お客様の困りごとをどれだけ知っていますか?

私の大好きな小説に、「夏への扉」(ロバート・A・ハインライン)というものがあります。
古典的なSF小説なのですが、その主人公は発明家です。この主人公、技術はぴか一なのですが、それ以上に感心するのは、
一般の生活者がどんな悩みを抱えているか?
を探り出す能力が相当高いのです。

彼は、普通の人が「大変だけど、やらなきゃしょうがないよね。」とあきらめている事を次々と拾い上げて、それを解決するツールを開発します。
当然、彼の発明は開発後30年たって世の中のスタンダードになっていくのですが、その視点がなければ彼の発明は世の中に受け入れられることはなかったでしょう。

かの経営学者P・F・ドラッカーは、

企業の目的の定義は一つしかない。それは顧客を創造することだ。

と著書の中で言っています。

 

それって、恥ずかしながら初めは「営業を頑張れ」って事?と思ったんです。確かに、自分の持っている商品やサービスが世のため人のために役立つものであるなら、それをより多くの人に広め、そのことでより良い人生を謳歌していただくことが、企業の目的と言っても確かにあてはまりそうな気もします。

しかし、それは私の浅はかな誤解で、そんな単純なことではなかったようです。
どういうことかというと、常に社会に新しい価値を提案し続けて、新しい市場を作る事こそが企業の目的なのではないか?というのが現在の私の理解です。
深読みすれば、もっと深いのかもしれませんが、ここが今の私の限界です(笑)

 

世の中は、常に企業の提案(つまり新商品)で、どんどん便利になって行ってます。例えば、待ち合わせ場所で、相手が遅れたら、一昔前はその理由を知る方法がなかったのです。携帯電話のなかった時代には、家に電話しても既に外出しているし、本人とコンタクトを取る方法は一切ありません。あの時のイライラ感や不安感は、経験した人ならわかると思います。
しかし、殆どの人は、そういうものだとあきらめていましたし、それが常識でもあったわけです。
だけど、「そういうものだと諦めるべき」と思わなかった人が、携帯電話を開発し、世に出し、市場ができ、顧客ができたおかげで今の便利なツールが私たちのポケットにあまねく収まっているわけです。

これこそが、企業の目的を果たした一つの事例ではないかと思います。

 

その目的を果たすためには、まずは誰もが「大変だけど仕方がない」と思っていることを、「いや、この問題を解決する方法はないものか?」と気づかなければなりません。
誰もが、あたりまえ、と見過ごしていることに気付くには、やはりトレーニングが必要です。
一つは、自分が仕事や生活において、「面倒だな」「やりたくないな」「煩わしいな」と思う事を気に留める訓練をすること。できればどうすればそれを改善できるかをセットで考えると経営のトレーニングにもなります。
もう一つは、起業の専門家といわれる浜口隆則氏が推奨されるのが「困りごとマラソン」といわれるもの。あなた一人でやっても、会議でグループでやってもいいと思いますが、とにかく無理やりにでも100個のお客様の悩みを書き出すというもの。私もやってみたところ、初めの20個くらいは常識的な内容ですが、その先を無理やりにでも考え始めると、今まであまり認識していなかったようなものが出てきたりします。

困りごとマラソンは、例えば今の事業をよりレベルアップさせたいときは、既存顧客がもつ悩みを書き出し、新商品開発においてはもう少し広い範囲の対象をイメージして書き出すといった使い分けをするのもいいと思います。
いずれにしても、書き出している最中は一つ一つを評価するというより、まずは書き出してみて、後からその困りごとを解決する方法と自社商品との関連性を考えていくのが良いでしょう。

 

さて、こういう事ができるのは誰かといえば、恐らく創業社長ではないと思います。
創業社長は自社商品に惚れ込んでいることが多く、恋は人を盲目にさせます。
そこは少し引いた位置から、自分の会社や商品、お客様を見ることができる後継者である可能性が高いのではないでしょうか。

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