後継者

アトツギが親子経営を成功させるコツ

アトツギと呼ばれる親の会社を継ぐ息子娘。
いつも、会社のこと、経営のこと、自分の事でお悩みかと思います。

不安しかない、というのが本音かもしれません。
あるいは、何か画期的なアイデアが今の状況を打開するかもしれない、とノウハウを探しているかもしれません。
しかし、相手は人。
なかなか思うようにはいきません。

とはいえ、何かの指針は必要かと思うので、私が知る範囲で「上手く行ってる」跡継ぎと先代の関係、
アトツギと会社の在り方について、簡単にご紹介してみたいと思います。

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まず、爆発的に会社の業績を上げているアトツギは何をやっているか?というと、基本的にはベンチャーとして会社をガラッと変えてしまっています。
たとえば、もともと企業から荷物を預かっていたヤマト運輸が、宅急便を生み出して宅配として新ジャンルを発明したケース。
星野リゾートというブランドを生み出し、古い旅館経営からあらたなレジャー施設経営に踏み出したケース。
地方の紳士服店から、カジュアル分野に進出、世界ブランドにしたユニクロ。

これらはみな、アトツギという立場の後継者が、会社を華々しく転身させています。
同じ業界あるいは隣接業界にいながらも、どのケースも顧客層を変えてしまっており、ビジネスモデルもかなり変化しているため、もはや別業態。
実はこのパターンは、ほぼ、先代とはあまり仲良くはなかったようです。
追い出したり、追い出されたり、飛び出したり。
やはりここまで大きな野心を持ったアトツギとなると、親の立場よりも自身の思いを優先させる傾向が強いのかもしれません。
もし、自分がそんなタイプかも、と思われる方は同業でのビジネスにおいて「顧客を変えるとすれば?」という問いが有効かもしれません。

普通ビジネスにおいて、顧客の確保がとても難しい。
にも拘らず、顧客を変えるということは、それだけの覚悟を持っている、ということなのかもしれません。

他のパターンでは、基本的には事業は先代から引き継いだまま。
ただし、同業種でありつつも、高付加価値商品専門にシフトしているケースが多いようです。
たとえば、印刷業者さんだと、何でも屋さん的な街の印刷業というより、高品質の印刷専門。
こういった業態だと、特殊な用途に使われることが多く、例えば芸能人から指名される印刷会社さんも少なからずあるようです。

このケースですと、比較的先代とうまくやっていることが多いと思います。
ただ、「とにかく安さこそがサービスだ!」という先代の会社が「高品質な商品を!」というかたちに跡継ぎがしようとするとハレーションが起こります。
安さがウリなら、アトツギ・後継者は、そのウリを強化する方向でかじ取りするのがいいかもしれません。

最後は、先代の会社から規模も、仕事もほとんど変えないパターン。
これはハレーションが起こり得ません。
だから親子関係はほどほど悪くないと思うのですが、ビジネスの先行きとしては少し心配が残るかもしれません。
それでもこじんまりやり続けるなら、細く長くやっていけるかもしれません。

ということで、三つのパターンにわけてみましたが、いかがでしょうか。
どれが正解というわけでもありませんし、どれが間違いであるとも言えません。
ただ、どれを選ぶか?ということは積極的に決めたほうがいいのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

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