事業承継が完了したと思ったら親が出戻ってきた話

少し前になりますが、ある友人でこんなことが起こりました。
創業社長である親が病気で3週間も入院することになったのです。
それまで、権限移譲なんてほとんど行われていなかった会社です。
後継者はあたふた。

まだ経験不足な後継者は、不安しかない状況でした。
しかし、そんな会社である驚くべき変化が訪れました。

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先代が事業を創業し、今やその先代は地元の名士です。
それぐらい地元の経済に密着して成長してきた企業があります。
この社長が、重い病気にかかり、3週間の入院を余儀なくされました。

まだまだ経験不足な後継者は慌てふためきました。
なにしろ、まだ現場での仕事をやっと覚えたばかりで、自分がリーダーなんて言う重責を全うできる自信などありません。
しかし、ベテラン社員は何人かいたものの、みな横並び感が強かったといいます。
強いリーダーシップを発揮していた社長の下では、誰もが社長の駒という状況だったようです。

 

腹をくくったのはあるベテラン社員でした。
彼は、後継者である社長の息子にこういいます。
「この状況において、息子さんにはリーダーシップをとってもらわなければなりません。
私達が全力でバックアップしますので、よろしくお願いします」

そのベテラン社員は、横並びの自分たちの誰かがリーダーになってもうまくはいかないという事を事前に察知したのでしょう。
むしろ、社長と血縁関係を持ち、恐らく社長が次期社長候補として考えている息子をリーダーにすべきと考えたと思われます。
実力の如何はともかくとして、リーダーは息子である必要がある、と考えたのです。

 

どちらかと言えば気の弱い後継者は、そのベテラン社員からの要請を固辞しますが、最後にはおれました。
「ベテランのあなたがサポートしてくださるなら」
そんな気持ちで、息子をリーダーとしての会社運営が始まりました。

息子も必死です。
わからないことがあれば、社員たちに聞きながら進めます。
社員全員が入院中の社長にあてた手紙には
「留守中は、息子さんと一緒に協力して守りますので、仕事のことは気にせずゆっくり療養してください」
なんていう文言が書かれていたようです。

どこか一体感のなかった会社が、社長の入院という大きな状況の変化で、一気に一つになった瞬間です。

Darko StojanovicによるPixabayからの画像

 

 

 

 

 

 

3週間、毎日帰り際に社長を見舞い、今日一日あったことを報告するのは後継者である息子の役目でした。
どうしても社長にお願いすべきことがあれば、メモを残す決まりにしていましたが、3週間、社長あてのメモはゼロだったと言います。

 

この会社、社長の入院という不幸がきっかけで、事業承継が完了してしまいました。
社内は今まで以上に活気があったと言います。

 

 

さて、3週間の入院ののち返ってきた社長は、命に係わる病気でした。
しばらくは療養しながらの出社でしたが、徐々に体力が回復してくると、元通り会社のトップでリーダーシップを発揮し始めたそうです。
当時の年齢は確か、60歳代前半でしたので、「そんな最前線に立たなくても・・・」と私のような外野は思っていたのですが、元通りのトップリーダー。
あれから10年以上経過した今も、社長は元気に会社の旗振りをされているようです。

この事例を見て思ったのですが、社長は事業を息子に渡したくはない、と思っているのではないでしょうか。
自分がいなくてもしっかり回っている会社に、わざわざ再度トップの椅子に座ろうというのですから。

 

実は、親の本音はそういったところにあることが多いと思われます。
誰であっても、会社を継がせたくないのです。
もちろん悪意があるわけではないし、表向き、いずれ会社を譲らなければならないのは自分でもわかっているはずです。
しかし、本能レベルで、会社を手放すことができないのです。

そういった親と対峙すると、後継者は親から会社を奪おうとします。
すると親は、そこへの拒絶反応を起こし、後継者をクビにしたり、罵声や暴力を浴びせたり、否定することで親子関係にひびが入ります。

 

少しダークな物言いになるかもしれませんが、親が「自分のいない会社」の繁栄を望んでいるとは思わないほうがいいと思います。
親は自分が活躍できる場所としての会社が大事なのです。

そういった親とまともに向き合うために必要なことは、相手の安全を確保することでスタート地点に立つことができます。
親の居心地のいい場所を作るのです。

前提を変えると、解決策が見えてくることもあるかもしれません。

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