親の会社を継いだ後継者は、「心ここにあらず」状態になる事がけっこうあります。
私がこの言葉を使うとき、「集中力を欠いた状態」という意味ではありません。
文字通り、心が会社にない状態を指します。
それを知るサインは社員の中に混乱がないか?を見ることです。
リーダーの心が会社にないと、社内は不祥事が起こったり、
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親の会社を継ごうと、入社した後継者。
仕事が楽しくて、環境が良ければわき目も振らず会社のことに熱中することになると思います。
しかし、残念ながらそうならないことが多い。
理由は簡単です。
会社が楽しくないからです。
親である経営者からの干渉。
これから自分はどうしていいかわからない不安。
会社に一歩足を踏み入れた瞬間から感じる緊張感。
もう逃げ出したい思いでいっぱいではないかと思います。
そんな折、経営者団体や同業者団体に顔を出す機会ができたりします。
キッカケは親から勧められたり、自分で探してみたり様々だと思います。
そうすると、その場所に居心地の良さを感じてしまったりもします。
会社にいれば、社員との関係、親との関係で結構重い空気の中にあるわけですが、
ここに行けば関係はみなフラット。
なんだかんだ言って、あなたを歓迎してくれるわけです。
会社で少しばかり頑張っても、誰も評価してくれないけど、そういった団体で活躍すればみな評価してくれる。
ああ、自分の居場所はここなんだ。
そんな風に感じることさえあるかもしれません。
すると、会社よりもそういった団体のほうが居心地がよくなってしまいます。
そして居心地のいい場所を求めて、別の団体なんかにも入ったりします。
しだいに会社にいる時間が減っていき、そういった団体の活動に時間を費やすことが増えていきます。
そうなると、会社にいるときも、まさに「心ここにあらず」という状態になりがちです。
親が会社を切り盛りしているうちは、それでも何とかバランスを保っているかもしれません。
しかし、親が会社を引退したりすると、会社の中は一気にゴタゴタしてきます。
社員の謀反や離反、社内のモラル低下、社員を雇っても雇っても退職者が後を絶たない・・・。
こういったサインは、あなたの心が会社にない可能性があるのではないでしょうか。
もちろん、物理的にずっと会社にいるべき、と言っているわけではありません。
後継者が社長になれば、外に出る機会は少なからずあります。
しかし、その時、心をどこに置くかは結構大事な問題だと思います。
変な話に聞こえるかもしれませんが、社員はリーダーの関心が自分たちに向いていないことを知ると、関心を取り戻すためおかしな行動をとることもあるものです。
もちろん、リーダーが変わり、会社が変わる過程で、一定程度の人間が会社を辞することは普通にあります。
しかし、いつまでたっても落ち着かない状況が続くとすれば、自分の心が会社にあるかを問いかけてみてください。
自分にとって居心地のいい会社にすると、不思議なほど社員の問題がピタッと止まることがあります。
どうしても居心地の良くない場所だった会社から目をそむけたくなる気持ちはわかります。
しかし、キチンと向き合うことで、状況はずいぶん変わる可能性があると思います。
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