後継者の時間の使い方

後継者の立場は、なかなか難しい立ち位置にいる場合が多いのではないでしょうか。
いわゆるプレイングマネージャーとか。
現場大好きな後継者もいらっしゃいますが、永遠に現場というわけにもいかないでしょう。
逆に、いち早く現場を離れたいという後継者もいらっしゃるでしょう。
しかし、そういうと、先代にお小言をもらう事になりがちですね。
ウチレベルの規模で、経営に専念なんて・・・と。

そのバランスについて、少し考えてみたいと思います。

私自身は、仕事を始めて10年近くはほぼ現場での仕事でした。
今から考えると少し長すぎたかな…と考えています。

なぜ、現場でい続けてはいけない、と感じたかというと、
このままではお先真っ暗だ
と思ったからです。

 

背景をお話しすると長くなるのですが、社会構造の変化、取扱商品の根本的な質の変化、そもそも一対一での販売というビジネスモデルの限界など様々な要素があります。
そもそも、
なぜ、毎年売り上げが予測もできず、出たとこ勝負になっているのか?
という状態である自社への憤りが、私に危機感を感じさせた最も大きな要因かもしれません。

そこで、社内の、そして自分の仕事の内容を次の二つに分類してみました。

  1. 今の売り上げのための仕事
  2. 将来の売り上げのための仕事

そうすると、仕事全体のほぼ100%が「今の売り上げの仕事」だったという事です。
将来の売り上げを目指した仕事や仕組み化には、誰一人取り組んでいなかった、という事実が目の前に突き付けられました。

 

そこに気付いたとき、私は3年~5年後のビジネスのための仕事をしよう、と決断しました。
さらには、少なくとも10年~20年のスパンで会社が発展出来うるビジネスモデルへの転換を考え始めました。
とはいえ、いきなりそんな極端な動きをするわけにもいきません。
目の前に次々とやってくる仕事を一つ一つ吟味しているほど、時間に余裕がある後継者は決して多くはないでしょう。
忙しいからこそ、人に任せず自分でやってしまうのです。

 

私自身、気持ちの整理ができないまま、目の前の仕事をこなす毎日がしばらく続きました。
そんな私の目に、ある日衝撃的な言葉が飛び込んできました。

自分の時給に見合わない仕事は、すべてやめてしまえ

これは、ダン・ケネディというアメリカで超有名なマーケティングコンサルタントの言葉です。
彼の著書は、かなり過激な発言が多く、万人にお勧めできるものではありませんが、非常に示唆に飛ぶ言葉が多いのでもしご興味があれば、ご一読頂ければと思います。
『屁理屈無し 社長のための時間の使い方』ダン・ケネディ

 

さて、この考え方で判断すると、明確に自分がやるべき仕事か、そうでないかがはっきりわかります。
もちろん、今すぐそれだけの価値(利益)を生む仕事ではなかったとしても、未来にそれだけの価値を生む可能性のない仕事でもよいのです。
むしろ、当時の私の会社のように、誰一人未来のための仕事をしていない状況であれば、未来の仕事というのはとても大事な仕事です。

もちろん、ある日突然「オレはこの仕事以外やらない」というわけにはいきません。
しかし、今すぐ社員に任せることができる仕事、今後社員に任せるために引継ぎすべき仕事を明確にすることが可能です。
「今自分が現場から離れると会社はつぶれます。」という会社もあるかもしれません。
そういった場合は、もちろん無茶をする必要はありませんが、
もしその仕事を手放せるとしたら、どのような方法があるだろうか?
と自分に問い直してみてください。

案外、可能性が開かれるものです。

そうやって何とか作り出した時間を、誰一人目を向けていない会社の未来への仕事に振り向けるのは、後継者の重要な役割の一つではないかと私は考えています。

 

そんなふうに決断しても、様々な圧力や妨害はあります。
孤独を感じることも少なからずあるでしょう。
しかし、その道を進んでこそ、後継者としての未来があるのではないか、と考えていますがいかがでしょうか。

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