後継者

こんな会社、継ぐんじゃなかった・・・と感じ始めている跡継ぎの方へ

一度はそれなりに覚悟を決めて、親の会社を継ごうと考えた跡継ぎの方。
実際にその現場に足を踏み入れ、5年、10年たってみる。
すると感じることがあります。
「こんなはずじゃなかった」と。

別に舐めてたつもりはないし、
それなりに大変なこともわかっていたつもりだった。
しかし、現実はたいてい想像を上回る。
社内で孤立したいまのあなたに、ほんの少し耳を傾けてほしいことがあります。

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後継者が陥りがちな状況

こんな会社、継ぐんじゃなかった・・・

人によっては何となくだったかもしれないし、
他に選択肢がなかったのかもしれません。
場合によっては、先代である親に頼み込まれてとか、
やむを得ず跡取りとして会社に入った人もいるでしょう。
やりたくて親の会社を継ぐ、という人は思った以上に少ないものです。

 

とはいえ、どんな形で決断したのであれ、
親の会社を継ごうと思った以上は、
それなりの結果を残したい。
はじめはそんな風に考えていたのではないでしょうか。

 

しかし、そんな気持ちもまあ5年ほどすると折れ始める。
10年もたてば、その場から逃げ出したくなる。
15年くらいする頃には、もはや諦めモードかもしれません。

求められて後継者として頑張ってきたつもり。
それでも会社の中でのこの扱いはいったい何だろう。
いつまでたっても認められない自分って何だろう。
やろうと思ったことがことごとく否定されるのは何だろう。

だんだんと、
自分の良さってなんだっけ?
自分のやりたいことって何だっけ?
なんて自身のアイデンティティさえ崩壊しかねない現状。

こんな会社継がなければ、そこそこマシな人生を送れてたはずなのに・・・
なんて、かなりの後悔モード。
で、そこから抜け出せなくなってしまう。

悩みと現実がぐるぐる回る日々

さて、こういった継続的な悩みや苦しみを持っている場合、あることに注目してほしいのです。
それは、同じことを何度も経験していないか?ということ。
例えばです。
こんなサイクルを経験していませんか?

今のままではダメだ

何かを変えなきゃいけない

新しい方法を親に提案する

拒否られる

ムカつく

親である先代とケンカになる

社員は遠目で見ている

自己嫌悪&悶々と考える

今のままではダメだ(振出しに戻る)

 

中身の項目に差異はあるかもしれませんが、
何かしらパターン化された思考と行動を繰り返しているとしたら、
それはちょっとした迷路に迷い込んでる可能性があります。

 

実は、このパターンにはまり込むと、なかなか創造的な解決策が浮かばないものです。
それは心理学の世界でも実証されていて、継続的なストレス下では、同じことを繰り返す傾向があるのです。
まずはそこから抜け出すために、簡単にできることがあるのでご紹介します。

まずは自分の心を正常化

それは、日記をつけること。
以上。

あまりにシンプルすぎて、ピンとこないかもしれませんね。
しかし、実際に、私の知っているなかでもこんな感想を漏らす人は多い。
「その時の状況や、感じたこと、これを書き連ねることでだんだんと自分が冷静になってきた」。
ある方は、かなりメンタル的に参っていたとき、匿名の「毒はきブログ」を書いていたらすごくすっきりしたという話もあります。
またある人は、うつ病と診断されていた折、「恨みつらみノート」なんていうのを作って、感じたマイナス感情をすべてノートに書いた結果、うつ病から抜け出すことができました。

私自身も無意識に「書いて」いたことがあり、自分を客観視するのにも非常に役立ちました。
書くという行為は、その過程で自分自身と対話をしているものです。
その中で、良い思いも、悪い考えもいろいろ浮かんできます。
それを紙なりPCなりに吐き出すことで、すっきりしてくることが実感できました。
やり方はこだわらなくてもOKです。
人に見せるわけではないので、本音をそのままつづってください。

毎日1行でも、2行でもいい。
どうしても続かないなら、腹が立った日だけでもいいです。
とにかく感じたこと、起こったことを書き連ねていく。
たったそれだけです。

もし、どうやっていいか見当もつかない、という方はこんな本を参考にされてもいいでしょう。
こころのライティング―書いていやす回復ワークブック (ジェームズ・W・ベネペーカー)

本当の問題はどこにあるのか?

あなたは本当に会社が嫌いなのでしょうか?

とりあえず、超ネガティブモードからほんの少しだけでも抜け出せそうな気配が出れば、次のステップです。

人は割とざっくり物事をとらえるようです。
たとえば、売上を上げたい、という思いは誰しも持っています。
しかし、ぼんやりと「売上を上げたいなぁ」と考えているだけでは、解決策はなかなか浮かんできません。
だから結局「今までやっていたことをもっとたくさんやろう」となって、しんどくなってくる。

 

私たちのモチベーション(ヤル気)は、「意義を感じるかどうか?」というところに密接にかかわっているそうです。
そこでもう一度振り返ってみてください。
そもそもあなたは、会社を継ぐことにどんな意義を感じているでしょうか?

たぶん、ここが弱い方、多いんじゃないでしょうか。
たしかに、表向きの「意義」はいろいろと準備しているかもしれません。

親のため、社員のため、取引先のため・・・
けどこれって、自分にとっては、どんな意義があるかが空白なんじゃないでしょうか?
で、これをちょっと意地悪に翻訳してみますね。

親のため(に会社を継いだ自分は、親に認められ、世間から称賛される存在になれる)
社員のため(に会社を継いだ自分は、社員から称賛され、ちやほやされる存在になれる)
取引先のため(に会社を継いだ自分は、取引を継続させてちゃんとした後継者としてリスペクトされる)

あれ?ちょっと斜め視点すぎましたか?

けっきょくは〇〇られたい?

さてさっきの事例ですが、「親のため」「社員のため」「取引先のため」と言っていたはなしが、カッコ内では結局「自分が認められたい」という結論になってました。
それでいいんです。
なんかそれって、かっこ悪いな、と思うかもしれません。
けど、それが事実なら、人に言う必要はありませんが、自分では「ああ、オレって認められたいんだな」とわかっているというのは大事です。

先ほどの例が正しいかそうでないかはともかく、すこーし、ご自身の気持ちを掘り下げてみてほしいのです。
ああ、自分は本当は、こうありたかったんだな、と。
もしかしたら、考えてみても、真っ暗で何も見えないかもしれません。
その時はその時。
焦る必要はありません。

ただ、常に、「自分が働く意義ってどこにあるんだろう?」という質問を常日頃頭の片隅に置いておいてほしいのです。
もう会社を継ぐ意義じゃなくって、もう少し広く「自分が働く意義」でいいと思います。
ある日突然その答えがわかる人もいれば、徐々に解明されていく人もいると思います。

本心が解れば対応方法も見つかりやすい

たとえば、とりあえずはやっぱり親である先代からも、社員からも、取引先からも認められたいよね、と考えたとします。
じゃあそもそも、あなたは認められていないのでしょうか?

たとえば親はあなたにダメ出しをするかもしれません。
しかしそれは、あなたを認めていないから、ダメ出しをするのでしょうか?
たぶんそうではありません。
あなたが、先代に対して脅威だからではないでしょうか。

先代とて年を取るごとに、自分と社会との距離感を感じ始めます。
特にオフィス内の業務のIT化なんてものが進むと、先代にとってはだんだんとわからないことが増えてきます。
今までは会社のすべてに精通していた人が、だんだんと社内のことがわからなくなってくるわけです。
これは先代にとっては、けっこうな脅威です。

実は、先代もまた常に「認められたい」という感情を持っていることが多い。
その証拠に、自慢話、好きじゃないですか?
認められ、称賛されたいから、自慢話もする。
自分が理解できなかったり、自分が会社や社会との関わりを薄めそうな社内改革には断固反対するのです。
つまり、あなたを認めていないのではなく、あなたが走っていくのが怖いのです。

社員があなたに反発するとすれば、これも必ずしもあなたを認めていないことが理由でない場合もあります。
人は変化を嫌う生き物です。
だから、自分の仕事のやり方に、変化を及ぼしてほしくないのです。
これもすぐに証拠を確認することができます。
仕事の公立を変えない範囲で手順を買えるよう社員に指示したとしましょう。
きっと抵抗しますよね?
「自分はこういうやり方でうまくいっていた」とか言って。
会社に変化を起こそうとするあなたは、そういった古株社員にとっては脅威なわけです。

こういったメカニズムを理解すると、起こった事実に対する評価は180度かわってきます。
今までは、自分が劣っている存在だという前提で目に映る現実を理解していました。
しかし実際は、自分が恐れられるほどに成長したんだ、という認識(思い込みでも何でもいい)でみると、彼らの行動の意味も変わってきます。

もし、後継者であるあなたが「自分は認めてほしかったんだ」という思いに気づけなかったとすれば、きっと表面的な話が上滑りしていたんじゃないでしょうか。
ああ、オレは認められてない。
だから先代も社員もついてこない。
親のために、社員のために、会社を継いだのに、あいつらは恩をあだで返しやがる。
そんな思いで悶々とするばかりだったかもしれませんね。

少し話はズレますが、こうやって社内に変化を起こすとき、こちらが強制しようとすればするほど反発は大きくなります。
先代と後継者の確執が起こるのも、古参社員との分断が起きるのも、後継者が相手が感じている恐怖心に配慮せず、強く強制すると相手は攻撃するしかなくなるからです。
窮鼠猫を噛むと言いますが、まさにそんな状況です。

後継者の成長が社内に与えるインパクト

できたことを数えてみる

ここまで読んで、
「いやいや、俺なんてそんなに言うほどの実力もないし」
「とんでもない、私なんて何もできないし」
と思った方。

ぜひ試してほしいことがあります。
あなたはきっと、「やらなきゃいけないけどできていないこと」「こうしないといけないのにできていないこと」ばっかり見てるんじゃないですか?
理想の後継者増を描いて、そことのギャップを一生懸命埋めようと頑張っているんじゃないですか?
それは向上心につながりますから、悪いことではありません。
しかし、ずっとやり続けると、しんどくなってきますよね。

だからたまには、こんなことを思い浮かべてみてください。
これまでできなかったけど、そこそこデキるようになったことリストです。
はじめのころ、電話をとるのもびくびくしていた。
ちょっと難しいおきゃくさんには、会いに行くのも怖かった。
商品のことを聞かれても、いろいろ資料を確認しないと答えられなかった。
それが今では、当たり前のようにできている。

とすれば、それはあなたの成長の軌跡です。
私たちはできていないことを数える傾向がありますが、どんよりしちゃいますね。
だから、できたことをたまには数えてみたらいいんじゃないですか。
確実にあなたは成長しています。

あなたを一番認めていない人

ここでわかることがあります。
実は、自分のことを認めていないのは、先代でも、社員でも、取引先でなくて、あなた自身、ということ。
自分で自分のことを認めていないんです。

「いやいや、まだまだなんだから仕方がない」

そう思う気持ちはわかります。
しかし、自分で自分を認めていないから、心はだれかに認められたいという渇望感の矛先を探し始めます。
それが結果として、先代に認められたい、社員に認められたい、取引先に認められたい、という思考に変化するわけです。

もし、自分で自分を認めることができれば、誰かに認められなくても大丈夫になります。
すると、何を言われても動じない、わりと楽な状態が出来上がります。
そのためにも「できたことリスト」はもちろんのこと、
「もしかして、自分って結構すごくない?」という思いが浮かんだら、それを否定しないで受け入れるよう意識してください。

私がよくお勧めするのは、「そうかもの魔法」(笑)
他人から褒められたとき、きっと全否定してませんか?
いやいや、そんなことああるはずがない、とか
なんか皮肉言われてるのかな?とか
これ真にに受けると間抜けじゃない?とか。
そういう拒絶をやめろと言っても難しいと思います。
だから、「もしかしたらそうなのかも」と一旦受け取ってみる。
それを繰り返すことで、ずいぶんと自分に対する認識が変わります。

多かれ少なかれ、あなたの周囲も不安を抱えている

程度の差こそあれ、あなたと同じように、先代も会社の社員も、あなたが持っているような不安や不満を抱えているものです。
みんな表には出さないようにしていますが、びくびくしてる人がけっこう多いものです。
その時にちょっとだけ気をまわしたいこと。
それは、彼らが「安全だよ」と感じられる状態を作ることです。

社内を変えるとか、新しい取り組みを始めるとか言うと、それを言い出すあなたはすでにその覚悟も決めて言い出しているのでしょう。
しかし、あなた以外の人たちは、あなたが唐突に言い出した意見には、まずは恐怖を感じます。
変化への恐怖です。
これを、ハーバード大学のロバート・キーガン博士は組織の「免疫」と言っています。
変化を起こすまいとする免疫機能(言ってみれば自己防衛機能)が発動し、異質なあなたの意見を排除しようと働き始めます。
社内では、見えない異常警報装置がビー、ビー、なっている状態と言えるでしょう。

その免疫反応を、あなたは「自分が認められていない」ととらえていてがっかりしていたわけです。
たしかに組織は、あなたやあなたの意見を異質なものとして排除しようとしているわけですが、あなたが劣っているとはだれ一人考えていない。
もしかしたら、あなたのことを「バカ息子」と陰口を言っている人もいるかもしれません。
しかしそれは、あなたの問題ではなく、あなたに恐怖を抱く社員が自分を正当化させるための攻撃です。
気にすることはありません。

組織に安全性を確保する

勝手に不安や恐怖を感じている人が自分に牙をむこうが、なんら気にする必要はない。
とはいえ、会社という狭いながらも、動かすにはそれなりの力が必要となる社会では、組織としての結束をそれなりに高めていく必要があります。
その時に大事なのが、組織の心理的安全性です。
不安だから反発するわけです。
だからこの不安を取り除いてあげると、反発は緩くなります。
その方法は、簡単にいえば、社内のメンバーが何を言っても、何をやっても(もちろん法を犯すとか道徳的にアウトなことはダメですが)許される状態を作るということ。
誰にも等しく発言の機会を与え、その発言に平等に重きを置く。
社員を褒めよ、社員の話を聞け、というのはよく言われますが、それは社員自身の「認められていない」という気持ちを癒すためです。

そしてそこに、「意義」というガソリンを社内にまくわけです。
上手くいけば、あちこちで発火し始めます。
あ、少し前にこの意義って言葉、出てきましたね。
詳しくは話しませんが、意義というのは内的なモチベーションの源です。
そしてこれを、会社でいうならば理念とかミッション。

私たちは、「これをこうやれ」というやり方や、「これだけの結果を出せ」という結果に対してはよく語ります。
しかしそもそも、何のためにそれをやるのか、それがうまくいったら誰がどんなにハッピーになるかを語ることは少ない。
感覚的ですが、やり方や結果を9くらい話すけど、意義については1も話さないことが多いんじゃないでしょうか。
たぶん、逆にしたほうがうまくいきやすいと思います。
意義について9話せば、やり方や結果は1でいい。
エンジンがかかれば、やり方なんて何なりと工夫できるものです。

そんなことをしたら「なんだ、後継者は机上の空論ばっかり言ってて大丈夫か?」なんて思われそう?
それもあるかもしれません。
けど、言いたい奴には言わせておけばいいんじゃないですか。
自分が自分を認めていれば、痛くもかゆくもありません。
少なくとも、あなたの目指す方向を知り、協力したいと思う仲間がいるならば、外野に何を言われようとシカトすればいいのです。

できないことは棚上げしよう!

自分の得意技を知っているか?

話は振出しに戻ります。
こんな会社、継ぐんじゃなかった!と思っている後継者。
そんな状態だったとしたら、それは自分が自分を卑下している状態ではないかを確認してください。
もしそうだとすれば、たぶん、今の会社を辞めたところで同じような問題にまたぶつかります。
だからまずは、自分はわりとイケてることを知ってください。

そして、割とありがちなのが、自分が何が得意なのかを正しく認識していないということ。
たとえばわたしはずっと、自分は割と天才肌で、新しいこともそつなくこなす人、という認識をしていました。
なんでそう思い込んでいたかというと、自分がそうあるべきだと感じていたからだと思います。
私は長男で、父も母も仕事が忙しかった。
ちょうど私が2歳のころ、次男が生まれ、その頃に父は起業しました。
父は家の手伝いどころではなかったし、母は一人で私を育て、双方とも両親は地方でしたから頼る先もなかった。
そんな中、私は何でも自分でやるよう、親から言い聞かせられ、生まれたばかりの弟の面倒を見ることもありました。
だから、なんでもソツなくこなす兄であることを家族の中で求められていました。

おかげでそこそこ責任感もある(逆に言うと何でも自分の責任だと思って反省してしまう)自分ができたわけです。
忙しい親の目を自分に向けさせるには、いい子を演じ、何でもできる子どもである必要性を感じていたのでしょう。

 

しかし、現実の自分はそうでもなくって、割と不器用(苦笑)
初めてのことは失敗だらけで、一度でうまくいったためしはありません。
けど、そんな姿を見せると、自分は嫌われてしまうんじゃないかと恐れていたんでしょう。
人に努力を見せるのを極力やめたし、そもそも頑張らないといけないことはハジメからやらない。
そうやって自分の可能性を狭めてきました。

それが数年前にある方に言われました。
「田村さんって、努力の人だよね」
えーーーー!?って感じです。
今まで同じようなことを言われたことは何度もあります。
けど真っ向否定してたんですが、その時ばかりはなぜかその言葉を受け入れてしまいました。
ああ、どうやら自分は、天才肌ではなく、コツコツと積み上げるタイプの人間だったんだ・・・と。

努力の人、という割り切り

自分が努力の人だったと、わかってしまった・・・苦笑
そうするといろんなことがつながります。
ある日突然、すべてが一発解決!というタイプじゃないんですね。
ジワリ、ジワリと、答えに向かってほふく前進のように近づいていくタイプなんでしょう。

そうすると、一歩一歩でも進んでいる感じがわかると、ゴールに近づいているんだな、と感じられます。
天才肌モードだと、「なんでうまくいかないんだ!」とイラつくシーンなんですが、努力の人モードだと、「ああ、これでOK。大丈夫」とわかる。
でもって、努力の積み重ねって、なかなか真似できないんですよ。
そういう意味では、唯一無二の存在でいることが可能。
もちろん、完成するまでには時間がかかりますよ。
けど、今うまくいってなくても、何とかなるわ、という安心感はある。

ホント、自分の中に持っているそういうストーリーをちゃんとつかんでいるとこんなに楽なんだな、というのを今まさに実感しています。
ということで、「そうかもの魔法」は、本当の自分を見つけるのにも有効です。
ぜひ、お試しください。

コツコツの人だから、あるひとつぜんダダーーーン!という成功事例は出せないかもしれない。
けど、それはま、上手くタイミングが合えば可能性はゼロではない。
だからそれを求めて何かをするんじゃなくって、コツコツやった先には、こんな素敵な未来があるんだろうなぁというのを遠い眼で眺めながら、そこに一歩ずつ近づく努力をしてみる。
ま、ほふく前進だから、効果は見えにくいんですが、「できたことリスト」でちゃんと確認しながら前に進む。
そんな心境になると、結果が出ることが喜びというより、前に進んでいることそのものが喜びになったりします。

「正しい」ことを求めると、完ぺきを目指しがち。
すると、できないけどやるべきことが気になってしょうがない。
けど、自分なりにやってるね、進んでるね、と感じるだけなら、できないことは棚上げしちゃってもいいわけです。
そのうちきっとそれも解決すると思うんですけどね。

結論

ということで、長々と書いてしまいました。
最後に、この記事で何をお伝えしたかったかをまとめてみたいと思います。

このブログ内でも何度か書いてますが、親子経営で後継者であるあなたが悩んでいるときってどんなタイミングと思いますか?
ベタな言い方になってしまいますが、それは親でもなく、社員でもなく、あなたが成長すべきタイミングなんです。
もちろん、親が勝手に変わってくれたり、社員が勝手にあなたに手を差し伸べてくれたら楽ですよ。
けど、そうやって、自分は今の立ち位置のままで、周りがすべておぜん立てしてくれるって、いつもいつも期待できる話でしょうか?
たぶん、そうそうありませんよね。

だったら、あなたが変わらなきゃならないわけです。
といっても、いきなりすごいスキルを身に着けるとか、いきなりすごい成果を出すとか、結果にフォーカスするときつい。
すぐにはできないから、「じゃあほかに方法はないか?」とグルグル回った末に、やっぱりアイツが変わればいい、アイツがいなければいい、となってしまう。
スキルとか成果とかは、自分の外との関わりだから、100%はコントロールができないわけです。

じゃあ、コントロールできることって何かな・・・と考えてみる。
それは自分の内のことだけなんです。
気持ちだけ変わったってなにも変わらないじゃないか、と思うかもしれません。
けど、物事のとらえ方が変われば、事実に対する反応が変わります。
反応が変われば行動が変わります。
行動が変われば、周囲の反応が変わります。
周囲の反応が変われば、周囲の行動も変わります。
そして、周囲の行動が変われば、あなたの立場も変わります。

なんだか回りくどい話でしょ?(笑)
けど、たぶん、世の中ってそんな風にできいているんだと思います。
風が吹けば桶屋が儲かる・・・的なね。

あ、そうそう。
今回はあまり触れませんでしたが、「会社の将来性がない」ってのも厳しい言い方をすれば責任転嫁だと思います。
だってあなたはそんな会社の一員でしょ?
だから会社のせいや、業種のせいにしたくなるんですけど、それを含めたうえで自分はその干からびかけた会社を使って何ができるかを考えてみるっていう考え方が大事だと思います。

たまたまこんな記事見かけたんで、良かったら参考にしてください。

老舗黒板メーカーが「IT企業」になれたワケ(日経ビジネス)

 

そんな話を聞いてもなお、やっぱりここではやっていけない。
そう思うんだったら、しっかり考えてその場を去ることもOKだと思います。
その時に主語には気を付けてくださいね。
「先代が〇〇だから」
「会社が〇〇だから」
「社員が〇〇だから」
という理由で辞めちゃうと、けっこう罪悪感を感じることが多いみたいです。
逆に、辞められない理由の主語を自分以外にしちゃっても、あとあと遺恨を残します。

「僕は」「私は」〇〇だから、親の会社ではあるけどもうやめる。
それを他人に説明するかどうかはお任せしますが、自分の中ではちゃんと自分を主語に持っているか?ということを判断基準にしてみてはいかがでしょうか。

とまぁ、ながながといろんなことを書いてきました。
で、最後にお伝えしたい言葉は、私がメンターとして仰ぐ方からのお言葉です。

「世界はあなたにやさしい」

そんな前提で物事を見てみてください。
きっと、自分なりの答えが見つかることでしょう。

 

↓自分の得意技について少し語ってます。よかったらどうぞ。

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