後継者が「やるせない気持ち」になりがちなたった一つの理由

後継者の方がよく発する言葉がいくつかあります。
「自信がない」「不安」「会社に居づらい」といったもの。
一人で悩む人もいますが、何とかこれを解消しようと動く人もいます。
動いてみるけど、今一つ充実感を感じることができない。
そもそも、自分のやっている仕事に意味はあるのか。
自分の人生に意味はあるのか。
そんな風に考え始めているかもしれません。

もしそうだとしたら、ある一つのことをチェックしてみていただきたいのです。

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後継者の周囲を取り巻く環境は、ハードなことも結構あります。
Aという選択肢を選んでも、Bという選択肢を選んでも、満足できる未来が期待できない。
そういったことを逡巡しているうちに、1年たち、2年たち・・・
気が付けば、もう10年もたってる!なんてこともしばしば。

自分なりに努力をしてるつもりだけど、その努力が実を結んでいる実感はなく、むしろますます追い詰められているようにも感じられる。

もし、あなたが後継者で、そんな状況に感じられるなら、あることを検証してほしいのです。

動機付け要因と衛生要因

行動を二つに分けてみる

これまでの行動をざっくり二つに分けてみてほしいのです。
あなたが、親の会社で今後やっていくために払った努力。
それは、以下の二つのうちのどちらに分類されるでしょうか?

苦痛から逃れるための行動なのか?
自らを成長させようという純粋な気持ちからくる行動なのか?

こう分類すると、勘のいいひとなら「ああ、また道徳的な耳障りのいい話か」とか、「ポジティブシンキングの話?」とかいう想像をされるかもしれません。
しかし、私がお話ししたいのは、もう少し科学的な話です。
少なくとも、心理学の世界では実証済みの話。

不満を解消するのと満足度を上げるのは別物

割とよく知られている話があります。
例えば社員のモチベーションを上げるために、給与体系を変える。
これでモチベーションが上がるか?といえば、実はそうでもないのです。
たしかに一時的には、モチベーションが上がるかもしれません。
しかし、中長期的にはさほど効果を発揮しません。

これを解明したのが、フレデリック・ハーズバーグという臨床心理学者。
動機付け・衛生理論と呼ばれています。
簡単に言うと、「モチベーションや充実感を上げる要因と、不満を感じる要因は別物」という考え方です。
だから、不満要因を取り除いても、モチベーションや充実感は上がらない。
逆に、満足要因を追加しても、不満はなくならない。
これを明らかにした考え方です。

ここでは、「不満⇔満足」が同じ土壌のプラスマイナスではない、ということを覚えておいてください。
不満と、満足はまったくの別物なのです。

わりと勉強熱心な方ですと、「ハーズバーグの動機付け衛生理論」といえば、ピンとくる方はいらっしゃるかもしれません。
これは社員のマネジメントのところでよく出てくる話です。
もちろんこれは、あなたの部下だけではなく、あなたの心にも影響する話。
そこがポイントです。

とった行動を検証してみる

私の場合

苦痛を取り除く行動を(苦)、自らを成長させる行動を(成)として、私の過去を振り返ってみます。

●営業の技術を高めるための学び(苦)
本来、(成)となりそうな内容ですが、その目的は「できない自分」から抜け出すこと。
結果として、(苦)をベースとする行動でした。

●専門知識の学習(苦)
これも(成)としたいところですが、当時のモチベーションとしてはやはり「できない自分を補うため」の学習でした。

●会社の組織の育成(苦)
親である先代のやっていることを自分一人でやることに将来の不安を感じていました。
その不安から逃れるため、組織での分業化を進めようとしたので(苦)です。

●会社のミッションの策定(苦)
これまた組織づくりのなかで必要と感じたのですが、将来の不安解消のために作りました。

・・・と、書いてて嫌になるぐらい苦痛を逃れることをベースにした行動をしていたことに気づきます。

ハーズバーグの分類

件のフレデリック・ハーズバーグはこんな分類をしているそうです。
(上位のものほど影響度が高い)

【衛生要因(苦痛を逃れる)】

・会社の方針と管理
・監督
・仕事上の対人関係
・作業環境
・身分
・安全保障
・給与

【成長要因】

・達成
・承認
・仕事そのもの
・責任
・昇進
・成長の可能性

検証してみましょう

ここで、あなたの行動の根っこにあるものが何かをぜひ検証してみてください。
やり方は特定しませんが、こんな感じではいかがでしょうか?
①これまでそれなりに頑張ってやってきたことを付箋に書き出す。
②(苦)を向かって右に、(成)を向かって左に付箋を集めておく。
ざっと見渡してみましょう。
これがあなたの後継者としての今までの歴史です。

果たして、(苦)が多かったでしょうか?
(成)が多かったでしょうか?

恥ずかしながら私は、ほとんどが苦痛から逃れるための行動でした。

いつになっても充実感が得られない理由

やってもやっても満足できない

もし皆さんの結果が、私のように「苦痛から逃れる行動」が圧倒的に多いとすれば、問題はハッキリしています。
自分の満足度を高める行動が、ほとんどとれていないということです。
次から次へとやってくる苦痛に、対処するだけ。
もぐらたたきのように出てくる不安に、単に反応していただけだったわけです。

そのことが実現できればそれなりには、不安や不満の解消にもなったのでしょう。
しかし、効果が即座に出るものは多くはありません。
さらにいうなら、その”回避行動”を制止する圧力もあるのです。
火消しをして回るものの、火は消しきれずそこかしこでくすぶったまま。
何十年も、消しても消しても消しきれない炎上に対応していたのが私の半生だったのかもしれません。

とうぜん、自分のことに満足するどころか、不満を解消するということさえ成し遂げることもできず、苦しい時期を歩んでいたんだな、と振り返ってみると感じるわけです。

不満を消しても満足は訪れない

ここでもう一度思い出してください。
不満がマイナスで、不満を消せばプラスになるわけではない、ということを。
逆に言えば、不満が残っていても、満足条件が整えばそれなりに充実感を味わうことができます。

これが実は、とても大事なことなのです。
少し言い換えてみましょう。
自分の立場に充実感を感じたいなら、不満を消すことよりも、満足度を高める行動をすべき、ということです。

私たち後継者にありがちな間違いは、満足を追求することではなく、不満を解消することに労力を費やしすぎているのです。

後継者がなすべき目標設定

純粋に自分の成長にフォーカスする

後継者はどうしても痛みから逃れる行動をとりがちです。
だからいつまでたってもしんどい。
ハッキリ言うと、自分が「やりたい」という行動をほとんどとれていないことが多い。
やりたいがない状態で、問題のもぐらたたきを続けて疲弊する。
これが後継者が疲れ果てる問題の根底にあるのではないでしょうか。

ここで、基本に立ち返ってみてほしいのです。
あなたは何をやりたいのですか?
その答えを明確にしないから、痛みに翻弄されてしまうのです。
満足を得られず、押しつぶされるような思いの中で日々を送るのです。

満足条件というのは「自らの成長」です。
これまでは苦痛から逃れる行動ばかりをとっていたとすれば、これからは成長を実感するための行動に切り替えてみましょう。
不思議なのですが、その方向性が定まると、今まで苦痛と感じていたことが苦痛でなくなることも多々あります。

で、具体的な目標設定を行っていくわけですが、これはそこそこ慎重さが必要だと思います。
そこで、もう一度ハーズバーグの分類を見てみましょう。

【成長要因】

・達成
・承認
・仕事そのもの
・責任
・昇進
・成長の可能性

これらの言葉はシンプルゆえに誤解も生みやすいのですが、ざっと見たときに、ここに当てはまる自分だけの目標をまずは考えてみましょう。

何か思いつくことがありましたか?
だとしたら次のステップに進みましょう。

目標を疑え

ここでは少し注意深くなる必要があります。
たとえば、「達成」を目指したとしましょう。
売上の具体的な目標を決めるとか、高級車を買うとか、家を新築するとか、そんなものを掲げたとしましょう。
その目標をまずは疑ってみてください。

一つ目は「誰得?」と自分に問いかけてみましょう。
これが結構大事で、「自分はこうあるべき」と世間の常識やなにかに思わされている事って結構あります。
親の意見や学校教育、社会の常識や、友人の言葉など。
私たちは、本当に自分が望むものが見えなくなっていることが多い。
そういう時に、一旦掲げた目標は、誰のためのものかを確認しておきましょう。

愛する妻や子供のため、親のため、業界での地位のため、いろいろあると思います。
何が良くて何が悪いというのがあるわけでもありません。
なぜなら、誰かが得をして、あなたが「承認」されるきっかけになれば、それはそれでその目標は正しい。
だから、ダメ出しをするつもりはないのですが、誰得というのは明確にしておいたほうがいいと思います。
ちょっと違和感があるとすれば、それはあなたの本当の希望ではない可能性も高い。

そして二つ目は、思いついた目標に対して「なぜそう思うのか?」という問いを問いかけてみること。
たとえば、「売上を上げたい」という目標があったとします。
「なぜ?」と問いかけたとき、「あたりまえじゃないか」で終わらせてはいけません。
そこで終わるとしたら、自分が思う目標ではない可能性が高いと思います。
あたりまえ、の感覚は外からの刺激で植え付けられたものですから。

もう少し慎重に考えてみます。
「なぜ?」とといかけ、「会社にお金が回るから」と答えたとしましょう。
さらに、「なぜ会社にお金が回るといいのか?」と問います。
すると、「経営が安定するから」と答えるかもしれません。
「なぜ?経営が安定するといいのか?」と問うとついに尻尾を表す答えが出てきたりします。
「不安が減るから・・・」と(苦笑)
これって、苦痛から逃れる目標やん、ちゃんちゃん・・・となることもあります。

なぜ?を五回くらい繰り返すと、かなり本心に近いところに到達すると思います。

 

さらに三つ目として、それを達成した時のイメージを作ってください。
静かなところで目を閉じて、それが達成した時の情景をできるだけリアルに想像してみます。
違和感はありませんか?本当に喜ばしいことですか?
もしそれなりにワクワクする感じがあれば、きっと大丈夫でしょう。
可能であれば、今の目標を達成した自分が、次に何を目標にするかまでを想像できるとすごく強い。

時には迷路にはまることも

さて、ここまでの話。
マジメにワークに取り組んでいただいた方の中には、「余計混乱した」という方もいるかもしれません。
きっとこれまで、こういうことを考えた経験があまりない方に多いと思います。
実は、混乱は、良い兆候です。

脳というのは、思考をパターン化しがちです。
いかに小さな力で働くか?というのを突き詰めた器官が脳です。
だから何でもかんでもパターン化してしまう。
混乱するというのは、このパターンをいったん壊してしまう状態です。
今までのパターンをつぶし、再構築する過程。
だからすぐに脳は、あなたの思考に新たなパターンを作り上げます。
その過程だと思ってください。

ある時ふと、「ああ、こういうことだったのか」とひらめくときが来るはずです。
そしてそれは、そんなに先のことではありません。
ぜひその時を楽しみに待っていてください。

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