後継者

後継者にとっては切実なのに会社の仕組化が進まない理由

自分がかかわらなくとも、勝手に会社が回り、業績を上げる組織を作りたい。
後継者ならずとも、多くの経営者・経営幹部が心に思っている事だと思います。
得に後継者にとっては、切実なはなしです。
そこへ向かうヒントはないものなのでしょうか?


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先代が、会社や仕事にどっぷりつかりたがるのに対して、後継者の方はどちらかというと仕事とはちょっと距離を取りたい傾向があるのではないでしょうか。
ここは複雑な心理があって、後継者とて会社を大事に思う反面、現場の仕事が自分の仕事ではない、という感覚を持っておられると思います。
「自分の仕事をしたい」と思っても、周囲からの相談に中断されて、じっくり集中できる時間がない。
だから、会社で仕事をしているより、カフェで仕事をしているほうが落ち着く、なんていう話になるんですよね。

さて、この社内の仕組化。
実は私もさほどきっちりできているわけではありません。
しかし、ちょっとしたコツのようなものは見えてきたような気がするので、そんな前提でお読みいただけると幸いです。

 

まず、組織を仕組化するとき、私たちはなにかしら参考にするものがあります。
それは、書籍であったり、誰かの講演・セミナーであったり、他社の事例だったり。
こういった情報は、完成形ともいえるものでしょうから、参考になるはずだ、と。
確かに参考にはなります。
ただ、難しすぎたり、複雑すぎたりしませんか?

たとえば、書籍を参考にしたとします。
200ページ近くかけていくつかの仕組化が解説されているのでしょうが、その文化のない組織にいきなり完成形を持ってきて上手く行くものでしょうか?
それは、免許取りたての人に、サーキット走行を教えるようなものではないでしょうか。
確かに、ある程度の負荷をかけることで、組織が一気に成長することはあると思います。
しかし、入り口が難しすぎれば、社員どころか、管理者であるあなたも、その仕組みが定着する前に疲れ切ってしまいませんか?
残念ながら私には、とてもではないけどできそうにない、とがっくり肩を落としました(汗)

 

仮に、社内のモチベーションをあげたいとなると、
あるコンサルタントは給与体系が大事だといいます。
戦略的な給与体系がモチベーションをあげる、というのですが、通説によると給与体系は衛生要因。
給与体系の見直しは、不満を抑える効果はありますが、前向きなモチベーションを醸成することは難しいといわれており、私もその意見に賛成です。

そもそも、立派な給与体系ができても、評価の仕組みがしっかりしていなければむしろ逆効果。
その評価自体が、中小企業にとっては大変な作業です。

管理職のレベルを上げるべし、という考え方もありますが、手間と費用が掛かりすぎるので却下。

 

そもそも、小難しい話ほど、社員は抵抗感を示します。
つまり、そこへ向かって動こうとしないのですから、モチベーションをあげようとして、社内からブーイングが出るというなんとも悲しい矛盾にぶち当たります。

 

たまたま出会った方法は、あり得ないほどシンプル。
これならできそうだ、というものでした。
「管理職には、一日一回部下をほめるノルマを課す。」

いかがですか?
これなら何となくできそうですよね。
お金もかからないし、さほど強いストレスもない。

 

これ、心理学的にもけっこう正しい。
たったこれだけで、社内の雰囲気が改善して、やる気に満ちた組織になったらもうけものですよね。
失敗したって、大した損失はありません。
なによりも、やろうと決めたその日から、取り組めそうですよね。

当社では、もう少し緩めで、社員が社員を褒める仕組みとして毎朝の朝礼を活用しています。
そこに会社の行動指針を絡めていくと、理念の実現に向けた動きとかも作りやすいですよね。
朝礼でやるから、忘れず、習慣になります。

褒められた社員は、照れ臭そうに笑ってます。
褒めるのが下手な私がつくった苦肉の”仕組み”です。

 

仕組みがうまく定着しないのは、大変な仕組みをドンッと社内に持ち込むからではないでしょうか。
そうすると、社員としては反射的に抵抗してしまいます。
だから、小さな小さな仕組みをひとつ、またひとつと積み重ねていく事で、いずれ完成形が見えてくるような形のほうが、社内の抵抗は薄れると思います。
「まぁ、それくらいならできるかな。」
そんな風に感じられる程度の事を積んでいくほうが、管理職の人間としても楽なはずです。
楽だから定着しやすい。

なにしろ、組織と言っても、そこは一人一人の個性ある個人の集まりです。
これは、社内の仕組み化だけではなくて、チームで何かをしようという時に、実はチームとリーダーの関係性というのが非常に大事なのです。
なのにそこを飛び越して、ルールや規則で人を動かそうとするから失敗することが多いように思います。

 

「いや、そんなに悠長なことを言ってられない!」
という反論もあるかもしれません。
しかし、慌てて大きな仕組みを取り入れて、結局定着せずにゼロになるくらいなら、仮にコンマ1でも積み上げたものが残ったほうがいいとは思いませんか?

経営って、なんだかんだ言って、小さなことの積み重ねが必要な気がします。


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