海外では、ファミリービジネスに関する研究がずいぶん進んでいます。
その中で、ある研究では、ファミリービジネスの経営者がたどるべきステップを以下のようにあらわしています。
これを4Lフレームワークと呼びます。
1.ビジネスを学ぶ(L1)
2.自社のビジネスを学ぶ(L2)
3,自社のビジネスを率いることを学ぶ(L3)
4.手放すことを学ぶ(L4)
Justin B.Craig、Ken Moores 2017
私の著書です。
まず、L1のビジネスを学ぶ。
このフェーズでは、一般的なビジネスに関してを学ぶ、ということになります。
具体的には、ビジネスパースンとして必要とされる資質やスキルを身につけよう、ということです。
初歩的なところで言うと、ビジネスマナーや社内の人間関係、
マーケティングや、セールス、会計や、マネジメントなど。
既にここだけでお腹いっぱいという感じですね。
はじめのステップで、ちゃんとしたビジネスパースンとして使える人になりましょうね、ということです。
程度問題はあろうかとは思いますが、実はこの時点でかなりハードルは高めではないかと思います。
それなりに真摯にビジネスとは?という問いに向き合うことが必要になります。
その次のステップが、2.自社のビジネスを学ぶ(L2)。
ここでは、一般化された話ではなく、自社固有の状態と未来像をイメージすることになります。
どんな顧客がいて、どんなベネフィットでつながっていて、そのビジネスの将来性はどの程度あるのかなど、
自社が抱える強みや弱みをしっかりと把握し、それをどう広げていくかを実践を通して学んでいくことになるのでしょう。
さらに、3,自社のビジネスを率いることを学ぶ(L3)になると、既成の状態を超えたところに自社のビジネスを持っていく状態です。
この時点で、リーダーシップを身につけていなければ、かなり厳しい課題が次々とやってくるのではないかと思います。
特に古参社員や先代からの抵抗を受けるフェーズになると思います。
そして、4.手放すことを学ぶ(L4)は、出口戦略ですね。
自分とていつまでも会社に関わることはできません。
では、将来どうしていくのか?というライフプランを含めて検討する必要があるでしょう。
ここでふと思うのは、私たちはかなり早い時期に、自社のビジネスを率いようと焦りすぎているのかもしれません。
まずはしっかりと自信のスキルや地固めをやったうえで、自社のビジネスを率いてもいいのかもしれません。
焦りは禁物。
どっしりと構えてみてもいいのかもしれません。
私の著書です。