後継者

後継者が早い段階で関わるべき仕事

このところ、会社の人材採用業務に関わっていました。
今、求人倍率は雇用者側にとっては非常に厳しい状況なので求人の出し方や媒体などの工夫など、うんざりさせられますね。
しかし、後継者にとって新入社員の募集・採用というのは、とても重要な仕事です。
ぜひ、積極的にかかわっていただきたいと思うのです。

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引き継ぐ会社が大きい規模だったりすると、まだ入社間もない後継者の場合、社員の採用活動にはなかなか手が出せないかもしれません。
また、日常業務が忙しくて、正直なところ、「それどころではない!」という方もいらっしゃるでしょう。
それぞれの事情があるかとは思うのですが、可能な限り後継者の方は、新たな社員の採用・育成には積極的にかかわっていただいたほうが良い、と思っています。

その理由はシンプルで、
後継者の方の同志を増やす活動
だからです。

 

もう少し詳しく説明します。
まず、社内にはすでに経験豊かな社員がいると思います。
もしかすると、多くは先代と苦楽を共にしたメンバーかもしれません。
彼らは、先代に対する絶大な信頼を持っていたり、先代のカリスマに惹かれた人であったりするわけです。
つまり、価値観、仕事の進め方、会社の方針、その他多くの部分で先代の感性を色濃く引き継いでいます。

逆に言うと、あなたと先代が対立することになると、先代の味方となる派閥と考えるのが自然でしょう。

 

決定的な対立の構図がないに越したことはありませんが、そうはいっても日常の業務の中でも、大なり小なり考え方の相違はあるものです。
そういったときに、社内の世論が自分の方針に味方するほうが、将来的にやりやすくなるのは自明の理です。

 

さらに考えて頂きたいのは、これから採用する人は、比較的若い人であるのが一般的でしょう。
つまり、これから長く会社を支えてくれるであろう人たちですから、長く付き合う後継者の方こそがその採用・育成には深くかかわるべきです。

そこで、私なりの採用基準を少しお話ししたいと思います。
もちろん、これが「良い」とは言わないばかりか、むしろこのような考え方は少数派かもしれません。
「こんな考え方もあるのか」という程度に、参考にしていただければ幸いです。

経験者は要注意

私の場合、同業他社での経験者はよほどの事情がない限り、マイナス査定をしています。どういうことかというと、同業界で働いていた人は、同業界の固定観念に縛られている人が多いと考えているからです。特に、変化の激しい今の時代において、経験があるから即戦力である、というのはあまりに早計だと思っています。特殊な技術職でない限り、「過去の経験による即戦力」がアドバンテージとなるのは、ごくわずかな期間。せいぜい半年程度ではないでしょうか。それよりも、経験からくるプライドで、あなたの価値観を受け入れることが困難な状況があるとすれば、その後数十年にわたってあなたの頭を悩ませる問題となる可能性があります。

過去の実績を誇らしげに語る人

特に営業職の場合、過去の実績を一生懸命語る人がいます。ひどいときには、頼みもしないのに「ロールプレイング(私をお客様に見立てた疑似営業)をします。」なんていう人さえいました。私はその時点で、不採用を決めました。なぜならば、彼らは私の話を一切聞こうという姿勢を取っていなかったからです。まあ、面接で緊張しており、一生懸命アピールしなければ、と頑張っていたのかもしれませんが、私には不誠実というか自分本位にしか見えませんでした。この調子でお客様のもとでセールスをすると、長期的な関係構築が難しいというイメージしか抱けません。ある海外の採用マニュアルには、「大風呂敷を広げる人には、以前の勤め先の上司の連絡先を聞くように」とあるそうです。そういったやりとりがなじむかどうかはわかりません(私自身はその質問をしたことはありません)が、怪しい話の場合はそういったけん制も一つの手かもしれませんね。

転職歴は理由が明確であればプラス評価をすることも

どちらかといえば、短い期間で転職を繰り返す人間は、一般的には敬遠されがちです。私自身も、基本的には同様の評価ではありますが、転職が多い事=評価が低いという訳ではないことを悟る出来事がありました。数多くの職種を経験していることで、初めての事に対処することに慣れている場合があります。また、様々な職場を経ることで柔軟性を持っていることも多く、これはなかなか重要な能力の一つだと私は考えています。転職する理由は、たとえば家庭の事情があるかもしれませんし、本人の成長の結果である可能性もあります。本当の事を話すかどうかはわかりませんが、転職理由はきちんと聞く事と、その質問に対しどのような表情・態度で返答するかは注意してみています。隠しごとをしているときは、やはり不自然な動きをするものです。また、転職の理由から見えてくる人間性もあります。希望的観測で転職歴をプラス評価をすると痛い目にあいますが、それでも短期間でやめる流れがあるならリスクは最小限という考え方もできます。

同じチームで働く人間を面接に同席させる

応募してきた人と面接を行う際、可能であれば、その応募者と今後一緒に働くであろう先輩社員を同席させておくと、採用後のイメージが浮かびやすいと思います。但し気を付けておきたいのは、先輩社員は通常、自分より力のある人間を採用しようとはしません。ライバルになる存在ですから、無意識に嫌悪感やプレッシャーを感じ、低い評価を下すこともあります。そこは両者の関係性を見ながら総合的に判断する必要がありますが、採用後の仕事のスムーズな進行を考えると後継者・先輩社員ともに受け入れられる人間を採用する事ができればベストです。また、女性は人に対する感性が鋭い人が多いようですから、面接に女性社員を同席させ、意見を聞くというのも検討してみてはいかがでしょうか。私の場合、前職が人材派遣会社で千名単位の面接の経験のある女性社員にしばしば同席してもらっています。あくまで参考意見ですが、自分がもつ偏った先入観にとらわれすぎないための工夫です。

導入教育は後継者自ら関わる

鳥の世界では「刷り込み」という現象があるそうです。生まれて初めて見た動くものを親と考える、という習性ですね。実は、人にも刷り込みに近い現象があるのではないかと思っています。ある特定の仕事に就く際、そこで触れた情報が、後々にもその人の判断基準や価値基準に大きく影響を与える、と私は考えています。これは、同業他社での経験者を避ける、という事と関連しますが、そこでやった仕事こそが、その業界のスタンダードであるという意識を持ちがちです。一旦こういった固定概念を持つと、それを変えるのは非常に難しくなります。だから、新入社員がはじめに内容のある話を聴くのは、後継者であるあなたからであるべきだと信じています。忙しいとは思いますが、新たな社員が出社したときには、たとえ短時間であっても後継者がこの会社や事業へ持つ思いをきちんと伝える事が重要だと思います。

履歴書等の情報に頼りすぎない

結論としては、当たり前といえば当たり前なのですが、履歴書はあくまで過去の情報です。優秀な社員だったとしても、社内で問題を起こしていたとしても、職歴としてはたったの一行です。こういった文字情報にばかり頼りすぎると、いざ仕事を始めてみるとほかの社員とのコミュニケーションがうまくとれない人間だったり、まったく感性や価値観の違う社員を雇ってしまったり、という事が起こりがちです。それもそのはずで、履歴書にはその人の持つ価値観や人間性は、ほとんど読み取れないわけですから、あくまで参考情報にとどめておくのが重要だと考えています。採用に関して、特に中小企業ですと教育に割く時間がないから、とその必要性のない人を切望しがちです。しかし、その結果、見るべき「人」そのものを見ずして失敗されているケースは、結構多いのではないでしょうか。

 

採用基準に良い悪いはありません。
それぞれの会社が何を求めているかが重要ですから、各社違っていて当然です。
私は原則として経験者を優遇しませんが、離職率が高い職場であり、その状況を改善することが難しい場合は、経験者を雇う事は非常に有益です。
「他所がこういってるから、自分たちもそうしよう。」というのが一番危ないのではないかと思います。
どんな人が欲しいのか。
それを明確にすると、募集広告のメッセージの出し方なども変わってくるかもしれませんね。

 

 

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