後継者

後継者の意識に上る「〇〇してはいけない」という考えはどこから来るのか?

「〇〇してはいけない。」なんとなくそう思い込んでること、人にはあるものです。
私の場合、なぜか「会社を休んではいけない。」と思い込んでました。
まあ、常識的に考えれば、理由もなく会社を休むのは良いとは言えませんが、私は40度の熱があっても、なぜか休んではいけないと思っていました。


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親の会社を継ぐ技術

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私、どうも風邪をひくと熱が上がりやすい体質みたいなんです。
20歳代の頃は、年に1回くらい、40度くらいの熱を出していました。
多分、普通の感覚だと、それくらいの熱が出たらさすがに休んだほうがいいんじゃない?
という感じだと思うのですが、私は休んじゃいけない、と思ってたんです。

やはり20歳代の頃、バセドウ病という病気にかかりました。
これも結構やっかいな病気で、真冬でも暑くて汗をかき、ご飯をどれだけ食べてもすぐお腹が空くんです。
ミュージシャンの絢香さんがこの病気で活動休止したのは有名ですね。
この病気では、簡単に言うと、安静にしている状態なのに体は全力疾走後の状態。

そんな時でも、病院に行く暇があったら会社へ。

さすがに突発性難聴になったときは、病院に走りましたが後遺症としての耳鳴りはたぶん今もあるんじゃないでしょうか。
もはや耳鳴りのある状態に慣れ過ぎて、わからなくなってしまったんです(^^;
この病気、短期とは言え入院するパターンも結構あるようですが、私は通院での点滴治療。

 

それくらい会社に行きたかったかというと、全然です(苦笑)
出来たら休みたいなぁ、と思うんですけどね。

 

休んでしまうと、なんだか罪悪感を感じてしまうんです。
歩けるのに、
車を運転できるのに、
会社を休んじゃっていいの?
いかんでしょう?
なんて思い込んでいました。

 

責任感?
いえいえ、そんないいものではありません。

その時はわからなかったんですが、多分、父をがっかりさせたくなかったんです。
子供じみた話かもしれませんが、自分でギブアップはしたくなかった。

 

人は、過去の出来事を引きずることが多い。
小さなころ、親と遊んでもらいたかった時に、
「今は忙しいから、後からね。」
と言われても、永遠に「後から」はやってこなかった経験。

「みてみて。」
と自分が書いた絵を親に見せたとき、
思ったような感動を得られなかった経験。

 

大人になってからであれば「些細な事」といえることですが、
子供の頃の自分にとってはとても大きな問題です。

 

次第に成長すると、そういった出来事は忘れ去るものの、
その時受けた感情だけは心の奥底にこびりつくようです。
そして、親に受け入れられなかったのは、自分のせいだ、と自分を責め始めます。
だから、親に関心を示してもらうには、もっといい子になる(もしくはグレる)事に最大の努力をします。

私に関していえば、幼稚園の頃、いじめを原因とした不登校(不登園?)を経験したこともあり、ずっと親からは「幼稚園に行きなさい!」と言われ続けていました。
その体験が、休んではいけないという価値観を頭に刷り込んだのでしょう。
グレるほうにはいかなかったので、いい子を演じる自分が出来上がりました。

にわかには受け入れがたいかもしれませんが、後継者の頭の中には親が住んでいます。
あなたがなんとなく判断した結果は、実は頭の中の親の影響を受けているかもしれません。
やっかいなのは、頭の中の親の主張は、必ずしも本当の親の主張と合致しているわけではなく、
むしろデフォルメされていることのほうが多いようです。

私たちは、大人になった今でも「親に叱られたくない一心で」物事を判断し、行動している可能性があります。
どうしても休むことができなかった私の頭の中には、幼稚園の頃の親の言葉が鳴り響いていたようです。
繰り返しますが、現実の親がそれを求めているかどうかとは全く関係なしに。

 

さて、こういった頭の中に住む親の幻影が、現実世界にどんな影響を及ぼしているのでしょう。
シンプルに言ってしまえば、後継者の個性を奪い去っているのです。
本当は、もっと弾けていいはずなのに、マジメ。
人が良く、協調性も高い。
それを「社会人としてのたしなみ。」と自分を納得させている現実はないでしょうか。
これが悪いことだとは言いませんが、個性を奥底にしまったまま経営して成功できるほど世の中は甘くないようにも思います。
なによりも、それって本人が一番つらいんじゃないでしょうか。

 

・・・と偉そうに語る私もまた、そんな幻影の中に囚われている事を否定しません。
ただ、長年持っていた変身願望の奥底にあるメカニズムに気づいて、今は少しずつその呪縛を解こうともがいてる真っ最中。
休むことくらいはできるようになりましたけどね(^^;

「動けない」自分を見つけたときには、頭の中に住む親の幻影を疑ってみる必要がありそうです。
自分にとってつらかった体験から作り出した幻が、あなたの脳を支配しているかもしれません。

 

その幻は、子供の頃はあなたの安全を守ってくれました。
しかし、大人になった今は、その幻に頼ることなく一人で判断し、行動できるはずです。
呪縛を説く第一歩は、その幻影の存在を知ることからです。

 

ともに歩みましょう。


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