事業承継

後継者が陥りがちな落とし穴

白状します。
私、自信がなかったんです。

親が事業をやってて、
その跡取り息子として会社に入って、
誰も直接的には言わないものの、
お前が将来の社長だ、というプレッシャー。

そこには、ドーーーンと立ちはだかる父の姿があります。
なんだか周囲の人も、
「お父さんは偉い」
なんていうわけです。

偉いオヤジと、いきなり仕事でつまずく自分。
この対比はあまりにも哀れです。
20代はホントにつらかった・・・。


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親の会社を継ぐ技術

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父のもとで仕事を始めたとき、いきなりつまずいたって話は、
この記事でお話しさせていただきました。 ⇒家業が嫌いな二世経営者の方

けどまぁ、今から考えてみれば、20代なんて知らないことの連続。
普通の人が当たり前にやってることさえ、まだできないんだから。

とはいえ、その当時の自分にとっては、
経営者への道が果てしなく遠く感じるわけです。

あれも覚えなきゃいけない、これもできるようにならなきゃいけない・・・
日々そんな課題が浮かんでは消えていきます。
それ以前に、目の前の課題さえ何にも解決してないし。
当時の私は、問題山積というより、問題の津波に流されてアップアップしてた状態だったと思います。

きっと、かっこいいコンサルタントなんかは、ここで
「寝る間も惜しんで勉強した」、なんていうんでしょう。
けど私はそんなことありません。
いかに楽をしてそこにたどり着くか?
なんてことばかり考えてました。

「眠りながら成功する」なんていう本を出されてた、ジョセフ・マーフィーなんかもハマりました(笑)

ちょっと話がそれました。
まともにやってちゃ、タイマンではおやじにはかなわない。
そうすると、チームでその成果を上げよう、と考えるわけです。

これ、後継者の人は結構考えると思います。

 

けど、そこには落とし穴があるんです。
このチーム意識っていうのは、裏を返せば
後継者が、自分の責任の一部を切り渡して社員に負わせてる、ってことなんです。
わかりますか?

親が100の仕事をしてたとします。
その100を自分が受け止めきれないから、10ずつ切り分けて5人に分割したとしましょう。
後継者が50の責任をもって、後の50を5人の社員に持たせる。
そんな感じですね。
まさに楽をしようとしたわけです。

これで社員の人たちが、
「よっしゃ!二代目を盛り立てて頑張るぞ!」
ってなってくれたら、それはそれでOKです。

けど、多くの場合は、社員さんは「なんで俺たちが・・・」って雰囲気になってませんか?
はい、私の場合は、そうなりました(苦笑)

 

これ、社員からしてみると、後継者の責任逃れにしか見えないみたいなんです。

「チームで頑張ろう!」っていう後継者の言葉は空を切り、
社員に刺さることなく、遠くかなたに消えていっちゃいませんか?

後継者は100%責任を受け止めないと、
社員はついてこない。
そんな現実があるような気がしてなりません。

 

そこで、100%責任を受け止めるのに、自分に何ができるかを考えてみました。
自分の会社、同業者を見ていてある事実に気付きました。

私が引き継いだ会社は、保険の販売業です。
この世界の常識として、
「業績を上げるには、営業社員を増やさなければならない。」
というのがぼんやりあったんです。
一方、同業者の社長さんは、多くはこういう悩みを吐露します。
「営業社員が育たない。自分の給料分さえも稼げない。」

全くの矛盾ですよね。
売上上げるために営業社員を雇うのに、
営業社員が自分の食いぶちも稼げない。
見かけの売り上げは上がるかもしれないけど、
利益は落ちちゃうという、何をやってるのかわからない状況。

けど、こういった同業者の社長は、みんな営業力があるんです。
だから食えない社員を養うために、また営業を頑張る。
それはいつか限界が来て、会社の成長を停めてしまう、
という事が見えたんです。

 

ここにメスを入れられないか、と考え始めました。

 

こうなると、結構大きなテーマですが、
どこにでもある業界の経営の常識。
そこを疑えるのは、「自分はこの業界で結構イケてる」と思っている先代よりも、
業界という狭い枠組みの中で、力を発揮しきれていない後継者の方が得意じゃないですか?

それこそが、後継者であるあなたの役割なんだと私は思っています。

 

そういう話を先代にすると、はい、チンプンカンプンです(笑)
そうやって、私は父との確執を経験するのです。

 


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