そこに信頼関係はあるか?

小学生に、「チームにとって大切なものは?」と聞いた時、
どんな回答が出てくるでしょうか?
きっといろんな回答があるとは思いますが、
その中に「信頼関係」というものが、かなり高い確率で
出てくるのではないでしょうか。

小学生でも思いつきそうなこの言葉、
実は社会ではあまり現実として機能していないような気がします。
信頼があやふやな状況で、一定規模の組織を作ろうとすると、
「管理」に走らざるを得ません。

逆に、相応の規模になってくると、一人一人が見えなくなるため、
やはり「管理」を主体としたマネジメントにならざるを得ません。
その結果、社内に稟議書、申請書が増え、書く人の手間、読む人の手間が増え、
組織の効率は下がる方向になります。

一定規模の組織では、それもやむを得ないのかもしれません。
しかし、それが、創業者と後継者という一対一の関係のとき、
「管理」という考え方が入るのは、いささか不都合が出るかもしれません。

信頼関係があるチームで起こる事

先ほど、「信頼」という言葉は、「信じて頼む」と書きました。
この事はつまり、少なくとも相手に任せたことについては、
原則として手出し、口出しは行われることは少ないでしょう。

ああやれとか、こうやれとか言う指示だしも基本ないはずです。
あるとすれば、どんな結果を求めるかという目的のコミットメント。

つまり、到達すべきポイントが明確であり、
そこへの道筋は、相手にゆだねられ、
頼んだ方は、その結果が出ることをただ待つ。
これが、信頼という言葉から発想する私のイメージです。

例えば、自分が病気になった時、手術を信頼できる先生に任せ、
自分は体力回復のために、食事や睡眠に気を使う、
といった感じでしょうか。

実際に多くの組織で行われていることは・・・

しかし、実際に、先代と後継者間で、こういった信頼関係が結ばれていることは少ない。
「任せる」と言われたことも、時折監視され、
それが先代の考えと違えば、反対されるかもしれない。
面と向かって反対されなくとも、後継者のやり方と違った方法で先代が目的を達しようと、
部下を動かし始めるかもしれません。

いずれにせよ、「信じて頼む」という状況からは、ほど遠い事態になってしまう事が、
非常に多いのです。

その結果、後継者はやる気をなくし、場合によっては会社を去る事も真剣に考え始めるでしょう。
創業者が、「後継者に経営の才はない」と判断したうえで、
後継者を退職に追い込もうと考えるなら、非常に効果的な方法かもしれません。

しかし、本当にともに会社を盛り立てようとするなら、自殺行為といえるのではないでしょうか。

創業者が後継者に積ませるべき経験とは?

後継者のやり方に、ついつい口を出してしまうのは、
創業者の方が有能だからです。
自分なら、そんなこと一瞬で解決できることを、
後継者は、あれこれ迷いながら、失敗しながらやらなければならない。

創業者にしてみれば、転ばぬ先の杖ではありませんが、
転ばないように、ついつい口を出し、手を出してしまう。

しかし、それが、会社の未来にとって、後継者にとっていい事か?
といえば残念ながら賛成しかねます。

たとえ話ばかりで恐縮ですが、子供の自転車の練習で、
いつまでも親が自転車を支えていては、
子供はいつまでたっても補助なしには自転車に乗れることはないのではないでしょうか。
いつかは手を離さなければならないのです。

それはいつの事でしょうか?
私は、早いに越したことがないと思っています。
転ぶことも有るかもしれませんが、その事が次の糧にもなります。
創業者という、頼もしい存在が社内にいるうちに、
後継者は転ぶ練習をしなければならないのです。

結論としてお伝えしたいことは、後継者には「失敗すること」を奨励していただきたい。
さすがに、会社を揺るがすほどの失敗は未然に防がなければなりませんが、
小さな失敗は、数多くした方がいい。
創業者がいくら小言を言ったところで、耳に入らない後継者も、
誰にも邪魔されずやったことが失敗となった時は、真剣にそのことを考えます。

創業者が後継者に口を出すという事は、
そんな後継者の成長の機会を奪っている、
という事に他なりません。

そのことを、今一度考えてみてはいかがでしょうか。

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