後継者

跡継ぎに向けた書籍が役に立ちにくい理由

跡継ぎ・後継者として親の会社に入って、結構いろんな困ったことが出てくる。
そこで、どうすればいいだろう?と考えたとき何をするでしょうか?

私の経験上、あまり手がないのです。
自己完結すべく、何とか自力で困りごとを解決する、
本やセミナーにヒントを求める、
これぐらいです。

そもそも誰かに相談しにくい悩みも多く、
返ってくるアドバイスもどこかズレたような感じがします。

じゃあ、と何冊か本を買い込んでみる。
読み始めて「ああ、勉強になった」とは思うけど、
これからどうすればいい?という答えが見つからないから動けない。

結局今まで通りの日々が続く。

そんな経験をされている方、けっこう多くはないでしょうか?

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私も親の会社を継ぐにあたって、いろんな本を読みました。
困ったことが出てくると、それに即した本を引っ張ってきます。
しかし、事業承継のために、跡継ぎ・後継者がどうふるまうべきかを明確に書いた本は意外と少ない。

いえ、色々あるんですよ。
なんだか、小学校の先生が言うようなことを並べた本とか。

 

少し違った視点で見てみましょう。
たとえば、国立がん研究センターがん予防・検診研究センターがまとめた「がんを防ぐための新12か条」というものがあります。
その内容はこんなものです。

1.たばこは吸わない
2.他人のたばこの煙をできるだけ避ける
3.お酒はほどほどに
4.バランスのとれた食生活を
5.塩辛い食品は控えめに
6.野菜や果物は不足にならないように
7.適度に運動
8.適切な体重維持
9.ウイルスや細菌の感染予防と治療
10.定期的ながん検診を
11.身体の異常に気がついたら、すぐに受診を
12.正しいがん情報でがんを知ることから

どれも特別なものはありません。
「なるほど、確かにそうだろうな」と誰もが頷くものです。

しかし、じゃあ誰でもできるか?といえば、そういうものでもありません。
お酒が好きな人が、それを節制するというのは大変なことです。
タバコだってそうですし、食生活もそうです。

そんなのわかってるけど、できないから困ってるんだ!!

というのが本音じゃないですか?

 

Gabriel DotiによるPixabayからの画像

 

 

 

 

 

どういう状態になればいいかはわかってるけど、どうすればそういう状態になれるかがわからない。
ここにはもはや根性論しかなくって、「頑張るしかないよね」という話になる。
すると、結局その情報はクソの役にも立たないわけです。

 

実は、跡継ぎ・後継者に向けた本は、ほとんどがこのパターンです。

 

ここで跡継ぎ・後継者が手にとりそうな本のパターンを挙げてみましょう。

1.相続・事業承継の本
ほとんどの場合、税務に関する本です。
節税するとか、納税資金を確保しておかないと大変ですよ、という話。
知識としては重要ですが、親がその気にならないと動かない話です。
そもそもこれは、目の前の悩みとはあまり関連性のない内容であることがほとんどです。

2.後継者の育て方的書籍
おもに親世代に当てた本で、後継者を以下に育てるかが書いてあります。
親に言われるまでもなく、自ら親の立場から見た自分をどうセルフマネジメントしていくかを考えようと手にするケースが多い。
内容的には、「いったんは外に出せ」とか、「他の社員より厳しく」とか誰でも言える事しか書いていません。
ほとんどが精神鍛錬の本。
この手の本の根本的な誤りは、他人である親が跡継ぎ・後継者の「覚悟」を引き出せると考えている点。
どんなに厳しくても、後継者は腹をくくることはできません。

3.事例研究本
過去の成功事例を研究した本。
まあ、ざっくりとした方向性の参考にはなりますが、圧倒的に足りないのはそれをどう実行するか?というところの考察です。
実は、成功事例というのは多くの場合偶然の要素がかなり多い。
にもかかわらず、過去の事例をなぞることでうまくいくと信じている研究本もあります。
事例と、実行の隙間を埋めている本をほとんど見たことがないので、読後、参考になった気がするけど、行動に移せないケースが多いのではないかと思います。

4.えらい経営者の説教本
まさに道徳的な「あるべき姿」を示すだけで、そこへ向かう方法を示すことができない精神論パターンがほとんど。

5.成功した跡継ぎの奮戦記
物語としては面白いけど、あまり参考にならないことが多いのもこのパターン。
ああ自分だけじゃないんだ、自分も頑張ろう、という気持ちを湧きあがらせてくれる効果はあります。
一方で、こういった本の多くは「親のため」という自己犠牲的なお涙頂戴物語路線のものがけっこうあります。
私はこの考え方は、百害あって一利なしと思って嫌っていますので、あまりお勧めしていません。

 

さて、私はこういった類書を読んだ中で以前解決しない問題を抱え続けていました。
結局はいろんなことを試したり、時間が解決してくれたこともあったりもしました。
そんな経緯で生まれたのが本書です。

完ぺきとは言いませんが、できることをできるように書いたつもりです。
もしよかったら、手にとっていただければ幸いです。

 

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