後継者

後継者に失敗は許されない!?~完璧を求められた先にあるもの

後継者には失敗は許されません。
なぜならば、あなたに、
失敗を経験させまい
という力がかかるからです。

それは、残念ながら「成功へ導く」という圧力ではありません。
「禁止」の圧力なのです。


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親の会社を継ぐ技術

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二代目特有の難しさ

二代目はプラスでのスタートか?マイナスでのスタートか?

企業をゼロから作り上げるのは、相当なパワーが必要になります。
ないないずくしの中から、一つ一つ切り開いていくのが起業家です。その過程では、多くの失敗を経験し、その経験をものともせずに突き進んできた。それが先代だと思います。
世間は言います。
「二代目は楽でいいよなぁ。すでに会社があり、お客さんがいる。そんな環境で経営者になれるなんて最高じゃないか」と。

それは、正しくもあり、誤りでもあります。

逆に言えば、二代目は先代が作った基礎を引き継がなければなりません。
この「基礎」が時代にそぐわなかったり、自分の意図したものでなかった場合、それを撤去するなり修正するなりする作業から始めることになります。
プラスでのスタートとも考えられますが、ゼロという以上にマイナススタートと考えられるシーンさえあります。
残念ながら、この事を理解できるのは、それを経験した人でしかありえません。

守るべきもの、放棄すべきもの

マイナススタート、と考えられる理由の一つに、時代とともに不要になったものを捨てる作業が二代目には求められます。
この作業を行うと、強烈な抵抗を受けます。
それは多くの場合、長年の経験者である番頭や、先代であることはこのサイトの様々なところで語っています。

さらに難しさを増すのは、
試行錯誤が許されないことも少なからずある
という事なのです。

先代の話は失敗が美談になるのに

行動ができない後継者

後継者は、先代と比べて行動力に劣る、と評されることが多いように思います。
事実として、先代の企業当時の行動力は、おそらく並外れたものだったのでしょう。
しかし、後継者はそこまでのバイタリティを持たないことが多い。
さらに輪をかけて、
何か新しいことを始めようとすれば、禁止されてしまう、
という現実があります。

「そんなこと、上手くいくはずがない。」
「今までのやり方を捨てるのか?」
「そんなことやったって無駄だ。」

試行錯誤の過程は監視されている

そんな反対を押し切って、新しいことを始めたとします。
しかし、そうそう新しい試みがうまくいくはずもありません。
10個の新しいことを始めても、上手くいくのはきっと2つや3つでしょう。
それでも、試行錯誤をしていくうちにいくつかはモノになるものなのでしょうが、
そこに中止命令に近い圧力がかかったりします。

普通、新しいアイデアをやる気満々で初めても、停滞期にはモチベーションが下がるもの。
そんなうまくいかない時期に「やっぱり無理だったんだよ」なんて説得されたら、ついつい心が折れてしまいます。
遠目に見る社員の目、先代からのプレッシャー、先代びいきの税理士などの意見など、
後継者のやる気を失わせる種はたくさん転がっています。
そうやって、成果を出すことができないまま終わるアイデアが、ガラクタのように積みあがっていきます。

多くの場合、先代の過去の失敗談は武勇伝にもなりえます。
しかし、後継者はその武勇伝を作ることさえ難しいのです。

さらに、こういったやりとりが親子の確執の原因にもなるわけです。

何が起こっているのか?

こういった反対圧力に対して、無視を決め込んでやりたい放題やるか?
強い後継者ならそう考えるかもしれません。
それも一考かとは思いますが、なかなかに骨の折れることだと思います。

出来れば、反対圧力を起こさない方法論を考えられると、いいかもしれませんね。
そのためには、先代や古参社員が賛同しやすいポイントにフォーカスした会社改革を行っていくことから、
小さく始めていく、という事です。

少しじれったいかもしれませんが、正面衝突するよりかは難易度が下がる可能性があるのではないかと思います。
どんな小さな手でもいいので、着実に一つ一つを定着させていく戦略を考えてみてはいかがでしょうか。

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