シリーズでお届けしたこの記事も、今回が最後です。
チームが機能するために必要な5つの要件、
- 目的(目標)が明確である
- 役割が明確である
- 進捗が明確である
- プレイヤー個人の評価が明確である
- プレイヤー個人の技量が明確である
について解説してきました。
今回は、その内容のまとめを論じていきたいと思います。
なぜ企業は一体とならないのか?
個人が中心となる組織
企業は大きくなればなるほど、生き物のように意志を持ち始めます。
一人一人の社員が細胞とすると、細胞が意図しない方向に動き始めます。
経営陣は、株主の利益の最大化のために奔走します。
中間管理職は、自分の点数稼ぎのために経営陣が望むであろう振る舞いをします。
一般社員は、人事評価への恐怖から管理職の目にかなう仕事をしようとします。
結果として、だれも望まない方向に会社は進みます。
本音と建て前の中で構成員はほんろうされます。
たとえば、企業理念として「○○という商品を通じて、世の中を××とする。」と掲げていても、
それを本気で信じている社員は一人もいない。
信じさせるような仕事ぶりを、どの上司も見せてくれないのです。
言葉と行動が一致しないことの不安
会社として、こう進もう!耳障りのいい言葉を語りながら、見かけの売り上げにしか関心を寄せない上司。
結局、会社は、売り上げを上げればそれでいいのね、とどこかあきらめに似た感情を社員は抱く。
けっか、誰かのために働いてバカを見るより、自分の収入だけを考えて働こう。
そういう人が増殖し始め、会社はブラック化していく。
社員は不安なのです。
上司の言葉を信じてよいのだろうか?と。
安全の確保されない場では、人は疑心暗鬼になります。
そこで、チームだとかいう青臭い話をされても、「かんべんしてよ」という反応しか出てきません。
目的に忠実に
チームワーク
チームワークを高めよう、とは多くのリーダーが言います。
そのためには、チームにとって安心できる環境が必要です。
この人の言葉を信用していいんだな、と。
すべての前提はそこから始まります。
目標をシンプルにする事は、そういう意味もあるのです。
そして、チームワークとは共同作業です。
個人で輝くことでなく、チームをサポートすることが一人一人に求められ、
そのことを評価する、というチームメンバーへの約束です。
ここがぶれるから、チームはまとまらないのだと思います。
親子関係にも
実はこの話は、親子関係にもかかわってきます。
親子経営における仙台と後継者においては、
まず目指す目的が共有されていないことが多い。
お互いが違う目的を持っていることがほとんどです。
不謹慎な話になりますが、先代が病気などで倒れると、
社内に独特の一体感が見られることがあります。
これは、単純に「会社を存続させる」というゆるぎない目的が
チームの中に浮き上がるからです。
会社がなくなってしまえば、個人評価もくそもありません。
だから、会社を存続させることに全社員が集中できるのです。
ゆるぎない目的
親子経営において、もっともハードルが高い部分ではありますが、
この目的を親子で共有することができれば、
事業承継は、驚くほどスムーズに進むはずです。
なぜそれができないかは、過去の記事でも書いていますが、
自分のテリトリーを守るためです。
そこを緩め、目的を共有する事に双方が集中しなくてはなりません。
目的を自分の中にではなく、外に置く。
これはチームとしての会社としても、親子の経営においても、
重要なことの一つだと思います。
あなたの目的は、どんなものですか?
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