創業者

様々な組織から社長の引き方を考える

自分の会社、という話になるとつい主観が入りがちで冷静な判断が難しい。
しかし、たとえば、参加する経営者団体などを見ていると、そこで起こる役員の交代劇なんかを見てみいると、よい継承とそうでないものが見えたりします。
特に、トップがいつまでも固定されている組織は、傾向として衰退しているのではないかと思います。
ガチガチの重鎮が上を占めていて、新しい動きができにくいわけです。

じゃあ逆に、若手にバトンタッチしたらうまくいくかというと、そこも難しい。
なにしろ、あれもこれも全部変えようとするから。
そんな事例を通じて、事業承継に代入して検討してみたいと思います。

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経営者団体A

歴史ある経営者団体は、トップがほぼ固定されています。
彼らは、組織に対して非常に崇高な思いを持っています。
だからこそなのですが、慣例のないことを取り入れることを避ける傾向にあります。
形式を重んじるあまり、組織としての柔軟性がない。

また、決定事項は天から降ってくるようなもので、会員にとっては心がどんどん離れていく。
さらには、トップ層に重鎮の壁にあるため、だれも役員になりたがらない。
結果として組織は硬直化し、重鎮が自分たちの地位を守るという事が組織の中心にあるように思われます。

その団体は今非常に元気を失っています。
というのも、団体その物の問題だけではなく、時代的に構成する同業者の数が減っているという社会構造の変化が起こっているから。
そこへの対応は、遅れ気味と感じられます。

この団体は今、重鎮の年齢が高くなり過ぎた結果、重鎮の引退という地殻変動が起こっています。その結果、若い人の意志が反映されるようになってきました。ただ残念ながら「若い」と言っても40歳、50歳代が中心。業界の構造的に若者が少なくなっている業界です。

これを、ひとつの会社の事業承継に代入してみますと、強い権力を持った高齢経営者がトップに君臨することの課題を感じざるを得ない状況に見えます。時流への対処が少し遅れ気味ではあります。ただ、それでも頑張って改革を行っているようです。

経営者団体B

経営者団体Aからの学びで、重鎮を重鎮としてトップ層に置かない配慮をした人事を行っているようです。
一定程度でトップが変わるよう意識をしています。その結果、比較的柔軟な組織となっていますが、規模が大きくなるにつれて自由度が下がっていく傾向は否めません。
これは組織のジレンマと言えるかもしれません。
常に新陳代謝が行われているため、要職を経験した人が卒業する傾向は一部ある様子。その結果、固定した考え方に縛られない運営が可能。
ただし、意志の継続には工夫が必要。

この団体は急成長した団体です。都度都度、会の目的を問い直しつつ今に至ります。同じことを繰り返しているようでいて、役員が変わるたびにそれを確認することでしっかりした方向性が打ち出せます。新陳代謝が激しい分、そういった伝統を引き継ぐという事にはそこそこ手間がかかります。

これを会社に当てはめた場合、そうそう代表の交代はあるわけではないのですが、理念の浸透などには常に配慮する必要がありそうです。理念をマンパワーに頼らない、という事なんだと思います。

経営者団体C

この団体は、トップの人気が明確に決められています。2年~3年で必ず変わらなければなりません。
仕組みとしてはよくできているのですが、実際のところは、トップの経験者が相談役として残るため、トップ経験者の意向が強く反映されることもある。
あるトップは、次にバトンタッチするため、様々な整地を行い、自分は何の栄誉もなくトップの座を明け渡したという。
その次を引き継いだトップは、目前まで来ていたタイトルをゲットし、その組織のために今も粉骨砕身働いている。

次に引き継ぐ人のために仕事ができるリーダーがいると強い。
この団体は、前期のトップの力が及ばぬような仕組みをつくってはいるものの依然、力業で前任者が現役のトップに圧力をかけるケースが少なからずあるようです。
しかし、次のトップのため、という考えを持つトップもおり、そういう場合は数年にわたってうまくいっている状況を目撃した。

 

こうやって見ていくと、トップというのは自分の人気をしっかり努めるという事も確かに大事ですが、どのようにして次期の人がスムーズに成果を出せるかを考えることが大事のようです。
会社の事業承継においても、そういった心遣いが大事なのではないでしょうか。

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