1980年台に私がけっこう夢中になったアニメがあります。
それが、ちばあきお原作の『キャプテン』です。
このマンガ、一人のキャプテンの物語ではなく、一つの中学の野球部の次々と変わるキャプテンにフォーカスした物語。
その中で、キャプテン一人一人個性が違うのですが、そこにリーダーシップを学ぶことができる内容がずいぶんと含まれていたように思います。
物語のなかでは、キャプテンはメンバーから拒絶されたりすることも少なからずありました。
そのとき何が起こっていたのか。
リアルな後継者のふるまいと重ね合わせて見てみたいと思います。
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Contents
3者三様のリーダーシップ
『キャプテン』
冒頭でご紹介したとおり、キャプテンというマンガ・アニメがありました。
舞台は墨谷二中という中学の弱小野球部。
ここに、谷口という男が転校、野球部に入部してきます。彼が来ているユニフォームは青葉学院中学という野球の超名門校。
墨谷二中のメンバーは、彼を「青葉からやってきたすごいやつ」と思い込むのですが、実は谷口本人は万年補欠のヘタッピ選手。
しかし、みんなの期待を裏切るのは忍びない谷口は、影での壮絶な自主練でそれっぽく見せるようにしていました。
そんな谷口が三年になるときに、先輩からキャプテンになる事を言いつけられます。
しかし谷口は、「自分はそんな器ではない。実は青葉では万年補欠だった」ということをカミングアウト。しかし、先輩はそんなことは見抜いていて、日々の隠れた努力を買ってのキャプテン登用でした。
この谷口のリーダーシップは、ただ「練習量を増やす」というもの。本人は野球に関して努力をすることがまったく苦にならない傾向があるようですが、それをメンバーに強要することで一時的に内部に不和を起こします。何しろ、早朝の練習に始まり、夕方から夜遅くまでの練習。すべての人が野球オンリーという生活ではない中で、谷口はすべてを野球につぎ込んでいたという感じでしょうか。
谷口キャプテンから後継者が学べること
後継者が何かしら悩みを持つとしたら、ここにあるようなメンバーとの距離感ではないかと思います。後継者は、最後は自分が会社を経営することになります。だから、ある意味、会社に関するところに100%にちかい時間や能力を投下することになると思います。それが自分にとっては当たり前なのですが、それが周囲の人間もそうだとは限らないということです。谷口キャプテンは悪気はなかったのですが、周囲への共感力が少し足りなかった一面もあったのかもしれません。
ただ、ここが悩ましいところですが、谷口キャプテンは優勝を目指していました。この優勝という前提があるなら、猛練習も当たり前なのかもしれません。しかし、そこにコミットできないメンバーもいれば、その目標への道をなめてかかる人もいます。この辺りの視点合わせが必要、と気が付いた谷口キャプテンはその後、様々な手を打ち、チームがまとまってきたように思います。
丸井キャプテンから後継者が学べること
谷口キャプテンの後を継いだ丸井キャプテンは、基本的に谷口キャプテンの縮小コピー。そこに加えて、短期。案の定、メンバーからは総すかんを食らいます。その後、イガラシという有能な新人が軍師のようにサポートするようになって、だんだんとうまく回るようになってきます。丸井キャプテンをみていると、まずはメンバーとの信頼関係を築くことが大事だな、と感じさせられました。特に、怒鳴りつけて誰かを服従させようとしても、決してうまくは行かず、どこかで相手も爆発するということ。
後継者はあからさまに社員を怒鳴りつけることは少ないかもしれませんが、従業員が動かないと、そのことが自己肯定感の低さと化学反応を起こして、カッとなる事が多いと思います。まさに丸井キャプテンの状況と似ているかもしれません。丸井キャプテンを見てイライラする人は、ちょっと気をつけたほうがいいかもしれません。
イガラシキャプテンから後継者が学べること
丸井の参謀を務めたイガラシがその次のキャプテン。彼はとても有能で、何でもこなすオールラウンドプレイヤー。1年生のころから頭角を現しているので、もうそれだけで「生意気だ!」となります。特に一年生のころは、歯に衣着せぬ言葉を先輩にも投げかけ、かなりの嫌われ者でした。しかしそれが、エキセントリックな丸井キャプテンの時代には随分とマイルドになってきます。もしかしたら、チームの安定を揺るがすキャプテンとのバランスを無意識にとっていたのかもしれません。イガラシキャプテンも、かなり激しい練習をメンバーに課して、けが人続出。それが結果として大問題に発展したりもしました。
エリートとしてチームに入ってくる感じが、後継者の立場とかぶる部分もありそうな気がします。
自分中心という問題
起こった事件の背景にあるもの
これを見ていくと、三人三様のリーダーシップではありますが、実は同じ問題を抱えてもいます。
それは、「自分の常識をメンバーに押し付けている」ということです。それを象徴するのが「練習量」です。
キャプテンはみな、全国大会優勝が目的で、その目的に応じた練習をメニュー化します。
しかし、多くのメンバーはそこについてこない。
それはなぜかというと、メンバーは優勝ということの現実可能性を信じていなかったり、優勝にさほど固執していなかったりするからです。
例えば私やあなたが、「次のオリンピックに出るんだ!」といって激しいトレーニングを強要されたらどうでしょうか。
バカバカしくって、やってられない、ということになりそうです。
3人のリーダーはこれをやらかしていたように思います。
彼らに共通の問題は、「自分勝手な目標」をメンバーに強要していたというところにあるのではないかと思います。
目標は目的は、それなりに丁寧に、腹落ちするような工夫が必要な気がします。
はじめにやるべきこと
「自分勝手な目標」は、まさに自分のための目標。
特に後継者が考えたいのは、「それは誰のため?」ということじゃないかと思います。
どうしても自分のメンツを保つためとか、後継者の自分本位な思いに駆られてはいないでしょうか。
もしそうだとすると、そこに人が共感するためには、まずは人間関係を構築する必要があります。みんなが私のことを好きなら、私が言うことも少しは耳を傾けてくれるというものです。
そこをすっ飛ばして、これが正論とばかりに自分の目標を押し付けるから、組織は上手くいかなくなります。
そういう意味では、この『キャプテン』はなかなか興味深いマンガです。
よければ時間をとって、リーダーシップについてを考えながら読んでみると、いろんな学びや気づきが得られるかもしれません。
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