経営の「型」にはまろうとすると、後継者の不安はいっそう募る

後継者の方々とお話ししていて、気づくことがあります。
それは、経営といったものがマニュアルがあるかのような「型」があり、
そこにはまることが必要なのではないか、という感覚をお持ちであることです。

もちろん、こうしたほうがうまくいきやすいとか、先人の事例とか、
参考になる情報はたくさんあります。
しかし、型通りにやってうまくいくものでもないのが経営ではないでしょうか。

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後継者の方の不安の要因の一つとして考えられること。
それは、経営には正解があって、その正解を引き出さなければいけない、
という感覚を持っているような気がします。

後継者はまじめな人が多いので、教科書があって、
その通りやれば正解である、という世界をイメージされているんじゃないかと思います。
それはある意味、楽です。
教科書やマニュアルをなぞれば一定の成果が出て、経営者として問題なし、となるわけですから。

なのに、現場に経営者マニュアルはない。
教科書もない。
何もない状態で、試験の対策をせよ、と言われているようなもの。
そりゃあ、不安も募ります。

確かに、経営を行うに際しての、一定の枠組みのようなものは存在します。
たとえば、経営品質といったフレームワークは、有名なものの一つです。
それとて、経営を8つのジャンルに分割し、そのジャンルごとに改善を続けていく仕組みづくりのチェックポイントを示しているにすぎず、何をするかは個社にゆだねられています。
その理由はシンプルで、変数があまりにも多すぎて、マニュアル化など不可能なのです。

 

つまり、経営に絶対的な正解はどこにもない。

だから、自分で考えていかないといけないんですね。
逆に、「経営はこうやってこうすれば間違いない!」なんて言ったいる人はちょっと怪しい人が多いんじゃないかと思います。
その人がやってうまくいったことが、ほかの人でもうまくいくとは限らない。
そこには個性や、経験や、社会の変化や、顧客のし好の変化など、
いろんな要素がある。

だから示せるのは、原理原則だけじゃないかと思うのです。

 

しかし、原理原則って人気がないんです。
なぜかというと、それを知ったからといってすぐさま実行できる体裁になっていないから。
消化して、考えて、自分流に翻訳しなきゃいけない。
まあ面倒くさいんですよね。

少し脱線しましたが、話を元に戻しましょう。
経営というものは、絶対的なマニュアルは存在しない。
だとすると、経営者が社員とともに目指すところに向かって会社を動かす手段は、ある意味どうやったっていい。
正解はないのだから、間違いもない。
考え、さまざまなことを実践し、調整していく。
これは、ベテラン経営者も、新米経営者も、やっていることは同じです。
ベテラン経営者には経験の蓄積があるから有利、と考えることもできますが、
新米経営者は無知ゆえの非常識なプランの提示も可能であると考えることもできます。

新米経営者は、ベテラン経営者が思いもよらないことを考え付くものです。
それを活かすことが、ベテラン経営者との差別化じゃないでしょうか。
だから、型にはまろうとする必要はない。
型にはまって、今の持ち味を消してしまうなんてもったいない。
そんな風に思うのですが、いかがでしょうか。

一つだけ、気を付けたいのは、目指す未来を指し示すことはやはりリーダーとしては避けられないところ。
どんな未来を社業を通じて生み出すのか。
ここだけは、ぼんやりとでもイメージはしておきたいところ。
行く先の見えない組織は、路頭に迷ってしまいますから。

 

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