前回の記事、後継者がリーダーになったら初めに知っておきたい会社のUSP(1)では、
USPとは何か?
自分の会社のUSPを知るためにできることは何か?
といったところを私が学んだ中で実践していった様子を少しお話ししました。
しかし、私の実体験としては、残念ながら教科書通りには、
私たちの会社のUSPは見つけることができませんでした。
そこで、少し考えてみた結果、こんな捉え方ができるのではないか?
という自分なりの仮説を思いつくに至りました。
私の著書です。
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Contents
抽象的な表現を具体的にする方法
お客様の声をUSPに変換するために
保険屋さんであった私たちのもとに寄せられたお客様アンケート。
その内容は、
- 迅速な対応
- 安心感があったから
- (保険)商品の良くない部分もきちんと説明してくれたから
- お任せしてます
といったぼんやりしたものでした。
しかし、これはどうも対外的なプロモーションに使えそうもありません。
「当社は迅速なサービスを心がけております!」
「当社はお客様の安心に貢献します!」
「当社はうそをつきません!」
「当社にお任せください!」
そう言葉にした時に、
誰でも同じことを言ってるじゃないか。
と我がことながらがっかりしてしまうわけです。
USPといえば、他の業者と自分たちを差別化する肝であるはずなのに、
隣の同業者と同じことを言っていたのでは意味がありません。
同業者の先輩に聞いてみたものの・・・
随分と、長い間頭の中でつぶやきました。
USP、USP,USP・・・
同業者の先輩に聞いてみようかとも思いましたが、
そもそもUSPという言葉を知る人さえ周囲にはほとんどいません。
かみ砕いて、「なぜ、他の業者ではなく、あなたの会社が選ばれてるんですか?」
といっても、「一生懸命だから」「専門知識を持ってるから」とか、
どうも私の求めている回答は得られそうにありません。
その答えは、確かにUSPではあるのでしょうが、
人に伝りにくいんですね。
そこでひらめいたのが、「迅速な対応」というものであれば、
具体的にどれくらい迅速なのか?という事を明確にすればいい、
というアイデアです。
- 電話は1コール以内に取ります。
- 思ったときにいつでも問い合わせいただけるよう24時間、
いつお電話いただいても即座にご質問にお答えします。 - 事故の現場には30分以内に駆け付けます。
なんとなく、USPっぽくなってきましたね。
現実可能性は別問題ではありますが、目指すべき指標としては、
いい感じだと思います。
安心感についても、お客さんが測れる数値で表現できる指標を用意すると、
USPっぽい雰囲気が出てきます。
本当はお客様は何を求めているのか?
お客さんと私たちのギャップ
さらにアンケートを見ると、お客さんは「お任せしてます」というコメントが結構多かったのです。
これは、もしかしたら、「保険」という商材特有かもしれませんので、
少し説明させていただきます。
皆さんも、「保険」というと感覚的にどんな受け止め方をされているでしょうか?
- 必要だとは思うけど、よくわからない
- 会社として用意する必要があるけど、あまり興味はない
- ないと困るのかもしれないけど、正直、あまりお金を出したくない
そんな感想を持たれる方が多いのではないでしょうか。
この事はつまり、お客さんから見て私たちの扱う保険という商材は、
ニーズがない、もしくはニーズはあるけどできるだけ最小限のコストと時間で用意したい
というたぐいの商品です。
ホームセキュリティや、害虫駆除、などが代表的ですが、
欲しくて買うわけではない商品
を扱われている方は、ちょっと注意が必要です。
こういった業種の場合、その商品の効能を知り尽くしたプロは、
お客さんにとって絶対必要なものである
という認識なのですが、お客さんからしてみれば、
出来る事なら買うのを避けたいものである
という事実をまずは認識する必要がありそうです。
売る側は「絶対必要」だと思うし、買う側は「そのことを考える事さえ面倒くさい」という商品は、
探してみれば結構あります。
そういった商材を扱われている場合、お客さんの声からUSPを見出すのは、非常に難しい作業になる傾向があるようです。
「欲しくない」という前提に立って初めて見える事
お客さんが欲しいと思わない商品だけど、仕方なく買っている。
そういう視点に気付くと、これまで見えなかったことが見えてきます。
一つは、欲しいと思っていただけるような工夫ができるか、出来ないか、という考え方。
もう一つは、欲しくないという前提があるならそれを受け入れ、
できるだけ簡単に理解し、買っていただける工夫ができるかを考えるという事。
恐らく、業界としての正解は前者を指すのでしょうが、
ここは業界的な良しあしではなく、自身のスタンスとしてどの道を選ぶのか?
という観点で見ていったほうが、今後のビジネスの進め方に対するストレスは
少なくなるようにも思えます。
さて、次回はもう少し深堀していきたいと思います。
後継者がリーダーになったら初めに知っておきたい会社のUSP(1)と合わせてお読みください。
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