事業承継を冒険に変える、後継者の知恵

【0】事業承継 冒険化計画 ~いざない~

冒険への誘い

はじめに

え?
冒険?ボーケン?
このブログ、事業承継のブログじゃないの?

そんな風に思われた方もいらっしゃるかもしれません。
唐突でごめんなさい。

事業承継でよくある親子の確執。
これは、実は、とてもとても深いところにその根があります。
経営方針の不一致?
もちろん、それはキッカケとしてあります。
けど本当はそんなもんじゃない。

とにもかくにも、今の苦しい状況を脱したい。
後継者の方は、そんな風に思っていることでしょう。
けど、はじめに残念なお知らせをしておきます。
誰にでも使える処方箋はありません。

 

じゃあ、何の救いにもならないじゃないか!
そう拳を振り上げたい気持ちはよくわかります。
しかし、ちょっとだけ落ち着いてある提案について、
考えてみてほしいのです。

中から見るか、外から見るか

ちょっとイメージしてみてください。
ショッピングモールのおもちゃ屋さん。
知らない子どもが「これを買って!」とバタバタと駄々をこねています。
親は「そんなもの買いません!」としかりつけている。
そんな状態を、あなたは他人事のように見つめている。

子どもとしては、自分がどうしても欲しいおもちゃを手に入れたい。
もうその一心で、何とか親を説得して(というか力ずくで)動かしたい。
それ以外の選択肢は考えられません。

親は親で、予算の問題かもしれないし、なんでも買い与えてはいけないという教育の意図があるかもしれない。
もしかしたら、親の威厳を示そうと必死かもしれません。
理由はどうあれ、絶対に買わない。
そう決めて、子どもに接しています。

では、それを第三者の目で見ているあなたはどうでしょうか。
お互いの意見がぶつかり合うのをぼんやりと眺めている。
もしかしたら、あなたは
「それくらい買ってあげればいいじゃないか」
と子どもの味方をするかもしれないし、
「親も大変だな」
と同情するかもしれない。
そもそも、
「自分の家でもあるよな、こういうシーン」
なんて思いながら、苦笑いをするかもしれません。
みっともないな・・・なんていう感想を抱くかもしれません。

これ、どっちが正しいか間違いか?という議論をし始めると泥沼です。
正しいとか誤りとかは、価値観の問題です。
人それぞれが違った価値観を持つ中で、正しいか誤りかを議論することには意味がない。
この場を、どう動かすかが重要なことです。

この価値観の議論を、勝った負けたで判定しているのが、親子の確執です。
親が経験豊かだから正しいとか、
子が次世代を担うから正しいとか、
そんな一般論は、個別の出来事には何の意味もない。

ここで一つ、考えてみてほしいのです。
子どもにせよ、親にせよ、当事者は必死です。
感情的になって、何とか自分の主張を通そうとする。
意識しているのは、自分が守るべき主張だけ。
相手の気持ちを推し量る余裕はありません。

 

しかし、第三者としてみているあなたは、それほどには感情を揺らされることはない。
冷静に事を観察できる立場にあります。
そうすると、きっと当事者の親子に見えないものが見えるはずです。
こうすればいいんじゃないか?とか、
こういう着地点はないものか?とか、
打開する案が、当事者よりかは多いはずです。

親子の事業承継で起こっていることを俯瞰する

さて、現実の世界に目を戻しましょう。
家業を引き継ぐ後継者であるあなた。
まさに、渦中の人です。
先代とうまくいかないとか、今の立場が苦しいとか、
様々な葛藤の中で日々戦っていることでしょう。

戦い。
これ、短期決戦なら、気合で乗り切れるかもしれません。
しかし、現実にある「家業を継ぐ」というミッションは、長期にわたるプロジェクト。
その場しのぎの「やる気」では乗り切るのは難しい。
そんなどんよりとした未来を見たとき、後継者はがっくりと肩を落とす。

どうしようもない思いでネット検索をしてこのページにたどり着いたのかもしれません。
だとすれば、せっかくのご縁です。
ほんの少し、冒険の旅にお付き合いいただけないでしょうか?

なぜ、人は”ゲーム”をやるのか?

何の対価もないのにやめられないのが「ゲーム」

ところで、ゲームをやったことはありますか?
ファイナルファンタジー、ドラゴンクエスト、ポケモンGOでもいいし、太鼓の達人でもいい。
どのゲームも、結構難しい。
しかも理不尽。
とんでもない敵が、とんでもない場所で出てきたりする。
レアキャラをゲットするのは割と大変だし、時間だってかかる。
なかにはアイテムを買うために、リアルなお金を結構投じている人もいる。

しかし、それでお金が稼げるわけでもなく、何の対価もないように見える。
特に子供のころは、親から叱られながらでもやってしまう。
いや、やめることができない。

なのに、仕事は金銭的報酬をもらってなおやりたくないことも多い。
サザエさんのテーマ曲が流れ始めると、会社に行くことが憂鬱になってしまう。

 

報酬がないのにやりたくて仕方のないゲーム。
報酬があるのにやりたくない仕事。
この間にどんな違いがあるのでしょう。

なぜゲームはやめられないのか。
そこで私が考える理由は二つ。
一つは、キャラクターが成長し、未だ見ない世界を見ることができるのがゲームの楽しさ。
次のステージはどんなステージだろう?というワクワク感。
この装備をゲットした先には、キャラクターはどんなに強くなるのだろうという期待感。
その過程は数字で表され(レベルやステージの数)、わたしたちは成長を実感できる。

そしてもう一つは、リアルなリスク(危険)がないこと。
失敗しても、ぶち切りしてもしょせんゲーム。
最悪、スイッチを切れば終わる。

じゃあ、この二つのことを、実際のリアル世界で実現できれば今の苦しみは、楽しみに変わるはず。
そんな風に考えたのです。

事業承継ゲーム化計画

さすがに、リアルの家業の引継ぎはゲームにはなりません。
倒産すれば従業員は路頭に迷う。
なにより、自分の生活だって危うい。
現実世界は真剣勝負。
だから息を抜く間もないのはよくわかります。

しかし。
しかし、事業承継を計画段階からリアルに考える必要、どこにあるんでしょうか?
計画の中では、ありえない夢を語ったっていいし、常識破りだっていい。
私たちは、この夢想の段階から、リアルで現実的な思考でプレイしていないでしょうか?
それで仕事が、そして家業を継ぐことが、ワクワクするプロジェクトになるわけがない。
目の前で起こる問題を、もぐらたたきのようにつぶすことに終始しているのですから。

だから、提案です。
リアルな現実は、今すぐ変えようとする必要はありません。
あなたの頭の中でだけ、つまり、考え方を変えるだけでOKです。
この文章を読んでいる間だけは、思考回路をボーケンモードに変えてほしいのです。
そこでたぶん、面白いお宝を見つけることになるでしょう。

第三者の視点

ここで、もう一度おもちゃ屋さんでやりあっていた親子のシーンを思い出してください。
そこにいる子供が自分だったとしたら・・・
しかりつける親が、自分の本当の親、つまり先代だったとしたら・・・
繰り返しますが、本人たちは真剣そのものです。

このストーリーを足掛かりに、それを眺める通行人の視点を獲得してみてはいかがでしょうか?
親の言い分もわかるし、子の言い分もわかる。
通行人であるあなたが、彼らの仲裁をするとすればどうするでしょうか?
そんな視点を持つと、今の現実の問題の新たな側面に光を当てることができないでしょうか?

お誘い

申し遅れました。
事業承継冒険化計画をファシリテートする田村薫と申します。
なにわのインディー(ジョーンズ)と呼んでいただくと喜びます(笑)

事業承継冒険化計画って、あほちゃうか。
そんな風に思うなら、バカにしながら読むもよし。
もちろん、「時間のムダ」とおもうなら、読まないのも自由。
ただ、忙しいあなたのほんの一部の時間を、私のお話に耳を傾けていただくだけで、
あなたの人生を一変させる気づきを得られる可能性もゼロではありません。
それもまたあなたにとっての冒険なのかもしれません。

冒険の基本は、宝探し。
あなたのお宝を一緒に探してみませんか?

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