事業承継

スポーツチームは簡単に一体化するのになぜ会社組織はバラバラなのか~親子経営における組織の工夫【5】

このシリーズ記事もいよいよ佳境に入りました。(すべて読みたい方は目次からご覧ください。)
小学生のドッチボールチームはミーティングもなく、即座に「勝つ」という目的に向かえます。
しかし、企業のチームにおいてはそれがなかなか難しい。
そのギャップにあるものを、仮説のレベルではありますが、ここまで見てきました。
最後の要素となるのは、「プレイヤー個人の技量が明確である」という事です。






こんにちは。
中小企業二代目サポーター田村薫です。

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メンバーの事を意外と知らない事実

あの人は何が得意?

意外に思うかもしれませんが、ただただ、単純作業を延々と続けることに喜びを感じる人がいます。
こういうタイプの方は、作業を途中でやめるのが嫌で、単純作業の成果が積みあがっていく事が悦びなんだそうです。
一方、同じ作業を二度としたくない人もいます。
常に仕事の中に変化がなければ、ダメなんです。

実は、私たちは結構チームメンバーの事を知らないことが多い。
営業の人なら、結果として挙がってくる数字で優劣をすることはしても、その過程で何が起こっているかを知りません。
事務担当の人なら、ミスが多い人、少ない人がいますが、やはりなぜそうなのかを知りません。
チームのメンバーの個性を知らず、チームを作ろうとしているのです。

つぶさにみるプレイ

スポーツチームの場合は、性格はもとより、すべての仕事を全員が見ることができる状態にあります。
シュートが上手な人も、どんなシュートがうまいのか、どの位置からのシュートがやりやすいのか、
そんな癖をチームメンバーは知っているんですね。

小学校のクラスの友人で行うスポーツでも同様です。
クラスメートの事は、授業中の振る舞いや休憩時間のコミュニケーション。
そして体育の時間には、様々なスポーツをやることで何が得意か不得手かを全員がよく知っています。
このレベルで相手を知っているから、自然とその特技を生かせるチームができていくのではないでしょうか。

適材適所は意外と難しい

まずはメンバーを知る

営利企業となると、なかなかチームメンバーを最適な部署に配置するというのは難しいものです。
すると、その部署にふさわしい教育が必要になります。
その教え方さえも、相手を知らないと結構難しいものです。

たとえば、ある社員はいわゆる慌て者。
とにかくやっちゃって、後で失敗が露見する人がいました。
本人、悪気もなければ、一生懸命やった結果です。
はじめ、私は、なぜそうなるのかが理解できませんでした。

しかし、じっくり話をきいていくと、こんな言葉が出てきました。
「そういえば、子供のころ、母からはいつも”早く、早く”とせかされてた記憶があります。
だから、急がなくていい事も早くしなくちゃ、と焦ってしまうのかも・・・」
そういう背景を意識し始めると、だんだんと慌て者的なミスが減ってきたのです。

こういった、チームメンバーを知るステップは結構重要ではないかと思います。
しかし、結果の評価だけでは、チームメンバーを知ることはできません。

人数合わせの編成をいかにチームとしてまとめていくか

必ずしもベストメンバーをそろえることができないのは、スポーツチームもビジネスにおいても同じです。
オールスターゲームじゃあるまいし、常にベストメンバーに期待するほうがおかしいと思います。
今あるものを活かすのがリーダーの役割。
そうなると、きちんとメンバーと向き合い、彼らの特技を見出すことが必要だと思います。

それは、営業が得意とかいうレベルではなく、どういった客層を得意としているのか。
どんな商品の販売を得意としているのか。
現場でどんな話をしているのか。
お客さんとどんなコミュニケーションをとっているのか。
そういったレベルでできる事、出来ない事を、チームの中で共有する事ができる必要があります。

ぼんやりとした、営業職、事務職と言った理解ではチームというのはなかなか難しいのではないでしょうか。

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