後継者

なぜ大企業の社長交代はスムーズなのに中小企業の事業承継はうまくいかないのか?

後継者という立場の私自身、事業承継がうまくいかず悩んでいたころ、よく思ったことがあります。
中小企業の事業承継はこんなに難しいのに、大企業の社長交代は粛々と行われる。
この違いっていったい何なのだろうか?と。


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大企業の社長交代と中小企業の事業承継

ポイントは「ルールの順守」

大企業の場合、基本的には数年ごとに社長は変わります。
厳格な年数は決まっていなくとも、だいたい3年~5年くらいで一区切りなど、社内的なイメージがあろうかと思います。
その役割は順繰りに交代していく。
そういうルールというか、空気があるわけです。

だから、自分だけあと5年やるとか、ワガママが許される空気感はありません。
決まりの通り粛々と社長の交代は行われるのです。

終わりが決まっているから

そのような状況下で、大企業の社長は終わりが決まっているから、期限に迫られて、
・後継者の選出、
・後継者への引継ぎ、
・自身の囲碁の身の振り方
を考え始めます。
恐らく、自身の任期の最終年度になれば、その先の自分の姿をイメージして動くことでしょう。

中小企業の事業承継はちゃぶ台返しが可能

一方で、中小企業の場合、ガバナンスがしっかりしているというケースはまれ。
基本的に社長が法律です。
だから、一旦は、「70歳で引退する」と公言したとしても、続投することをだれも止められません。
また、銀行の信用も、会社組織そのものにあるというよりは、社長にあるといえます。
ある企業では、社長交代をほのめかすと、銀行からは「評点がこれだけ変わりますよ」なんて脅されたという話もあります。

そういった事情もあって、中小企業の事業承継はおしりの設定があいまいなのです。

中小企業の事業承継は計画通りにはいかない

人の問題

親子の事業承継において、後継者の能力不足が言われることがよくあります。
確かにそれも一面としてはあるかもしれません。
ただ、実際のところは様々な問題が複雑に絡み合います。

大企業の場合、組織維持のために社内のルールがとても大事になります。
しかし、中小企業というのは、組織そのものが意志を持つ段階にはまだ言ってないことが多い。
だから人と人との関係性の中で、少しずつ進めていく必要があります。

一定程度の計画があるのは大事だと思いますが、それに縛られ過ぎても上手くいかないと思うのです。

中小企業と大企業は別物

改めて言うまでもなく、中小企業と大企業は別物です。
前者は人間関係が大事である一方で、後者は組織の規範が大事。
この違いを私たちはしっかり認識することが大事なのではないかと思います。

これを同じものとして、大企業にならおうとすると、激しいハレーションが起こるのではないでしょうか。

 


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