後継者

後継者がリーダーになったら初めに知っておきたい会社のUSP(3)

前回の記事、後継者がリーダーになったら初めに知っておきたい会社のUSP(2)では、
その業界の中にいる人間と、お客さんの感覚のギャップについて触れました。

そのギャップは、結構深いものがあります。
私たちは、自分たちの商品・サービスに思い入れがありますし、知識もあります。
だから、お客さんはこれを選ぶのが正しい、という思いを持っていますが、
お客さんとしては必ずしもそう思っているわけではないようです。


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親の会社を継ぐ技術

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ホンネとタテマエ

「任せてます」の本当の意味

さて、私共(保険販売店)が、USPを明確にするために行ったアンケートでは、
ぶっちぎりのトップだった「お任せしてます」という結果。
当初は、安心感を買っていただいていると思っていたのですが、
お客さんが「保険は本当は買いたくないんだけど・・・」という前提で考えてみると、
ちょっとばかりニュアンスが違うように感じられます。

ちょっぴり大胆な表現をすると、

「私、保険の事なんてわからないし、考える時間とかないから、
あなたがちゃんと考えてよ。プロなんでしょ?」

という思いが強いのではないかな、と考えられそうにも思えます。

お客さんの本心と業界標準はずれていることが多い

実は、保険業界の標準的な考え方としては、保険に関しては
きちんとヒアリングし、コンサルしたうえで提案するのが正しい
というのが基本です。
だから、同業者の方はより深く、保険やお金のことを学びます。
しかし、一時間かけてお話を伺った後、最後の段階で多くのお客さんは、
「で、あなたは、どんな保険に入ってるの?」
「あなたは、どれがおすすめなの?」
と聞かれるケースがほとんどです。

つまり、過程としてのヒアリングやコンサルは大事なのかもしれませんが、終局的にはお客さんは
プロの判断を聞きたい
というのが根本的な思いではないか、という仮説が出てきます。
コンサルが重要というより、それはそのコンサルタントの力量や姿勢を試すもので、本質的にはそれを自分で考えるというより、正しい力量を持った人に任せてしまいたい、という本音があるように思います。

お客さんのホンネに合わせたビジネス

初めからプロの判断を提示するという選択

そこで考えたいのが、何もないところから保険をオーダーメイドで作りますよ的なメッセージが今の主流に思います。
しかし、お客様は、任せることを求めている。
とすると、プロの知見を盛り込んだ、タイプ別おすすめ保険を提示する、という方法も考えられるわけです。

年齢・性別・家族構成をメールで頂ければ翌日中にプロが考える3つのおすすめプランをお送りします

なんていうメッセージは、もしかすると忙しいお客さんに刺さるかもしれませんね。

USPを考えることは戦略につながる

シンプルでわかりやすいUSPを打ち出すことができれば、場合によっては一気にビジネスを加速させるケースがあるようです。
有名なのは、ドミノピザですね。
まだ、日本ではピザを食べるという事自体、あまりなじみが少なかった時代にやってきて、一気にビジネスを拡大したように記憶してます。
そのメッセージは、

ホットでフレッシュなピザを30分以内にお届けします。もし30分以上かかったら、ピザの料金はいただきません。

というもの。

顧客との約束を明確にし、その約束を計る指標を提示し、約束が果たせなかったときの顧客への保証を詰め込んだ秀逸なUSPとして有名です。
この一行に、ドミノピザの戦略が集約されているのですから、見事なものです。

後継者がUSPを明確にする意味

産業寿命より人の寿命の方が短い

最近、よく言われるのは企業の寿命が短くなっている、という事。
そんな時に、会社を引き継ぐ後継者は大変なんです。
企業の寿命が短くなっているという事は、その企業の商品・サービスの需要が減っているか、競争が激しいかといったところでしょう。
そうすると、ぼんやり事業を続けていくことっていうのは、結構難しい時代になってきている、という事でもあるのではないかと思います。

その中で、後継者が負う役割は、
会社を今までと同じように維持する事ではなく、時代に即した形に変化させていく
というところにあると思います。

そこにたくさんの抵抗はあるのですが、それをしない事には会社は存続できず、維持さえも難しいのではないかと思います。
そうしたときに、会社としての優れた点、持っているポテンシャルを明確にするのは、次のステップへ進むためにも非常に重要なポイントではないかと思います。
歴史の中で培われた資産を、これからの時代に上手く適合させるために、自社のUSPを考えてみる時間をとってみて頂きたいな、と思いまます。

 


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