跡継ぎである後継者が本来の自信を取り戻す方法

後継者の方の悩みのうち、とくに30歳代の方に多いのが、
やっていけるかどうか「自信がない」というものです。
そりゃあそうですよね。

何しろ後継者というのは、
・先輩社員を追い抜いてリーダーにならなくてはならない
・財務に関して先代がブラックボックス化している事も多い
・たいてい代替わりでは保証人の印鑑を押す(会社の借金を背負う)
などなど。

社会人として段階を追って成長するというより、
予期せぬタイミングで重責を負わなければならないわけですから。
しかし、自信が持てない原因はそれだけなのでしょうか?

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後継者が陥りがちな負のスパイラル

自立できない?させてもらえない?跡継ぎ後継者の微妙な立ち位置

多くの場合、同族企業において後継者として入社した子供は良くも悪くも注目を浴びます。
社員から、取引先から、金融機関から、特別な目で見られる。

例えて言うとこんな感じかもしれません。
プロのスポーツ選手は、一流になればいろんな目にさらされます。
いつも注目され、良いプレイをすれば称賛され、失敗すればこき下ろされる。
そんな一流選手も、下積み時代はだれの目に触れるでもなく、ひっそりと一人練習をしていたはずです。
彼らは、そういった練習ののちの完成形に対して、さまざまな意見をぶつけられる。

一方で、跡継ぎである後継者というのは、未完成状態から様々な目にさらされ、意見され、批判されます。
よほどのことがなければ称賛されないというちょっと損な役を引き受けることになりがちです。

その中でもとりわけ、先代である親からの注目度はかなり高い。
なにかと口うるさく言われている人が多いと思います。
特に、親は子の失敗を容認しません。
失敗させないようにするわけです。
これは親の愛でもあるのですが、子にとってはまさに目の上のたんこぶ。
だんだんとその”監視の目”がしんどくなってきます。
しだいに、親が見ていないところでも、親の監視の目を気にし始めるようになります。

監視が必要なのは「つかえない自分だから」?

そんな状態になると、後継者である子は無意識に「自分は使えない人間だ」と思い始めます。
親が「まだまだ後継者である子は頼りないから、親のサポートが必要だ」と思っていると、
子はその気持ちを斟酌してか、常に親のサポートが必要な子であり続けようとします。

もう少しわかりやすく言うと、任せてもらえないということは、自分は無能なのだ、という思い込みが後継者の心の中に芽生えます。
人は任されてはじめて、認められると感じるものです。
任されないんだから、認められてないんだというシンプルな構造です。

すると、跡継ぎである後継者は自尊心が急下降します。
「ああ、自分は使えないやつなんだ・・・」
と思いがちなわけです。

このままではいけない、自分は足りないものばかり。
後継者はそんな焦りや不安を心の中にとどめていますから、どこかオドオドした雰囲気をまとうようになります。
それを見た先代・親は、もっと自信を持て!とはっぱをかける。
そして、子は「自分はできない」と感じ、「オドオド」し・・・・とまさに負のスパイラルを経験するわけです。

その仕組みを、下の通り図にまとめてみました。

 

負のスパイラルから抜け出すには?

自分で制御できるところはどこか?

こういった状態に陥ると、たいてい行き止まりにぶつかります。
それはなぜかというと、問題を自分の外に求めるからです。
自信を喪失した後継者の視点で見てみます。

上の図で、後継者自身がコントロールできる部分と、そうでない部分に分けてみましょう。

・先代の過干渉
・できない自分というセルフイメージ
・自尊心の低下
・周囲から見た頼りなさ

この4つのうち、たいていは「先代の過干渉」を何とかしたいと考えます。
頼むから黙っていてくれ、と会議に出させない、発言させない。
場合によっては会社を追い出すとか。
もう少し遠慮深い人なら、自分が会社を辞めよう(あきらめよう)というところに行ったりもします。

しかし、どう考えてもそれは難しい。
頑固な先代をどうやって変える?って話ですよね。
もちろん方法がないわけではないのですが、直接交渉ではほとんど無理です。
なぜなら、先代は無意識に干渉してるからです。
意識的な行動であれば「気を付ける」ことで改善するかもしれませんが、先代は無意識だからとめることは難しい。

じゃあ、周囲から見た頼りなさを何とかできるものでしょうか?
自分以外の人が後継者をどう評するかはコントロール不可能です。
たとえば、芸能人が「寄付をした」とSNSに投降したとして、多くの人がそれを「偽善だ」と感じてコメントが殺到したと思います。
この「偽善だ」という周囲の人の考えを変えさせることはできるでしょうか?
こういう人たちを説得しようとすればするほど、火に油を注いだかのように炎上します。
人が自分に対して、どんな印象を持つかはコントロール不可能です。

で、何ができるかというと、周囲の人がどんな印象を抱くかではなく、どんな印象を抱かせる自分になるか、ならコントロール可能です。
親の過干渉に対する自分の「反応」を変えることもコントロール可能です。
けっこう大変だよな、と思うかもしれませんが、自分を変えるのが最も手っ取り早い方法なのです。

自尊心の”プール”を満たす

自分が変わればいい、と言ったってそう簡単にできることではないだろ!?
はい、そのご意見、よくわかります。
ある日突然自分が変わるというのは、正直、そうそうないと思います。
(まったくないとは言いませんが)
だからちょっとばかり長期戦であることを覚悟してください。
そのうえで、しつこく、粘り強く、いくつかの習慣を実践してほしいのです。

そこで第一のテーマは、自尊心のプールを満たす、ということです。
たぶん、後継者として会社に来て、完全に自信を喪失している人にとって自尊心のプールはカラカラに渇ききっています。
こんなはずじゃなかった、いつから自分はこんなにうまくいかなくなったんだろう・・・
そんな風に思っているとしたら、自分さえもが自分を攻撃し始めてる可能性が高い。

今はあなたに入ってくる情報はなぜか、すべてあなたへの攻撃に変換されているのではないでしょうか。
先代が「おい、あれはもうやったのか?」と聞かれたら、その時点でまだやっていない自分を責めてないでしょうか?
周囲の人が、「頑張らないといけないね」と言ったら、ただの応援なのに「自分はまだまだ頑張れてない」と自分を責めてないでしょうか?
もしそうだとしたら、あなた自身が自分を攻撃し始めてるわけです。
この反応、即座にやめましょう。

「もうやったのか?」と聞かれる。
「あ、やってない、俺ってやつは・・・」と自分を責め始める。
そのモードに入っていることをまずは気づいてください。
そして、自分を責める自分に心の中でこう言ってください。
「なんでやねん!」と。

自分なりにやってて、責められるいわれはない。
自分は正しい。
まずは、自分を、自分の味方にしてください。

そりゃあうまくいくこともあれば、行かないこともある。
ヤル気が出るときがあれば、ヤル気が出ない時もある。
そんないいも悪いも含めて、まずは自分が自分を認める必要があります。
他人と比べてどうこうというより、自分として自分なりに努力していることを認め、まずは自尊心のプールに自分が自分を信頼することで水を満たしてください。

本当にうまくいくのか?

ここで違う不安が出てきます。
自分で自分を認めたところで、状況は変わらないじゃないか、ということです。
そりゃあそうです。
例えば会社が大変な状況だとしたら、あなた一人が「自信を取り戻したぞ」としたところで、会社の状況は変わりません。

しかし、もう一度図を見てほしいのですが、あなたの自信のないそぶりが先代の不安を惹起し、あなたへの干渉を強めます。
これはせんだいとの関係のみならず、他の社員にも少なからず影響を与えているポイントでしょう。
そうすると、あなたが自信をもって何かを語りだしたとき、社員は何か変化を感じ取ります。
そして社員が変化すれば、先代も変わります。
朱に交われば赤くなる。
これはいい意味でも、起こりうる話です。

メンタルの変化を現実に落とし込む

少なくとも、心が変われば振る舞いも変わります。
ここで、一つ試してほしいことがあります。
それは、毎日その日に必ず達成できる、小さな目標を立て、一日の終わりにそれを達成した感覚を味わってほしいのです。
これは、自分との約束を守るということで自尊心も高め、一方で、メンタルの変化を行動という現実に落とし込む手っ取り早い方法でもあります。

この時に建てる目標は、結果が他人に左右されないものにしてください。
そして、あなたがその気さえあれば、必ず達成できる目標です。
悪い例は、「今日は営業でこの案件を決めるぞ」っていうパターン。
これは、顧客の意向が反映されるのでNGです。
そうではなくて、たとえば「今日は営業で〇件訪問する」とか、「新しいプロジェクトの企画書を作る」とかがいい。

はじめはらくらくできる目標でOKです。
ちょっとずつ、そのレベルを上げていく。
そういった積み上げが、中長期的にみるとかなり大きな変化を作り上げます。

ヤリタイを補給する

さて、これまでは不満や不安を取り除く方向でのお話でした。
しかし残念ながら、不満を取り除いた延長線上に、満足という感情は起こりえません。

下図に示した通り、不満の解消と満足の向上はまったくの別物です。
こんどは、後継者である私たちが充実した人生を送るための考え方が必要になります。
そしてそれは、うちから湧き出る「ヤリタイ」という欲求になります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このお話に関心のある方は、こちらの記事に詳しい内容を記していますので、良ければご参照ください。

後継者が「やるせない気持ち」になりがちなたった一つの理由

 

やりたいことがわからない、という後継者はけっこう多い。
なぜかというと、やりたいな、と関心を持った瞬間、それを自分で却下しているからです。
何か新しいこと、新しい情報に触れたとき、なんだかんだ言い訳をつけてそこに向かわない癖をつけています。

ここまでの内容を実践してくださった方には、そのことが何となく理解できるんじゃないかと思います。
すぐにはわからなかったとしても、ぽっと出てくる「ヤリタイ」という感情を上手に捕まえるよう意識してみてください。

その「ヤリタイ」と、今の仕事を掛け合わせたとき、なにか自分が、そして引き継いだ会社として目指す方向性が見えてくるかもしれません。
それを「正しい」か「間違い」か、という基準で判断しないでください。
可能であれば、少し取り掛かってみてください。
その過程で、「ヤリタイ」の内容や、それをビジネスとして作り上げていく上での変更・変化は必要となるでしょう。
しかし、それが正しいか間違いではなく、やりたいか、やりたくないかの基準で見てどうかを常にチェックしてみてください。

そうやってチャレンジしていくと、もしかしたらあなたのライフワークと出会うこともあるかもしれません。

マイナスからプラスへ

今回も随分と長い文章になってしまいました(汗)
簡単に全体を要約すると、
・自分が変わるというのが最も手っ取り早い現状の打破の方法である
・自分が変わる方法として、まずは自分自身を味方につけよう
・気持ちが変わればそれを現実の行動に落とし込もう
・不満の解消では充足感は得られない
・あなたの「ヤリタイ」を追求しよう
という、まあどこにでもあるようなお話だったりします。

しかし、どこでもあることだからこそ、真実に近いともいえるのではないかと思います。
私自身、割といろんなことに頭を悩ませて時期がありました。
今はほとんど気にすることもありません。
その過程で、ここに書いた以外のこともいろいろ試してみましたが、比較的実践しやすいものとして私自身がやったことをご紹介しました。

方法論はともかく、長年悩んでいるとすれば、同じ輪をぐるぐる回っている可能性が高い。
そこから逃れるには、方法は2つしかないと思っています。
その輪を完成させないように、回転のサイクルの一部を断ち切ってしまうというのがここで紹介した一つ目。
そしてもう一つは、二次元でまわる輪を三次元といえる上から眺めるというのが二つ目。

この情報を目にしたあなたは、そろそろそのサイクルから脱出するタイミングなんだと思います。
かげながら成功をお祈りしております。

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