後継者

先代に認められなかった後継者の憤りが一瞬で消える考え方

6年以上試行錯誤の末作った集客の仕組。
これを先代は全くと言って評価しません。
というより、評価できないのです。

シンプルに言えばその価値がわからないから。
目の前で起こっている事が最大の関心ごとである先代に対して、中長期的視野で見る後継者。
この価値を先代に認めさせようと躍起になっていても、なかなかうまくいかないことが多い。
そんな時、わたしたちはどう考えればいいのでしょうか。


私の著書です。

関心を持っていただいた方は、画像をクリック。

親の会社を継ぐ技術

親の会社を継ぐ技術

 

 

 

 

 

 

 
■小冊子『なぜ親子経営では確執がおこるのか?~そのメカニズムを知り、後継者が”今”を打開するための5つのステップ[要約版]』無料ダウンロードはコチラ
■YouTubeチャンネルで動画配信も行っています!こちらをご覧ください。

3月といえば年度末。
年度末といえば、どの企業も何となくせわしない。
私が父から引き継いだ会社も、てんやわんやです。

販売会社ですから、営業が花形です。
会社は営業を中心に回ります。
その時に、「おいおい!」と思わざるを得ない現象が見られます。

 

実は、営業というのは、非常に非効率な仕事です。
これは飛び込み営業を例に挙げるとわかりやすいと思います。
飛び込み営業というのは、何のかかわりもない一般の家庭や企業に突然押しかけて営業する、あれです。

100件の企業に飛び込み営業をしたとします。
商品ややり方にもよりますが、まともに話をきいてもらえたのが3件だったとします。
そこから1件の成約があったとします。

これ、結果だけを見ると、99件の無駄な訪問をしている、という事になります。
たった1件の顧客を獲得するために。

 

100件訪問するのに丸一日かかったとしたら、その営業マンのその一日はたった1件の契約のために働いたことになります。
だから、人海戦術を使い、営業社員を増やし、100件訪問する人間を増やすわけです。
これで売り上げが上がりました、といっても効率はほとんど変わらない。
いつか、100件中5件売れる営業社員を採用できることを夢見るわけですが、先代は40年会社をやり続けてそんな人とは出会いませんでした。

もちろん、既存客を相手にすると、その確率はかなり上がります。
とはいえ、無駄な訪問が一定量あることに違いはありません。

 

私は、一番初めにここに疑問を持ちました。
いくら社員を増やしても、売上が掛け算で上がることはなく足し算でしかないのです。
ちなみに、彼らの報酬、つまりコストもまた足し算で増えていきます。
つまり、売上が増えても、利益率は変わらないのです。
結果、会社の規模は大きくなっても、いつまでたっても楽にならないのは明白でした。

特に、一度取引を開始すれば、毎月毎月そのお客さんが定期的に商品を買ってくれるような商材であればいいのですが、家業は保険ですからそういうわけにもいきません。

私は、そこの効率化を目指し、あれやこれやと動きました。
営業社員を増やさず、売上を上げるには1回訪問当たりの売上を上げるか、成約率を上げるかが基本でしょう。
そこで、買いたくないお客さんに訪問するのではなく、欲しいというお客さんから問い合わせが来る仕組みを作りました。
その過程で、毎日記事を投稿し、1000本を超える記事をWEBサイトに掲載したことを社内では誰も知りません。
実はその仕組みを先代に説明したことはありますが、三日と覚えてなかったと思います(笑)

その1000本を超える記事が、お客さんの問い合わせを一定程度運んできてくれます。
そしてその問い合わせは、営業社員を介さず、問い合わせを受けた事務社員がそのまま契約までサポートできる流れを作っています。
この仕組みでは、問い合わせのあったお客様はほぼ80%程度は最終的な契約に至ります。
実は当社の新規の顧客の殆どは、ここからやってきています。

しかし、この事を誰一人評価する人はいません。
もちろん先代は、何が起こっているかすらわかっていないでしょう。
しかもこの方法では、楽に売上につながります。
楽にやっているから、注目もされず、評価の対象にならないのです。
それよりも、無駄な訪問を繰り返し、たまに大きな契約をしてくる営業社員の事しか見えていません。
問い合わせを引き寄せ、簡単にセールスできる仕組みは評価されず、苦労して契約する営業社員を評価する。

 

かつて、この事を先代に認めさせよう、とやっきになったこともありました。
自動的に売り上げが上がる仕組みを作っているんだ、と。
しかし、もうやめたんです。

なぜなら、私は先代に認められるために仕事をすることをやめたからです。
もはや先代に認められようが、認められまいがどうでもいい。
自分が納得できる仕事ができればそれでいいんだ、とあるタイミングで考えを転換しました。
逆に、見えないところで粛々と自分流を作っていったほうが、やりやすくていいじゃないかとさえ思えるようになりました(笑)

 

何が起こっているかという事を改めて考えてみました。
先代は、どうやらメーカーに認められたくて仕事をしています。
メーカーが売りたがっている商品を売ることに躍起です。

一方私は、かつて先代に認められるために仕事をしていたように思います。
しかし今は、自分のため。
もちろん、社員の事も考えはしますが、まずは自分のためです。
そこが”ブラック”と言われるゆえんかもしれませんが、それでもいいんじゃないかと思っています。
自分以外の誰かに認められるために頑張っているわけではないのですから。
唯一自分以外に認めて頂く人がいるとすれば、お客さんだけでいいじゃないですか。

誰かに認められるために働くことをやめると、とっても楽になりますよ(*^^)v

 

 


私の著書です。

関心を持っていただいた方は、画像をクリック。

親の会社を継ぐ技術

親の会社を継ぐ技術

 

 

 

 

 

 

 

■小冊子『なぜ親子経営では確執がおこるのか?~そのメカニズムを知り、後継者が”今”を打開するための5つのステップ[要約版]』無料ダウンロードはコチラ

メールマガジンのご登録はコチラ
facebookページにいいね!をお願いします。

関連記事

  1. 後継者のカリスマを発揮する方法 ある企業の社長の講演を聞いて

  2. 後継者とお金の問題~「もっと欲しい!」「足りない」と思っているならば……

  3. 二代目社長・後継者が感じる「怒り」は事業承継に吉と出るか?凶と出るか?…

  4. 仕事を楽しむという感覚を後継者・二代目社長は取り戻そう

  5. 社内に浸透させる共通言語~同族経営の二代目経営者による会社改革

  6. 後継者が運営する「二代目の会」運営の難しさ

  7. 自分がいなければ会社が回らない、という誤解

  8. 後継者が仕事と自分の生き方のミスマッチを感じた時

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。