことがない!?

よく「経営者は孤独」と言われます。
実際に孤独化と言えば、ある意味思い込みの部分も少なからずあるんだと思います。
こういう相談を社員にしてはいけないとか、自分は強くあるべきだから弱音を吐いてはいけないとか。

後継者は、おそらく一般の経営者よりもさらに孤独を感じていると思います。
それはたとえば、上司たる親に相談できないことばかりだし、社員にも相談できない。
社外の友人といっても、自分の立場を正しくは理解してもらえないから、話をしてもより不快になるばかり。
孤独ではないと思うのですが、孤独を感じがちです。

後継者という役割は悩みも多いのですが、そのこと以上に、その悩みを打ち明けられて、共感してもらえる人がいない、という状況こそが一番キツイのではないでしょうか。

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「悩み」を相談することの意味

Bob DmytによるPixabayからの画像

解決策よりも共感

実は私は小学生のころ、なぜかよく悩みを相談されました。
一見落ち着いて見えたので、そこに安心感を感じてもらえていたのかもしれません。

色んな人の相談に乗っていると、ちょっと不思議な現象が起きます。
たとえば、相手は悩みを口にするわけですが、私は立場上それなりに解決策というアドバイスを求められてると思うわけです。一生懸命自分なりのアドバイスを行います。しかし、彼らはそんなアドバイスを実践するかというと、ほとんどそれはありません。しかし、話すだけ話せば、スッキリして去っていきます。

今ならわかるのですが、彼らは具体的な他人の解決策を求めているわけではなくて、共感を求めていたんですね。
わかってもらえることで、とりあえずホッとする。
これは何が起こっているかというと、一人で悩んでいたことを誰かと共有することで、仲間というか自分は一人じゃない、という安心感を感じているのではないかと思うのです。

逆に言えば、他人からのアドバイスはたいてい実行することに葛藤があることが多いものです。自分の心の中にない解決策はたいてい実践しません。それでも人は、一人ではないことを実感するために人に相談するのです。

後継者との相談からわかる事

私も、後継者倶楽部の会員を対象に、個別相談を賜ることがあります。そういった場合、だいたい20分ほど状況を伺うと、社内の登場人物のメンタルで何が起こっているかがおぼろげに見えてきます。その結果、「こうすればいいのでは?」という提案を行うことがあるわけですが、それを実行に移す方は一部の人です。なぜかというと、たいていそういった解決策へ向けた行動には葛藤が伴います。なぜかというと、今までの葛藤のない行動の結果今の状況ができているわけなので、今まで嫌でやりたくなかったことや、怖くてできなかったことへ一歩踏み出さないと状況は変化しません。恐らくそこまでの葛藤を乗り越えて、今の状況から本当に抜け出す決心ができていない人が多いのだと思います。

せっかく相談したのに結果、状況がまったく変わらない。
これじゃあ普通は不満たらたら、という感じになるかもしれませんが、実際はそうでもないようで、リピートでご相談してくださる方がたくさんいらっしゃいます。それは一つは、悩みを聞いてもらえるだけでも気持ちが軽くなり、「もうだめだ!」という思いをリセットして再び前を向けるようになる、ということがあるのでしょう。もう一つは、そうやって何度か相談を繰り返すことで、徐々に葛藤を乗り越えるメンタリティを育てていこうとしているのかもしれません。

どちらにせよ、一気に変化すればそれが一番いいのでしょうが、それが無理ならば時間をかけて変化できる余裕を作るために、悩みを吐き出し、共感してもらえる場や相手をもっていることは少なからずメリットを感じていただいているのでしょう。

一人で悩むことの弊害

逆にこういった悩みを吐露することがない場合、基本的に「自分の持った思考パターンで思考がぐるぐる回る」ということが起きます。
たとえば・・・
①会社に行くのがしんどい
②その理由は親が自分に干渉しすぎるから
③ならば親の口を閉ざしたい
④親を会議などに出させないようにする
⑤せっかく作り上げたものが滅茶苦茶になる
⑥自分の努力が報われないと感じる
⑦ふりだしにもどる
といった感じでしょうか。

このループに抜け出すには、今の思考回路とは違った回路での検討が必要になってきます。そういった変更を自分の工夫でできるようであればいいのですが、なかなか長年作り上げた自分の思考回路を意図的に変更するのは難しいものです。逆にそれができない以上、同じとこをぐるぐる回るのは当然の結果です。しかも長期的なストレスは、人の視野を狭めてしまいますから、ますます凝り固まった考えから抜け出ることが難しくなってしまいます。さらに、このループは何周も廻れば廻るほど、その考えへの固執を強化してしまいまうのです。

違う思考パターンに拠る気づきを得るためにも、深刻な悩み事こそ周囲の人に打ち明け、まずは身軽になることが大事です。そして可能であれば、周囲の人のアドバイスに採用するかどうかはともかくとして、まず耳を傾けるということを始めることをお勧めします。それは、脳内の思考ループをいったん脱線させる効果が見込めるからです。

後継者は悩みを克服するために学ぶ

Vasco CavalheiroによるPixabayからの画像

2人の後継者

このような状況下において、後継者には二つのパターンが見受けられるように思います。
前者は、ある程度諦めてしまう人。もう目の前に起こることに流されてしまえ、とばかりに親に従順であり(争いを避け)、思考を止めてしまうのです。未来のことを考えることもなく、ただ、周囲の吹く風に、波に流されていく。その先に何があるかは関係なくて、とにかく今、苦痛を感じない場所にいることを重視するのです。

もう一つのパターンが、何とか自分のアイデンテティを保とうと頑張ります。とうぜん、風の行く手、波の流れとは違う方向へ動くこともあるので、両足で踏ん張らなければならないことは多々あります。

ご自分の人生ですから、どっちもアリだと思います。
しかし、前者の後継者は悩むことをやめた人なので、たぶんこのブログを目にすることはないでしょう。
後者の人は何とか今の状況を脱したいともがいた結果、この文章を目にされていると思うのです。
現実の世界のままでは納得のいかない後者が、これから幸せな人生を過ごすにはどうすればいいのでしょうか。

一般的には、今の状況であきらめきれない人は、仕事に役立ちそうな勉強を一生懸命します。
人によっては、仕事上の様々な知識やノウハウかもしれませんし、人によっては仕事と周辺知識に関することかもしれません。あるいは、営業の技術やマーケティングかも知れないし、財務戦略に関してかもしれません。また、自分の精神をきたえるために、スポーツにチャレンジするという方も中にはいらっしゃいます。
どれも素晴らしいことですが、そこをクリアしてもうまくいかないこともあるのではないでしょうか。

私は、凝り固まり、思考停止状態のところから抜け出し、頭がすっきりした状態で今後のことを考えることが大事だと思っています。
その際にいったん自分の悩みを吐き出し、自分とは違った角度からの物の見方を獲得し、違った方法を試していくということだと思います。

人の考えを聞くことの大切さ

先日、あるセミナーに参加しました。
例えば仮にこれを「ヨガのオンラインセミナー」だったとしましょう。
身体をどう動かすとかは動画があれば何とかわかりますが、呼吸法がどんな感じで、内面的な変化がどんな風でといわれてもなかなか理解に苦しむのではないでしょうか。「これでいいの?できてるかで来てないかわからない」というケースけっこうあるんじゃないでしょうか。

サーフィンを学んで、どうにかこうにかボードに立つことはできたけど、これでいいのかどうかがわからない。
こういうこともあると思います。

身体を使うものだけでなく、たとえば、絵画の干渉をしてその絵から受ける印象を自分なりに感じているつもりではあるけど、その感覚が正しいのかどうかわからない、という経験もあるんじゃないかと思います。

私が参加したセミナーは、内容が比較的抽象的で自分の中で消化できているかどうかがわからなかったのです。
そのセミナーの数日後、セミナーに参加した数人が集まり、お互いの感想をシェアしあいました。
「自分はこういう風に理解したんだけどどうだろう?」
「自分は、あの話をされた時、ああ、こういうことか!と思う気づきがありました」
「あの時にはよくわからなかったんですが、あとで一人で考えてみたとき、こういうことなのかもと思ったんですけど・・・」
などとそれぞれがそれぞれの感じたこと、感想を言い合います。

するとあるとき一人がこう叫びました。
「なるほど!そういう受け取り方でよかったんだ!」
きっとこの時に内容が腹落ちしたのでしょうね。その理由は恐らく、共通のテーマに対してそれぞれ違った角度からの見解を持ち寄ることで多面的な視点を得られたからです。

これはセミナーだけではなく、共通の悩みを持つものがそれぞれの考え方をシェアすることでも起こりえます。

共感しあい、意見を交換し合う

このように、一つのテーマに対して共感することでまずは、心理的に安全な場所であることを知り、
そこで今の自分の状況や理解を表現することで他人の視点と自分の視点を統合的に見ることのできる場所。

そんな場所を作りたくて、私は後継者ONLINE倶楽部という場所を作りました。
もしよろしければ、ここでともに次のステップへ進む糸口を見つけていただければと思っています。

ともに前進する糸口として、活用していただければ幸いです。

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