後継者

先代がバランスを欠いてるからこそ後継者が輝ける3つのチャンス

「ウチの先代社長、困った人なんです。」
そんな後継者からの相談。
少し詳しく聞いてみると、仕事のバランスが良くないというか、一点集中すぎるという話だったり、いろんな部分で矛盾することが多かったり。
それを聞いて、瞬時に頭に浮かんだのは、
「良かったですね。」
という言葉。

なぜバランスを欠いているのによいのでしょう。
少し詳しくお話しします。


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親の会社を継ぐ技術

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逆のケースで、ある先代社長は経営者として完璧に近かったんです。
マネジメント、マーケティング、商品開発など、様々な分野に目配りをしていて、社内の仕組みをきちんと作り上げています。
その社長のお話を上の空で聞きながら、背筋が寒くなるのを感じていました。
なぜなら、「後継者がスポットライトを浴びるステージがない!」と思ったからです。

 

中小企業において、創業社長というのはいい意味で、バランスを欠いた人が多いように思います。逆に、目の前の事に集中できる人でなければ、起業なんてできなかったでしょう。
商品への思い入れや、お客様への思い入れで、創業時期は成り立っているものです。
だから、創業社長は、「仕事」と「経営」のどちらを選ぶか?といえばかなりの人が間違いなく「仕事」を選ぶでしょう。

販売業なら営業、製造業なら商品製造や開発、サービス業なら現場に立つ。その合間に、「経営」の仕事をするわけです。
創業社長が倒れると会社が危ういといわれるのは、創業社長が稼ぎ頭だからです。
その状態を続けている会社は、バブル期にピークを迎えたものの、その後は伸び悩み現在の売り上げは良くて横ばい。利益額に関しては年々下がっている傾向があるのではないでしょか。
まさに、創業社長が現場を率いて作れる売り上げの限界がそこだったという事なのではないでしょうか。

 

さて、そういった現場大好きな創業社長がいたからこそ後継者が活躍できるシーンがあります。

(1)粗削りな会社のバランスを整える役割を持てる
創業社長が「仕事」主義の人であれば、社内はかなりいびつな内容となっているはずです。ある部分だけは非常に洗練されているのに、ある部分は全く手つかずな部分があります。部分最適で回っている会社を、全体最適にしていくことで、効率を高め、組織として作り上げる仕事がまだ残されている、という事です。創業社長にできそうにないこの仕事は、二代目社長のために残されていると考えて差し支えないのではないでしょうか。

(2)稼ぎ頭のシェアを減らす役割をもてる
よく言われることですが、中小企業の多くは売上10億円の壁が立ちはだかるといいます。売り上げ10億円に近づくと急に失速してなかなかこの壁を越えられない、という話です。その原因は、多くの方が指摘するように売り上げのほとんどに社長が絡んでいる事にある、と私も感じます。創業社長の役割が、「仕事」から「経営」にスイッチできないことがその根底にあると考えられます。特に、売れる仕組みを作るというのは、試行錯誤の時間は少なからずかかるものです。創業社長には、今まで通り「仕事」をやって頂き、二代目が「経営」をやって会社として誰か一人に依存しない体制での売り上げを積み上げる。そんな連係プレイができる可能性がある、という事ですね。

(3)社内の矛盾を解消して効率的な組織づくりをできる役割を持てる
創業当初から、組織や社内の仕組は、必要に応じて継ぎ足されてきたツギハギ状態であることが多いでしょう。これを見直すことで、社内に合った矛盾や、非効率、行ってる作業の価値を計測・改善することで、すっきりした組織ができる可能性があります。

 

つまり、一言で言ってしまうと、
まだまだ伸びしろがあるのではないですか?
という事なんです。

 

既に何十年来にわたって積み上げられた歴史があり、施設や設備があり、人がいる。
さほど新たな投資をすることなく、生まれ変わったかのようにピカピカの会社に仕上げることだってできるかもしれません。

もし、先代に欠けてるところが多い、と感じているとしたら、
それは後継者にとってはとても大きなチャンスなのです。

 

 

 


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