経営者は”外交的”であらねばならぬ、そんな風潮を感じることがあります。
社内のコミュニケーションしかり、外部との人脈しかり。
「そうだよねー、けど自分は外交的ではないから・・・」
そんな風に肩を落とす後継者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、内向的であることは、経営者として決して劣っているわけではありません。
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ちょうど先週金曜日から、3日にわたり鹿児島で行われた、ある団体の研修会に参加してきました。
あいまに所要もあり鹿児島→佐賀→鹿児島との移動もありなかなかハードな出張でした。
出張となると、多くの場合は、四六時中誰かと一緒。
交わされる会話や、そこにいる人たちは大好きなんですが、一日で疲労困憊。
若いときには、断ることができず、二次会、三次会にお付き合いして、
ホテルに帰ると肩こりからくる頭痛に悩まされたりしてました。
実は、常に出張かばんには、頭痛薬を常備していたりするんです。
なんとなく世の中では、経営者たるもの外交的であれ、的風潮を感じます。
なかには、二次会を断ろうものなら、「そんなことで経営者が務まるか!?」的勢いで迫ってくる人もいます。
一方で、少し不思議な風景を見かけることがあります。
「忙しい」「疲れた」という人ほど、やけに飲み会の写真をSNSにアップしていたりします。
私にしてみれば、呑んでる暇があったら忙しさを解消する努力をすればいいのに、
疲れているなら、外に出ず早く帰って寝ればいいのに、
なんてPC画面を見ながらつぶやくこともありました。
私にとっては、彼らの行動が理解不能だったのです。
そんな不思議に応えてくれたのはある本です。
内向型を強みにする(マーティー・O・レイニー:著)
この本によると、内向型と外向型性格は遺伝子が関係しているそうです。
アメリカ人の75%は外向型、25%が内向型。
つまり、世の中の常識は、多数派の外向型に最適化されているといいます。
ごく簡単に言うと、
●外向型の人は、人と会う事でエネルギーを取り込む
●内向型の人は、人と会う事でエネルギーを消耗し、一人になることで発電する
という特徴があるようです。
内向型の人と外向型の人がいる飲み会では、外向型は周囲のエネルギーを取り込みどんどん元気になる一方、
内向型の人はエネルギーを吸い取られて、どんどん枯れていき、魂を抜き取られた抜け殻のようになってしまいます。
「わかるわかる!」と首を振った方の多くは、内向型ではないでしょうか(笑)
詳しくは、本書を読んでいただければと思うのですが、
外向型と内向型というのはあくまで特徴を示したものです。
どちらがいいとか、悪いとかいう話では、もちろんありません。
外向型ができない事を内向型の人が得意だったり、
逆に内向型ができない事を外向型の人が得意な事がある、
というだけの事なのです。
そう考えると、内向型である場合、外に出て人脈形成の輪を広く大きく作るというのは苦手分野といえるかもしれません。
しかし、内向型は、広いパーティー会場で様々な人と出会い、関係を築くのは苦手でも、
一人の人とじっくり関係を育てていく事であればきっとできると思います。
ある程度狙い撃ちで、一対一の関係を作るとか、関心のある方とのコミュニケーションをとるとかいう方法は一つの内向型向けの戦略でしょう。
外向型の方は、人と会う事でエネルギーチャージができますが、
内向型の方は、人と会う事でエネルギーを消費していきます。
そうすると、限りあるリソース(資源)を有効活用する事を考えれば、人と会う時間や会う人数をコントロールしたり、
インターバルを取りながら会うといった工夫が必要です。
こういうと、反論するのは多分、外向型の方です。
そういう意見は、聞いたふりをしておくのが無難でしょう。
外向型の方は、その通りあなたが行動するかを検証するタイプではないはずですから。
そもそも、外向型の方は、きっとこの関心の持てない文章を、ここまでは読んでいないでしょうし(笑)
さて、単に人との接触を少なくすると、情報不足を心配する向きもあるかもしれません。
しかし、内向型の方は、限られた情報をもとに、精査し、内省し、検討する能力にたけています。
その時間こそがエネルギーチャージの時間です。
内向型の方の最大のエネルギーチャージの方法は、考える事なんです。
これは外向型の人が不得手とする、内向型の強みの一つです。
さて、私に関していえば、最近はそういった人との接触の頻度や深さのペースをやっと会得してきた感があります。
今回の出張は、もろもろの都合がありわがままをやりすぎた感はありますが、殆ど疲れを残していません。
無理して、飲み会に出かけなければ・・・
と焦ることなく自分のペースで歩んでいけばいいのです。
人と違う特性を持つことを知れば、人と違う方法で自分を活かす方法は見つかるはずです。
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