親の会社を継いだ後継者は、よく不安を訴えます。
自分に親の会社を運営することができるだろうか?と。
その不安を和らげるお話を少ししたいと思います。
ところで皆さんは、受験の経験はあるでしょうか?
小学校、中学、高校、大学・・・
何かしらの受験経験はあるんじゃないかと思います。
そのときいつも自信満々だった、という人は少数派じゃないかと思います。
少なくとも私は、いつもドキドキでした。
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私が経験した受験は、高校と大学。
両方とも、余裕でクリア・・・という状況ではありませんでした。
高校受験の際は、担任の先生に
「あなたがうけられるのは、〇〇高校と××高校くらい」
と言われました。
両方とも、当時校内暴力が激しくて、私は3年間無事に過ごすことは不可能だとあきらめかけました。
大学受験時も、進路指導の先生に言われた大学、親に話したら叱られました。
そんなとこなら、進学しなくていい、と。
夏前に、偏差値で20%増しの大学をえらんで模試を受けたら、合格率20%未満。
そんなところからのスタートでした。
つまり、とてもではないけど、自信など持てる状況ではありませんでした。
私ほどにないにしても、たぶん、多くの方はこんな不安を感じていたんじゃないでしょうか。
「自分にできるかな?」と。
別に、受験だけの話ではありません。
たとえば、高校時代私は少しだけバレー部に所属しました。
先輩の姿を見て、あんなことできるようになるんだろうか?と思いました。
初めて自動車教習所に通ったとき、「こんな複雑なことを同時進行でやるなんて不可能!」と思いました。
そんな初めて体験を経て、まあうまいかどうかは別にして、みんな一通りはできるようになります。
それには、2つの理由があると思っています。
一つ目は、「結局はできるようになる」と信じていること。
二つ目は、「逃げない(逃げることができない)」ということ。
受験なんて、今どきはほとんどの人が経験しています。
周囲に、受験を経験する人が大勢いるわけです。
その時点でうまくいったとか、行かなかったとかはあるにせよ、現在約257万人の大学生がいます。
私たちの時代ならもっと多かったかもしれませんね。
これはつまり、257万人が受験に成功しているわけです。
一回ぐらいの失敗はあるかもしれませんが、極端な学校の選択さえしなければ、まあ不可能ではないことは肌身で感じられると思います。
みんなが自転車に乗ってるから、自分も乗ることができると思えるのと同様、
大学受験なんかも自分もできる(んじゃないかなぁ)くらいには結果を信じることができます。
そしてもう一つ、進学をあきらめない限り、逃げられない、ということです。
受験せずに進学する推薦などの制度はあるかもしれませんが、まあ普通は受験するわけです。
そしてそれを避けて通る道は基本的にない。
だから諦めて(?)ちゃんと受験するし、準備もするわけですね。
さて、親の会社を継ぐとかいう前提で親の会社に入った後継者。
これまた、不安があるわけです。
自分に経営なんてできるのか?そもそもこんな会社を継いで大丈夫なのか?
しかし悲しいかな、学生時代は周りを見回せば受験生がいっぱいいたのですが、今、周りに自分と同じ境遇にいる人ってあまり見当たらない。
あるいは立派な経営者としての先輩と接する機会はあるかもしれませんが、あの人たちは雲の上の人。
自分と同じように、おっかなびっくりでやってる、ヨチヨチ歩きの後継者とは意外と出会わないんです。
だから、自分でもできるという証が見つからないのです。
自分の数年後の姿を映して見れる、鏡のような存在が身近にいないんです。
だから、出来る気がしない。
そしてそれは、不安を増幅させてしまうのです。
その結果何が起こるかというと、違う選択肢を探し始めます。
手っ取り早いのは、「親の会社、もう辞めたい」という感じです。
私的には、本当にやめたいなら、辞めてもいいんじゃないかと思います。
とはいえ、なんだか逃げ道を作ったままやってると、上手くいくものもうまくいかないんじゃないかな、と思ったりします。
辞めてハッピーならいいんですが、そうならないことも多いようです。
ならば、それなりに腰を据えて、やるという覚悟を持ってみるのも一考じゃないでしょうか。
いつでも逃げられる状況をつくっておくのもいいのですが、ガッツリはまってみないとできないこと、わからないことも多いと思います。
そういう姿勢があれば、まあうまい下手はともかくとして、とりあえず何とかなるものだと思います。
ちなみに、日本の企業数は420万社とか言う数です。
それと同じだけの数の社長がいるとしたら、大学生より多い。
つまり、そんな沢山の人が、経営者やってるわけですから、自分にできないわけない…と思いませんか?
大学受験ともなれば、自信がなければ、勉強します。
後継者であれば、自信がなければ、仕事を頑張る、というのが流れのはずなんですが、自信がなくて仕事が手につかなくなってしまう(苦笑)
それは「自信がない」という言い訳をしちゃってるのかもしれません。
ところで、YouTubeの開発者が、こんなことを言ってました。
「やり始めて、とんでもないものを始めてしまったな、と後悔した。けど、必死に格闘してるうちにそれなりに形が出来上がってきた」
とんでもないものに手を出しちゃって、そこで日々の課題に無我夢中で対処してるうちに気が付けば一つの物が出来上がってた。
後継者の会社経営もまた、そんなものかもしれませんね。
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Image by 준원 서 from Pixabay