まずは、この項目を確認してみてください。
後継者で、ここに当てはまる項目がある人はいるのではないでしょうか。
- まじめに努力しているのに、充実感がない
- 周囲の目を気にして、無理にがんばってしまう
- 自分よりほかの人が喜ぶことを優先してしまう
- いつでも人と比較してしまう
- 何をやりたいのかが本当はわからない
- いつでも何かを心配している
- 自分を傷つけるような行動をしてしまう
- 人生は生きるに値するか疑問に思う
「なぜ自信が持てないのか 自己価値観の心理学」根本橘夫
私の著書です。
関心を持っていただいた方は、画像をクリック。
「自己価値観」という言葉を聞いたことはありますか?
「自己肯定感」なんていう言葉はもしかしたら聞いたことがあるかもしれませんね。
いずれも、自分自身が大事な存在である、と認める事です。
しかし、実際には自分を認めるというのは難しいもので、
たとえば、他人に褒められたとしても
- 他人に褒められても素直に喜べない
- 逆に何かを促すために褒めているのではないか?とかんぐってしまう
といった反応をしがちです。
多くの場合、経営者はこの傾向が強いと言われています。
褒められてもすんなり受け入れられないから、
もっと頑張らなくては、と行動するわけです。
いつかは自他ともに認める自分になるために、
経営者は努力します。
この渇望感があるからこそ、会社を引っ張っていけるわけです。
しかし、この渇望感は、いくら仕事で成功しても、
いくらお金や社会的地位を手に入れても、
消えることはありません。
最も影響力を持った”自分”が、自分を認めていないからです。
この自己価値観・自己肯定感の低さの多くは、幼少期に形作られることが多いようです。
幼いころ、寂しい思いをしたり、叱られてばかりで認められなかったり、
親の愛情を受ける事ができなかったりした場合、自己価値観・自己肯定感が低くなるそうです。
自己肯定感が低いと、
- 自分の事ばかり(自慢話)を話したがる
- 怒りっぽいなど、感情表現が苦手
- 他人から評価(世間体)を異常に気にする(いい人ぶる)
- 他人を依存させようとする
といった傾向の行動をとりがちです。
これは、連綿と親から子へと伝えられる傾向があるようです。
まずは、祖父母が先代の子供時代に影響を与えています。
親の過干渉もしくは不干渉であったり、兄弟での差別など。
祖父母は愛をもって育てたつもりでも、先代は何かしら足りない思いをもって育っている可能性が高い。
特に、家督制度で長男を重要視した時代ですから、女性や次男より下の子は寂しい思いをしているかもしれません。
大事にされた長男でもまた、過干渉によって「祖父母の意向に沿わなければ」
という強迫観念のようなものを持っているかもしれません。
そういった偏りを持ち、自分を認めることができない中、
起業することで自分を第三者に認めさせようとしたわけです。
しかし、第三者に認められたところで、自分が自分を認めていないので、
心の中のモヤを払拭することはできません。
そんな環境に生まれた後継者は、子供時代多くは厳しく育てられている可能性が高いと思われます。
その厳しさは様々で、礼儀作法だったり、学業に対してであったり、
いずれにせよ、親である先代がもつ価値観を強く刻み込まれて育っているのではないでしょうか。
結果、後継者も自己肯定感が低い状態にある人が多いのです。
問題なく代を引き継ぐことができれば、その自己肯定感の低さは、さほど問題になることはないのかもしれません。
自己肯定感が低い事による渇望感が、前進するための大きな活力になります。
しかし、上手くいかないときに、その悩みは一気に噴出します。
事業承継において後継者には、見かけの問題として、あれができない、これができない、という事はあろうかと思います。
しかし、本当のところは、目の前で起こる事よりも重要なことがあります。
後継者の問題の本質は、その自己肯定感の低さにあるのではないでしょうか。
先代から「折り入って話がある」と言われたとき、どこかビクビクした思いはないでしょうか?
こんなチャレンジをしよう!とやりかけて、おじけづいたとき、
頭に浮かんだのは先代の否定の言葉ではないでしょうか?
結局、すべてが上手くいったところで、自分が自分を認められなければ、
「何かが足りない」といった渇望感は消えることはないでしょう。
冒頭のリストに当てはまることがあるとすれば、
自己価値観・自己肯定感が低い可能性があります。
親子経営で起こる様々な問題は、目の前に起こる一つ一つの問題よりもむしろ、
自己価値観・自己肯定感が低い親子が、それぞれに(他人から)肯定されることを求めて仕事に向かう事にあるような気がしてなりません。
肯定されること、言い換えれば称賛されることを奪い合っている事が、
親子経営での問題の根っこにあるように思います。
そんなからくりを少し冷静な目で見てみると、
大きな気づきがあるのではないでしょうか。
私の著書です。
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