後継者

事業承継の後継者に問う。ピンチはチャンスは本当か?

よくピンチはチャンス、なんて言われます。
ポジティブな人は、こういう言葉を口にするのですが、見ているほうはなんとなく違和感を感じます。
なぜなら、それは「事実」を口にしているわけではなく、自分を奮い立たせるために自らを説得しているようなニュアンスがあるからです。
そのことから考えると、どうやら多くの方は、ピンチはチャンスだと信じていないのです。

しかし、現実の話として、ピンチにこそ会社が躍進したというケースは皆さんも見聞きしたことがあるのではないでしょうか?
実は、ピンチはチャンスという言葉は、事実なのだと私は考えています。


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親の会社を継ぐ技術

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ビジネス上であれ、過去の偉人であれ、一定程度の成功を納めた人の人生には必ずと言っていいほどピンチが訪れています。
例えば、大口の取引先との取引が切れてしまい、倒産の危機に面したとか、社員の過半数が会社を辞めてしまい、商売が回らなくなったとか、そんな話は枚挙にいとまがありません。
世に残る話の多くは「名将」のものだから、自分には関係ない・・・
と切って捨ててしまいそうですが、ほんの少しだけお付き合いいただければ幸いです。

 

さて、ピンチに陥った時、組織はどうなるかというと、
ピンチを脱するという”目的”が明確になる
という事です。

そして、社員は沈みゆく会社と行動を共にするか、究極の選択を迫られます。

さらにいうなれば、
ピンチを脱するという目的を達すべき期限は限られている
という状況にいやおうなく追いやられます。

 

ピンチという落とし穴に落ちたとき、上から漏れる光を目指して組織が一つになるのですから、組織の潜在能力は最大限発揮される状況になります。
むしろ、組織の潜在能力を最大限引き出さざるを得ない状況といえます。
そして、ピンチが起こる背景には、過去のやり方に問題があるからでしょうから、そこを改めるべく自然に社内の仕事が組み替えられます。

つまり、ピンチの到来は、新たな会社の姿へ一気に変わるタイミングといえるでしょう。

とはいえ、それほど切羽詰まった状況というのは、出来る事なら避けたいものです。
そこで一つ提案したいのが、小さなピンチが起こった際の振る舞い方です。

 

会社の存続を左右するほどではないにしても、全社的に検討すべきピンチは少なからず起こっているはずです。
その時に気を付けて見てほしいのが、
単にピンチの状態を修復するのみならず、それを機会にこれまでと違った方法を試してみる
という事です。

元に戻すことだけを考えるのではなく、元の機能を回復しつつ何か新しい試みをくわえてみる事です。

何か社内に問題が起こった時というのは、経営が経年劣化を起こしている可能性が高いわけです。
もしかしたら商品の価値がかつてと違って落ちているとか、社内の仕組が今の時代にマッチしていないとか、常に会社の中に問題はあるはずです。
それを改善するきっかけとしては、小さなピンチはうってつけなわけです。
何の問題のないときに、いきなり後継者が「これからこうする」というよりも、何かしらの問題が起こったからこう変えるというほうが、ハレーションは少ないはずです。

それは、問題が起こった時だけでなく、業界に関連の深い法律の改正、明らかな脅威の出現など、どんな種類のものでもいいでしょう。
言ってみれば、口実ですね。
何もないときと比べて、何倍も社内が動きやすいはずです。

そういう意味からも、ピンチはやっぱりチャンス(機会)なのです。


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