「ドリルを売るな、穴を売れ」を会社ぐるみで行えないか? 後継社長の事業戦略

少しビジネス書をかじると、
「モノを売るな、コトを売れ」
なんて言葉をよく見かけます。

よく読むとなんとなくイメージできるのですが、じゃあやってみろ、と言われても何をやっていいかわからない。
短絡的な私はずーっと頭を悩ませていました。

もう一つよくある話ですが、
「ドリルを売るな、穴を売れ」
という話。
営業本ではおなじみのフレーズです。

言ってることはわかるけど、どうやって実践すればいいのか頭を抱えてしまうわけです。
その原因は何かというと、ある思考のとらわわれが原因ではないかと思うのです。

 

中小企業二代目サポーター
田村薫です。

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ドリルを買いに来たお客さんに、言われるがままドリルをうってはいけない。
よく営業本で出てくる話です。
ご存知のない方のために、簡単にご説明します。

お客さんが電動ドリルを買いに来たとします。
店側の対応として、はいはい、ドリルにはこんな種類があって、こんな特徴があって・・・
なんていう対応をするのは三流の仕事と言います。
なぜなら、お客さんは、ドリルそのものが欲しいのかどうかわからない、という前提があるわけです。

もしかしたら、部屋に棚を作りたいから板に穴をあけたいだけなのかもしれないわけです。
実はほしいのは、ドリルではなく、穴の開いた板だったのかもしれない。
だから、そういった事をキチンとヒアリングしたうえで、穴あき板が必要ならそれを販売すればいいし、特別なものなら加工してあげることで事足りるかもしれません。
確かに、電動ドリルを売ったほうが短期的な売上は上がるけど、お客さんにメリットのある提案をしたお店は顧客満足度が高まる。
結果として、リピート購入が増える可能性が高い。
つまり、長期的に見ると、そのほうが営業としては正しい。
そんなお話です。

 

この話は、多くの場合、営業社員個人の努力として語られます。
ただ、それを会社の戦略にしたらどうなるでしょうか。

ここで問題がおこります。
電動ドリルを販売している道具屋さんは、必ずしも穴あけ加工をやっているわけではないわけです。
大手のホームセンターならいざ知らず、小さな商店ではそこまで対応できない。
となると、「よそでやってくださいな」ということになり、お客さんは二度と帰ってこないでしょう。

その商店は大工道具、DIY道具を売るお店だからです。
もうすこし言えば、「道具」屋だからです。

 

道具屋の何がおかしいのか?と問われればそれはごもっともです。
しかし、その道具屋を訪れるであろうお客さんは、ドリルを買いたい人もいるけど、穴だけ欲しい人もいる。
そこまで考えたとき、そもそも道具屋なんていう分類は、顧客のための分類ではないといえるのではないでしょうか。
私たちは、私たちの利便性のために勝手に業種を区切って考えているだけなのです。
そしてその業種分類に最適化したビジネスを展開してきた。
これこそが、ドリルではなく穴を提案できない理由です。

 

たとえば、頭痛があるとすれば、さまざまな原因が考えられます。
受診するのは、脳神経外科かも知れないし、整形外科かも知れないし、心療内科・精神科かもしれない。
今の現実としては、原因がそれぞれの専門分野で特定されなければ、病院のはしごをしなければならない。
けっか、「肩こりが原因かも」なんてことになり、整体や鍼治療で収まることになることもあります。

これが「頭痛専門院」的な場所があればどうでしょうか。
頭痛の事なら様々な分野からのアプローチで解決しますよ、と。
お客さんの欲しい結果は、頭痛が収まる事です。
それを総合的に解決してくれるなら、誰もがそこの門をたたく事でしょう。

 

そう考えていくと、
「○○という商品なら任せてください」
という商品やサービスの専門家ではなく、
「あなたの○○という問題を解決できるプロです」
「あなたの△△という望みをかなえるプロです」
という状況が必要なわけです。

 

そうなると、品ぞろえやビジネスのやり方が変わることがあります。
なにしろ、道具屋さんが「家の模様替え相談窓口」になるとしたら、今まで売っていたものとは全く内容は変化するわけです。

 

当然、社内は騒然とするでしょう。
今までの常識が180度ひっくり返されるわけです。
実はこの手の話が、リアルな現実と知ったとき、熟練の経営者でさえ茫然自失となることがあります。
自分が信じてきた常識が覆されるのですから無理もありません。
その考えをつかみ、自分のものにし、社内で語れるのは恐らく後継者しかいないでしょう。
若さと未熟さこそが、強みとなります。

もし、考え方の転換が必要だ、と後継者が考えたとしたらある日突然そんなことを言っても誰一人耳を貸す人はいません。
この手の話はUFOだの超能力を使える、使えない的話と似ています。
たとえ目の前で目撃しても、それを信じようとしない人が大半です。
世の中の変化をいくら力説したところで、社員や先代が理解するには時間がかかります。
しかし、じっくりと繰り返し浸透させていく。
その過程に、後継者自身の真剣さと熱意を見て取って、「そんなことがおこるとは思えないけど、後継者を信じよう」という社員を一人ひとり作っていくことが大事です。
その過程をあきらめずやっていくことが大事だと思います。
期待はせずとも、熱意は傾ける。

そんな姿勢で、会社のかじ取りをやっていく必要があるのではないでしょうか。

 

その時に必要なのは、信念と諦めない強さ。
まずは自分自身が、その世の中の変化をリアルに感じる必要があります。
そのためには、自分視点から相手(主にお客様)視点に変える。
そして場を読む。
そんなことを意識することが重要です。

意識するだけでOK。
次第に上手になってくるはずです。

その空気を読むことができたら、それこそ自分の時代がやってきたことを感じざるを得ない。
私はそう信じています。

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