子供たちを「争続」から救う!?遺言書の書き方、3つの方法

相続は、よく「争続」といわれます。
それほど、多くの家庭で相続をきっかけに兄弟姉妹の仲が悪くなってしまう、という事なのでしょう。
泥沼の相続争いは、ドラマの中だけのこと・・・。
そうお思いの方も少なくないと思います。

しかし、残念ながら、それまで普通に仲の良い兄弟が、一瞬にして最悪の関係になることは珍しくありません。それを多くの方は、「結婚した相手」のせいにします。
嫁がこうだから・・・とか、旦那がこうだから・・・とか。
まさか、何年も共に過ごした兄弟姉妹が争いごとを起こすなど、親からすれば信じられないのでしょう。

残念ながら、私が見る限り、相続が争続に変わるのは、配偶者の性質とばかりは言えないと思っています。その本質は、「不公平感」なのです。

公平が不公平を生むジレンマ

公平は主観で見たとき不公平になる

親の立場からすれば、こういうでしょう。
「いやいや、不公平なんてとんでもない。兄弟平等に、結婚のとき、家を建てるとき、同じだけの援助をした。」
しかし、子供たちの視点は、別のところを見ています。

すこし、違った角度から説明しましょう。
例えば、長男長女。
親にしてみれば、「手をかけて育てた」。そう考えられるかもしれません。
しかし、長男長女は、こう思っているかもしれません。
「自分たちは、あれこれ余計な干渉されたのに、弟たちはやりたい放題。」

また、「自分たちは、大きいからと弟や妹に対して我慢を強いられた。」
そんなふうに思ってるかもしれませんね。

逆に、末子から見れば
「自分たちはほったらかされた」
という想いがあるでしょう。

つまり、平等というものはあり得ない、という前提に立たなければ、「争続」問題は理解できません。
もちろん、親としては、子供たちに平等に愛情をささげたかもしれません。
それでも、受け止める側の立場によって、その捉え方は違います。

責任を課せられる長子

さて、相続の話に戻りましょう。多くの場合、親が高齢になると頼る先は、長男長女である事が多いでしょう。
長男長女は、親に対して多くの責任を負っています。
親の面倒を誰かが見なければならない時、一番初めに浮かぶのが長男長女でしょう。
弟や、妹は、それを遠くから見守ることが多い。

同じことを弟や妹に強いると、「なんで俺が?(私が?)」となることが多くはないでしょうか。
しかし、長男長女には拒否権はないのです。

実際に、介護の現場であったり、日々の世話に立ち会ったとき、これは壮絶な苦労を伴います。
長男であった場合、多くの場合、その奥様がその役目を担います。

家業化が絡むとさらに複雑化

家業をお持ちの場合、長男が事業を継ぐケースが多いと思われますが、その場合も問題があります。

サラリーマンのほかの兄弟からすれば「サラリーマンという中で自分の思うような仕事も収入もできない」不満から「自営業として自由で、経済的な恩恵もえている」ように見える長子をうらやむ気持ちがないとは言い切れません。

しかし、長男にしてみれば、経営者としての苦労と責任の重さは、サラリーマンの弟たちにはわからない、と考えているかもしれません。
そこに、親をまかせっきりで、自分の都合だけで時々やってきて、親孝行ぶった弟たちを見ると、どうも納得いかない気持ちが芽生えることもあるでしょう。
極端な例に見えるかもしれませんが、このようなことは当たり前のように起こっています。

このような前提の中で、皆が同じ立場で話し合い、遺産の分け方を協議したところでお互いへの不信は深まる一方です。

そういった可能性を少しでも減らすため、親としてできる事の一つに「遺言」という手法があります。

テレビドラマでは、病床で書く遺言が有名かもしれませんが、遺言は正しく書かなければ火に油を注ぐこともあります。実際の作成においては、専門家への相談をお勧めしますが、ここに概略をお伝えしたいと思います。

 

遺言の種類

遺言には、大きく分けて3つの方法があります。
ここでは、それぞれの概略についてお伝えします。

●自筆遺言

最も簡単で、費用のかからない方法です。
その名の通り、自筆で書く遺言で、代筆やPCなどによる作成は不可です。
内容としては、自身の資産を誰にどれだけ相続させるかを書いていきます。
そして、日付を記したうえで、署名し、印鑑を押します。
一般的には、封筒に入れ、封をします。

気を付けなければいけないのは、誤字の訂正は非常に厳格な規定があります。
この訂正方法を間違えれば無効となりますので、書き直したほうが良いかもしれません。

また、よく見かけるのは、長い遺言の中で同じ資産を前半は子Aに、後半は子Bに、といったような矛盾点が見受けられるもの。
そのほかに、個人的な感情を記すことで、余計に残された者の感情をこじらせることも出てきます。
書き方においては、例えばダイヤの指輪が2つあったとします。

子のどちらを誰に遺贈する、という事を書く場合、どちらの指輪を誰に、という事が特定できる必要があります。
こういった表記の仕方に、少し工夫が必要になります。

保管は、信頼のできる人であったり、自分で保管したり、という事が考えられます。
但し、机にしまいこんだりした場合、死後見つけられないこともあるので注意が必要です。

●公正証書遺言

遺言を、公正証書として公証人役場に保管してもらう方法です。
承認が2名必要で、費用も資産の額に応じて必要となります。

公証人に作成を依頼するため、自筆遺言のように「所定の形式にのっとっていない」ことを理由に無効とされる心配がありません。
また、保管も、確実に行われるため、改ざんや変造の心配もありません。

費用も手間もかかりますが、確実性を考えると、バランスのとれた方法と考えられそうです。

●秘密証書遺言

遺言書に封を施し、遺言書が封入されていることを公正証書の手続で、公証してもらいます。
公証人役場には封紙の控えが保管されるだけで、公証人は保管しません。
遺言書の保管は遺言者にまかされます。

つまり、遺言書がある事は証明されますが、その内容については公証人役場ではわからない、という状況になります。
遺言の内容を秘密にしたい場合に有効ですが、開封する際には家庭裁判所での検認が必要となります。

 

実際のところ、遺言の内容を確実に伝えるために、どの方法にしても専門家のサポートは得たいところです。
なぜなら、遺言書の内容が実行されるとき、その意志表示をした本人は、口を出すことができない状態なのですから。

もし身近に信頼できる専門家がいない場合はご相談ください。
ご紹介いたします。

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  1. 2014年 4月 17日

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