後継者

後継者が心の病になる時、何が起こっているのか?

実は、親の会社を継ぐ跡継ぎ・後継者の方で、心の病に侵される人は案外多い。
その理由はいくつもあります。
一般的な理解からすると信じられない世界かも知れません。

しかし、それが現実です。
そんなとき何が起こっていて、どうすればいいのかを考えてみたいと思います。


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後継者・跡継ぎが心の病に侵される5つの理由

後継者・跡継ぎの心の病

冒頭でお話したとおり、後継者・跡継ぎは精神的に非常にきつい状態にあります。
そして心の病に侵されがち。
そんな人たちの理由を考えてみると…

①プレッシャー

後継者・跡継ぎがもつべき責任に対するプレッシャーは後継者・跡継ぎの心を蝕みます。
具体的には、

  • 業績をあげなければならない
  • 社員の生活を維持しなければならない
  • 借入金の返済
  • 社内でのリーダーシップ

など。

②孤独

後継者・跡継ぎは、本当の気持ちを相談できる相手がいません。
話したところで、理解されないからです。
家族、社員、かつての同僚や同級生、みな後継者。跡継ぎの立場の本当の大変さをしらず、共感してもらえないことから、自分一人で悩み続けることになりがちです。

③思うように動けない

自信の評価を気にする一方、自分の考えを社内でしっかりと体現できない状況であることが多いようです。
具体的には、先代や古参社員からの反対も強く、自分の思う通りに経営ができないのです。

④任せてもらえない

後継者・跡継ぎは、「業績は後継者の責任」と思われる一方、会社のお金を自由に使えなかったりします。
新しい施策をするにも、③のような反対を受けたうえ、お金も出てこないので強いジレンマを感じる人は多い。

⑤自分の存在意義を感じられない

これらの理由から、自分がここにいる意味が解らなくなりがち。。
後継者・跡継ぎは、親の期待に応えたいと思って会社を継ぐのに、親から認められない現実。
このジレンマの中でおぼれてしまうのです。

後継者・跡継ぎのありがちな行動

そして、後継者・跡継ぎは、こういった課題を何とか変えようと必死に動きます。
相手にわからせよう、相手を動かそう、と思うのです。
しかし、現実問題として、人を変えるということはまず不可能。
変わらない相手を変えようとして必死に頑張るものの、その頑張りは報われない。
そうやって、後継者・跡継ぎは、心を蝕まれていくのです。

後継者・跡継ぎの心のストレスへの対処法

変わらないものを変えようとしない

では、どうすればいいのでしょうか。
私自身、当時随分悩んで、色んな手法、スキル、ノウハウを使って、親や周囲の人を動かそうとしました。
しかし、残念ながら、何年やってもそれはうまくいきません。
で、諦めたんです。

どうしたかというと、受け入れたんです。
先代って、こういうものだよね。
社員って、こういうものだよね。
世間って、こういうものだよね。
変えられないものはムリに変えようとしない。

そこがスタートです。

変えられるものに集中しよう!

後継者・跡継ぎの方々を見ていると、なんだか、できないことに一生懸命になりすぎていることが多い。
できないとなると、ついつい気になるわけです。
だけど、そういうのはスルーして、変えられるものに集中しましょう。

心のリソースも、時間も限られています。
変えられないものを頑固にかえようとする必要なんてないのです。

そんなものは後回しで、できることからやればいい。
そうすれば、変わるはずのなかったことまで変わってくる可能性だってあります。
今、気になっている目の前のことを手放すと、一気に道が開けることだってあるんじゃないでしょうか。


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