後継者

後継者なら肌で感じておきたい、ずれはじめた業界の”常識”

ある広告代理店と話す機会がありました。
当社の求人広告についてです。
彼らと打ち合わせする中で、私の頭にはたくさんの「?」が浮かびました。
なぜかというと、彼らは本当に広告が成功するためのアドバイスをしているのだろうか?
という疑問がもたげてきたからです。


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当社では必要に迫られ、ミニコミ誌に社員の募集広告を打つことになりました。
電話セールスがあった広告代理店を通じてですが、このやり取りに私は不信感を感じることになります。

といっても、無理なセールスをされたとか、不躾な態度を取られたとか、そんな事ではありません。
彼らの持つ知識についてなのです。

 

彼らはこういいます。
「私はこの道10年以上のプロです。」
そして提案されたのは、できるだけ大きな広告枠を使う事。
さらには、写真を使いましょう。
会社の外観写真なんかがいいんじゃないでしょうか。

私は、ぎょっとして
「ちょっとまって」
と制止しました。

 

「私の知る限り、求人広告では社屋の写真を使うのもいいけど、優先順位としては社員の顔を出すほうが効果が高いのでは?」
そういう私の言葉に、彼らの反応は非常に薄く、じゃあそうしましょうか、的な感じです。
サイズが変わるとどれだけ効果があるのか?と聞いてもまったくデータを持っていない。
もちろん、求人広告は、時期によって大きく反応が変わるのは承知しています。
しかし、参考値があるとか、感覚的にでも話せる話はないのか?と思うのですが、どうやらまったく情報がない様子。

その理由は、1か月後わかりました。
広告を出したのち、彼から電話があり
「反応はどうですか?」
と聞いてきます。
そこに私は正直に、問い合わせのあった数、面談した数、最終的に1人採用決定した旨をお伝えしました。
彼は数字には全く興味がなかったらしく、採用が決まらなければ来月も出しましょう、という言葉を準備していたように感じられました。
次のセールスのための電話だったことは、鈍感な私にも透けて見えます。

 

求人広告に際して、写真の有無で反応が大きく変わることは、私も知っています。
しかし、彼らは社屋の写真を使おうと提案してきましたが、私の知る限りむしろ社屋より人の写真でしょう。
私の知る情報が正しいかそうでないかはよくわかりませんが、私の感覚からすれば
彼らは本当にプロなのか?
と疑わざるを得ません。

 

結局、見栄えの良い広告を作るプロであって、広告効果を上げるプロではなかったのかもしれません。

 

この話を読んで、
「ひどい業者だなぁ」
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、そういった過ちを延々と繰り返している企業はたくさんあると思います。

お客さんが望む結果を手にすることではなく、手前での満足感だけにコミットしているビジネスです。
きっと社屋の写真を入れると、お客さんが喜ぶのでしょう。
そうやってお客さんが喜べば、その先の結果は気にしないだろう、どうせほかの広告代理店も同じだし。
さすがにそこまで割り切ってるとは思いませんが、利用する立場としてはそんな勘繰りも心にわきあがってきます。

 

もしかしたら、それが一般的な広告代理店の在り方なのかもしれません。
しかし、いまやユーザーの情報源は多岐にわたります。
例えば広告に関しては、様々な技術が書籍として出版されており、広告の結果をある程度保証する業者さえ出てきています。
この状況を、彼らは恐らく知らないか、どこか違う世界の出来事と考えているのかもしれません。
今はまだ、胸を張って「プロです。」と言えてることが、いずれプロとして生きていけなくなる時代はそう遠くないように思います。
その業界の中心にどっぷりつかっている人ほど、そのことが見えないというジレンマはあるようですが・・・。

むしろ、私が見てきた広告に関する書籍や情報が繰り返し言う事は、
広告代理店に騙されるな
という主張です。
お客さんの要望をかなえきれていない既存業者との差別化を徹底的にやっているわけです。

 

これを自分の業種・業界に代入したとき、お客さんは結果として何を望んでいるのか。
どんな状態を目指しているのか。
これを考えることは、非常に重要なことだな、と改めて感じさせられた出来事でした。
隣の同業者を見て、同じ事をやっている事を知ってホッとする。
それは安定を意味するわけでない事を痛烈に感じます。

後継者として必要なこと。
それは顧客が本当に望む”結果にコミット”しているかを問い続ける事なのかもしれません。


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