後継者

先代も後継者双方が知っているメリットとデメリット 後継者と創業者の裏の目的

最近、カウンセラーの方とお知り合いになる機会が増えました。
全てではないのですが、彼らがよく使う質問があります。
その質問、事業承継の親子の関係にとっても、非常に大切な質問だと感じています。


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親の会社を継ぐ技術

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カウンセラー、セラピスト、コーチといった人の心をあつかう人の多くが使う質問があります。
たとえば、ある行動をおこしたいのにおこせない。
そういう状況において、彼らはこんな二つの質問をします。

「その行動をすることで得られるメリットは何ですか?」
「逆に、その行動をすることで被るデメリットは何ですか?」

 

本人は、「やりたい」と口では言っているのに、
やれるようになりたいという希望は明確なのに、
なぜデメリットがある前提なのでしょうか。

 

私はセミナーでときおりお話しする、経営のバトンタッチが上手く行かない理由を、こんなふうに表現しています。

先代にとっても後継者にとっても、経営の継承には表の目的と裏の目的がある。

 

ごく簡単にご紹介します。
先代にとって経営の継承が上手く行けば、メリットとして考えられるのは
●仕事が楽になる
●時間に縛られなくなる
●様々な重圧から解放される
などいろいろありますね。

一方で、
●やることがなくなる
●社長という社会的地位を失う
●収入を失う
●居場所がなくなる
といったデメリットが考えられそうです。

 

後継者においては、引継ぎが上手く行けば
●自分がやりたいように会社を運営できる
●先代に気を使わなくて済む
●ブレーキがなくなって色んなことが速いスピードで実現できる
というメリットが頭に浮かぶかもしれません。

しかし、デメリットを尋ねられると思い浮かぶことはあるはずです。
たとえば、
●借入金の責任を負わされるのはちょっと
●先代が喜々とやってる仕事を自分がやるのは困る
●全責任を自分が負わなければならない
といった事が出てきたりしないでしょうか。

 

双方が、経営の継承をすすめたい気持ちと、
そうなれば困るという気持ちが複雑に絡み合います。

そして、自分の中にあるブレーキとなる気持ちを直視したくないから、
敵を作り、相手の問題にしてしまいます。
にわかには受け入れられないかもしれませんが、深く考えていくと身に覚えのある部分はあるのではないでしょうか。

 

結局、事業承継では、親も子も、自分の中にある葛藤を相手のせいにしてバランスを取っているのです。
今目の前にある問題。
これを誰かの問題にするのではなく、自分の心の葛藤が見せている言い訳である、
という事に気付くことができれば、少し心が軽くなるかもしれません。

 


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