後継者

悩みがちな二代目経営者は視野を少し遠くに持ってみよう

親との確執があり、会社を辞めるとかやめないとかいう悩みを持っている後継者は、結構いらっしゃると思います。
私もそんな時期があったので、そのお気持ちはよーくわかります。
なにしろ、自分が会社を継ぐにあたっての準備を少しずつでもしたいと思うのに、行動を始めれば親と衝突する。
誰かが自分に共感してくれてもよさそうなものだけど、だれも見向きもしてくれない。
なんとなく、がっかりな感じです。

こういう時、実は、後継者は自分のことしか考えていない状態、ってことはないでしょうか。
少し厳しい言いっぷりかもしれませんし、自分のことで精一杯な状態であることはよくわかっています。
けど、そう言う時こそ、無理やりにでも視野を広げたほうがいい事が多いように思うのです。

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自動車の運転と二代目社長のふるまいの共通点!?

Michal JarmolukによるPixabayからの画像

視点を少し遠くにおこう!

自動車の安全運転のコツは?と聞かれたら、「視点を少し遠めにおく」と答える人は多いと思います。
なぜなら、その方が視界に入る道路情報が多くなるからです。
ハンドルを抱え込み、自分のクルマのすぐ前しか見ていない人は、前の車のその前にたとえばバイクがいるとか、ちょっと遅い車があるとか、ブレーキの踏み方がアヤシイ車があるとかに気付くことができません。
さらに言えば、遠くを見ることにより、違う車線のクルマや、二つ先の信号など、いろんな情報が目に飛び込みます。

そうすることで、予測運転ができたり、道路全体の流れのなかでの自分の状況がわかったり、いろんな恩恵を受けることができます。

実は、後継者・二代目社長が動きが取れないくらいの手詰まり状態のとき、まさに、ハンドルを抱え込んだ「目の前しか見てない状態」に陥っていたりしないでしょうか。
もう少し具体的に言うと、目の前の問題を取り除くことに必死になりすぎて、本来の目的からどんどん思考が離れていっている、という状態になっているような気がするのです。

たとえて言うなら、部屋を掃除している際、気になった引き出しの中を端から端まできれいにすることでエネルギーと時間を消費して、ふと我に返った時、部屋全体はまったくかたずいてなかったというような感じでしょうか。

些細なことが大きなことのように感じられて、どんどん苦しくなっていくのです。

自分では些細なことではないように見える

さきほど、あえて「些細なこと」と表現しましたが、それをみてイラッ!ときたかたもいらっしゃるかもしれません。
全然些細なことじゃない、自分のところにとってはどうしようもない重大な問題なのだ、と。
もちろん重大であることは否定しませんが、逆に、第三者から見ると、その重大さが今一つ理解できないものも多いと思います。
特に経営上の親子の確執なんてものは、一般的に理解の範疇を超えていることが多いものです。

たとえば、あの大塚家具。
誰もがおっしゃるのは、経営方針が違うなら、久美子社長は小さく始めるなり、別ブランドとして子会社を作るなり、方法はあったんじゃないかということ。
確かに合理的に理解すれば、その通りなんです。
しかしそれができないのが親子経営の難しさです。

たとえて言うなら、親子経営で起こる確執は、親子の生存競争なので、そこに合理的解決策にあまり意味を見出されないことが多いのです。

確執に悩む後継者・二代目社長は「自分本位」になっていく

Tasos LekkasによるPixabayからの画像

結論より問題回避

人間の脳は、けっこう怠け者です。
だからある程度、一つのことに集中し始めると、他のことは後回しになりがちです。
たとえば、後継者・二代目社長は、ある目的があって会社を変えたいと思ったりします。
しかし、その提案が先代に受け入れられなかったりすると、その案をどうすれば受け入れられるか?ということに終始してしまいがちです。
結果として、一番初めに考えていた目的を度外視し、その提案を受け入れさせることばかりが頭のなかを占めてきます。
すると、普通ならばプランB、プランCも思いつくはずなのに、ただひたすら自分のはじめのアイデアを認めさせるということに終始してしまいます。

手段が目的化してしまうという感じです。
一生懸命になればなるほど、視野が狭くなるというちょっと困った状況になりがちです。
そしてこうなると、はじめは「全体最適」を考えてのことも、だんだんと「自分のことで精一杯」という状態になりがちです。
つまり、自分本位な状態になります。
するとだんだんと、先代のみならず他の社員との関係もギスギスして言ったりすることになりがちです。

そんな時こそ視野を遠くへ

StockSnapによるPixabayからの画像

迷宮に迷い込んだときは視座を高くもとう

そんな風に、思考の迷宮にハマってしまったとき、まず一番大事なのは、「自分が思考の迷宮にハマっている」ということに気付けることです。
この状態でいるとき、たいてい、視野が狭くなってしまってる(ハンドル抱えて車の直近しか見ていない)状態なので、自分の状況にまったくもって気付けていないのです。
だから、精神的に「きついなぁ」と思ったときは、できるだけ一回深呼吸をして、ちょっと視点を遠くに移すということをやってみてほしいのです。
視点を遠くに移すというのは、自分がどこへ行きたいのか、ということです。

自分の最終目的は、親や社員を自由自在に動かすことでしょうか?
たぶんそれは手段であって、目的ではないですよね。
仮に親や社員を自由自在に動かすことができたとして、その先にどんな状態を求めているかに思いをはせてみましょう。

実は、けっこう深刻な悩みを持っている後継者・二代目社長の場合、その苦しさを脱した先に行きたいところが明確でないことがほとんどです。
とにかく目の前の問題だけを取り除きたい、と主張される方はけっこう多いのです。
人生のゴールとして、何もないだけの静かな生涯を過ごしたい、という人も散見されますが、それって本当なんでしょうか。

親が家業を営んでいたという環境

私たち後継者・二代目社長は、親が事業を営んでいたという環境です。
そう言う親に育てられた子供というのは、多かれ少なかれ商売人の気質がどこかにあるものじゃないかと思うのです。
なぜなら、子供というのはその思考や行動パターンを親から学ぶケースがほとんどです。
するとそのプログラムのベースを持つ親に似ないはずがありません。
となるならば、やっぱり私たちは商売人の感性のようなものを少なからず受け継いでいると思います。

だからといって同じ事業を同じように継げ、というつもりはありませんが、そういった血筋というのは案外濃いものがあると思います。
そうなると、何もない生涯って、たぶん退屈なんじゃないかと思います。
平安であるとき、もやもやした感覚を持つ人だから、きっと親ともバトルをするのです。
そうでない人は、親に従順だと思いますよ。

じゃあそのモヤモヤって何かというと、人生における充実感を味わえているかどうかじゃないかと思います。
それは引き継いだ会社をどうしたいということもあるかもしれませんが、必ずしもそうでもないかもしれません。
自分はどういう思いを持って生きたいかをつかみ切っていないのかもしれません。
自分にとっての使命、生きがいというとなんだか重すぎる表現かもしれませんが、それを見つけることができずもやもやしているのかもしれません。

そうすると本質的な悩みの根源は違うとこにあるわけですから、視野を広げて見てみる必要があるのかもしれません。
その際もやはり、少し遠くを眺めてみることが大事なのかもしれませんね。

 

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