「続ける」というのはけっこう難しいものです。
「成果が見えないのに続ける」というのはもっと難しい。
これが大企業なら大抵許されません。
なぜならCEOは1年ごとに成果を求められるからです。
しかし、中小企業であれば、社長が腹をくくればそれができる。
そして二人の専門家が、会社を続けるコツについて似たような発言をされています。
それは経営者の能力を云々する話ではないのです。
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小阪裕司氏というマーケティングの専門家であり、感性に関する博士号を持つ方の言葉があります。
会社を長く存続させるためには、価値創造をなしうる個の集団でなければなりません。
この短い文章の中には、とても深い意味が込められているように思います。
私なりの解釈では、そもそも(顧客に提供する)「価値」というのは常に移り変わります。
これは例えば、親の代で言えば、商品そのものを普及させることがその会社の価値だったのかもしれません。
しかし、その商品が世の中に普及してきた今、普及させること自体の価値は薄れています。
ならば、新たな価値を創り出す必要があります。
「会社を変えなきゃ」と言われると、なんだかとってつけたように「売れ筋の商品を扱おう」とか、「ライバルと同じビジネスモデルを取り入れよう」とか考えがちです。
そんな事を考えても、後継者だけが問題意識を持っていることが多く、一人で孤軍奮闘しているケースが多いように思います。
次第に、周囲の人たちはシラケた様子になり、さらに後継者はしんどくなるという、ちょっと残念なスパイラルに陥ることがあります。
私自身そんなことを経験しています。
自分一人、がーーっと勉強し、考え、考えたことを社内に浸透させようと躍起になっていたんです。
しかし社員とは温度差が当然あります。
温度が上がらない社員を見てひとりイライラしている自分がいたわけです。
それから何年かして、私も少し大人になりました(笑)
そこでやったのは、自分一人で考えるのをやめたんです。
いつもは自分で考え、自分で答えを出し、その答えを社員に押し付けていました。
しかしあるタイミングから、社員が「価値を生み出す」ことを一緒に考えられるような場を用意するよう気をつけました。
はじめのうちは、なかなか意見も出にくいです。
とくに、ベテラン社員、今の稼ぎ頭の社員ほど、頭をかしげます。
こういったときに、はじめにアイデアを思いつくのはたいてい、社内でも一番経験が浅く、軽い仕事をしている人だったりします。
そんなところから出てくる意見は、緩いものなんですが、それをしっかりと取り上げると、ちゃんとヒントになったりします。
なぜなら、こういった、会社のコアから遠い人ほど、顧客の心理に近いからです。
一見稚拙にも見える意見をしっかりと肉付けをして試してみる。(ここ、とても大事です)
何かをやり始めると(そしてそれが簡単なものだと)、だんだんと夢中になる人が出てきます。
そうすればしめたもの。
会社は、誰が背中を押さなくとも、どんどん変化していきます。
冒頭の言葉に戻ると、そういった一人一人の意見を大切に扱い、試してみて、結果を改善していく。
そういう過程がまさに、価値創造をできる個を育てていく流れができていくんじゃないかと思います。
きしくも、日本で初めて経営コンサルティング会社を上場させた船井幸雄氏も、
「1000年企業を作るコツは、良い人を育てる事」
と言っていたそうです。
たぶん、会社を長く続けるコツは、どれだけ後継者が優れているかというより、
どれだけ人が活躍できる場所を用意できるか、と言えるのではないでしょうか。
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