自分にとってのゴールが見えない後継者へのアドバイス

やりたいことがわからないという思いをいだく後継者、けっこう多い。
ひとまず親の会社を継ごうとここまでやってきたけど、その先が見えないのです。
なぜ先が見えないかというと、自分が到達したいゴールが明確ではないからです。

しかし世の中では、「ゴールを明確にせよ」と言われる。
なんだか、ゴールが見えないことが悪いことのように思えてしまうのです。

ただ私的には、たぶん、それでいいんじゃないかと思います。
目の前の関心ごとに敏感でさえあれば。

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私が、親の会社に入社して間もなくのころ、何もかもがうまくいかず途方に暮れていました。
そこで、書店に行って、自己啓発関連の本をむさぼるように読み始めました。
当時は頑張りたいと思っても、がんばれない現実と向き合っていた時なので、かなり精神的にも参っていました。

まず目についたのが、ジョセフ・マーフィー博士の本です。
とにかく、自分が望む未来の願望を潜在意識に刻み込めば、何事も成就する、という内容の本です。
その当時は、「年収〇千万円に」とか、「会社の売上を〇倍に」とか、あとはいい車に乗って、良い家を買ってなんてことをイメージしたでしょうか。
まあ未来の願望なんてそんなものしか思い浮かばなかったし、この手の成功法則本の基本はやっぱりお金持ちになることを重視していたので、それに倣ったわけです。

だけど、まったくもって身が入りません。
まあそりゃあ、お金持ちになったり、いいクルマや良い家に住めれば、良いに越したことはありません。
しかしどうも自分の本当の望みではないような気がするのです。
なにしろ、言うほど一生懸命になれないから。

 

となると、こんどは、「一生懸命に打ち込めることは何か?」という事を考え始めます。
こうなると、家業その物がやっぱり面白くないかもしれないとか、後継者という立場である事がいろいろと制約になってるとか感じるわけです。
じゃあ、何がやりたい?と聞かれると、うーーん、と考え込んでしまう。

ここでありがちなのが、自分探しを始めてしまうことです。
もちろん、環境を変えることで、自分の本質に気付くこともあるかもしれませんが、自分探しを始めて余計に自分を見失う人がいるのも良くあるパターン。
私もそんな状態を経験したような気がします。

 

それからずいぶんしてから、私なりに考えたことがあります。
人が人生で求めること、それはすごく抽象化して話すと、「幸せ」ではないかと思います。
かのアリストテレスも『幸福(エウダウモニア)こそ、人間にとって究極の目的であり、最高善である』と言っているそうです。

何かになるとか、何かを成し遂げるかとかは、あくまで手段。
そういったことを通じて、「幸福」という主観を得ることが私たちの生きる意味なのかも、と思ったりもしました。

 

じゃあ、幸福って何でしょう。
これは私は、「心の状態」だと思っています。
つまり、出来事や、他人が操作できるものではない一方で、出来事や他人の干渉の影響を受けることもあります。
なんだかわけがわからない話になってきましたね。

具体的な例をあげます。
たとえば、自分が思うようなお金持ちになったとします。
お金持ちである、という事実は一つの状態ですが、幸福かどうかはその状態をどうとらえるかで印象が変わってきます。
お金を持つことで、「取られたらどうしよう」と不安に震えていては、幸福とは言えないでしょう。
たくさんお金があるのを見て、気持ちに余裕ができたとしたら、それは幸福の一部かもしれません。
お金を持つことで周囲の人間の恥部を垣間見ることになるとしたら、それは幸福かもしれないしそうでないかもしれない。

まあ、なんにせよ、お金持ちという状態はあくまできっかけで、私たちは心でそれをどうとらえるかが「幸せかどうか」を決めているわけです。
ある車いすマラソンの選手が、こんなことをおっしゃっていました。
「中学の時に事故で下半身を失った。けど、そのことがあったからこそ自分は今このように、世界で活躍で来ている」と。
普通、事故で足が動かなくなるとなったら、不幸でしかありえないように思えます。
しかしこの人にとって、普通に足が動いていたら「ロクな人生を歩んでいなかったはず」とおっしゃっていました。
彼にとっては、事故で足が動かなくなることが、幸せを得るきっかけだったようです。

 

さて、周りに起こる出来事や状態はあくまできっかけ。
内面的におこる「幸せ」と感じる状態の正体はいったい何なんでしょうか?

私は実は、「一生懸命に打ち込むこと」そのもが、幸せとほぼ同義ではないかと思います。
なぜなら、一生懸命な時は、余計な雑念がない状態だからです。
将来への不安も、過去の悔いもなく、ただ今、目の前のことに集中する感覚。
この時間を日々感じることができることが、幸せなんじゃないかと思っています。

 

ここで、キーワードがある程度でそろいましたので、軽くまとめてみます。

まず、幸せとは、心の状態。
こころの外で起こっている出来事や状況は、すべてがそのきっかけに過ぎない。
そして出来事や状況は、とらえ方によって、幸せのきっかけにもなれば、そうでない場合もある。
そして、幸せな状態は、一生懸命打ち込むことでもたらされる。

 

では、一生懸命打ち込むことは、どうすれば見つかるのでしょうか。
たぶんですが、多くの自己啓発書が「目標設定」を重視するのは、人が一生懸命になるためではないかと思うのです。
しかし、本心からコミットできる目標設定というのは意外と難しいものです。
だから私はいっそのこと、目標が明確で、そのことに一生懸命になれる人はそれでいいと思います。
しかしもしそうでない人がいるなら、もはや目標設定はあきらめてみることを提案したいと思います。

なぜなら、目標を先に決めるという事は、一生懸命打ち込むことを先に決めるという事です。
私が提案するのは、一生懸命打ち込むこととの出会いを求めて、いろいろやってみる、という事。
やってれば夢中になることも、いずれ出てくるんじゃない?的ゆるーい考え方です。

 

そのために気を付けることは、

・いつもとは違う経験をするよう心掛ける
・思いついたことはとりあえず可能な限りやってみる
・今の現実と、やっていることがかけ離れすぎていても気にしない

といったことではないかと思います。

 

一つ目と、「いつもと違う経験」というのはそんなに難しく考える必要はありません。
いつもコーヒーを飲んでいるなら、紅茶にしてみるとか、ハーブティーにしてみるとか。
朝起きる時間を変えてみるとか、観光地でいつも写真を撮りまくってるなら、取らないようにしてみるとか。
絶対に行かないようなパーティーに参加してみるとか、きっと合わないだろうなぁと思うセミナーに参加してみるとか。
まあ、できる範囲のチャレンジでいいので、変わったこと、変わった場所、変わった体験をしてみる。
なにしろ「いつもと同じルーチン」を繰り返していて一生懸命になれないなら、そこに一生懸命になるものを無理やり探すのがおかしいじゃないですか。
だからわずかずつでも、違う世界を覗いてみることを意識してみます。

二つ目は、ほぼ一つ目と同じですね。
頭に浮かぶという事は、脳の中に隠れている自分の人格の一部が、「やってみようよ」とお誘いしてきている合図です。
その合図を今までは無視してきました。
これは逆に言うと、自分をないがしろにしてきた状態と言えないでしょうか。
無理する必要はありませんが、フッと思いついたことは、できるだけやってみるよう心掛けてみましょう。
こころの中で「面倒くさいなぁ」という抵抗がおこるかもしれません。
これは、新しい世界を知ろうとする好奇心をたしなめる、自分を守ろうとするもう一人の自分なので、ほどほどに静かになってもらうことも必要かもしれません。

三つ目は、色々と新しいことに挑戦していくと、なんだか今の家業と距離が離れていく感じを受けることもあるかもしれません。
ある程度の節度は必要かもしれませんが、ほどほどに、ギャップを楽しめばいい、と私は思っています。
有名な話ですが、かのスティーブ・ジョブズは特に目的もなく、好奇心からカリグラフィーを学んだようです。
その後のアップル社はパーソナルコンピューターを開発するのですが、美術的な分野とテクノロジー分野となるとまったく関わりのない世界に思えます。
逆にそういった真逆のものを組み合わせたことに、アップルの躍進があったのかもしれません。
そう考えると、後継者が家業とは全く違うジャンルの研究をすることも、決して悪い話ではないように思います。

そうやって、不慣れなこと(自分が慣れ親しんでいないこと)をあれこれと知り、体験することで、いずれ自分とマッチする何かに出会うことになると思います。
すすむゴールに何もイメージが浮かばないのは少し不安に感じるかもしれませんが、それはもしかしたら「ゴールを明確にせよ」という洗脳めいた考え方の副作用かもしれません。
今が楽しければいい、というと刹那的に見えますが、日々を楽しく過ごせないことがいい事とは思えません。
なぜなら、人生はいつ終わるか、誰もわからないからです。

だからいつでも、「今一生懸命なこと」を持っていたい。
そうかんがえるなら、常に、自分にとって不慣れでちょっとレベルが高めのことに挑戦し続けるのが、あるべき姿ではないかと思います。

 

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