非常識な後継者50の心得

非常識な後継者50の心得(38)小さなチャレンジを繰り返そう!

事業承継中の後継者は、入社以降、とにかく波乱に満ちた日々を送ることが多いでしょう。
そうなるとどうしても安らぎが欲しくなる。
後継者の傾向として、「安定」を経営に求める傾向が強くなるようです。

突発的なことが起らないようなリスクヘッジをし、
規則的な行動を促す。
そういった規則的な行動をつきつめようとするのですが、その先に「想定外のことがまったく起こらない現実」というのはあるのでしょうか?

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大きな組織は組織維持にコストがかかる

「お役所的対応」が発生するメカニズム

私たち一般の人は、「お役所的」なお堅い、融通の利かない対応を嫌います。
しかしなぜかそれは起こりがち。
そしてよく観察してみると、大きな組織ほどお役所的である傾向があると言えるでしょう。
どう考えても、顧客や利用者ファーストで対応したほうが物事の多くがスムーズに運ぶとわかっていても、なぜか仕事がお役所的になるのです。

なぜそんなことが起るかというと、組織が大きくなると、その組織を維持するために大きな力が必要になるからです。
例えば「顧客本位」に一人一人が考えて動くと、組織全体の均一化がはかりにくい。
だから、そこで働く人の働きは、組織が期待されたこと以上でも、以下でもダメなのです。

つまり、一人一人が考えるのではなく、会社がマニュアル化したことを外すことなく働けばそれでいい。
こうすることで社員は、一人一人の顧客を見るのではなく、組織を見て働くようになります。
顧客を喜ばせるより、組織の一員であることを重視しないと、大きな組織はなかなか維持が難しくなってくるのです。

大組織は「突発的事故」を防ごうと躍起

その大組織の目的は何かといえば、突発的な事故を起こさないこと。
過去に事故が起こった経緯を調べ、それが起こらないようマニュアルを整備する。
つまり、全体として非常に無難で平均的な方向性をとることが多いと思われます。
なぜかというと、中間管理職層は、自分の代に余計な問題を起こしたくないからです。
これが大企業病を引き起こし、「変われない組織」を創り出す種になるのではないかと思います。

さて、実は事業承継中の後継者のメンタリティはここに近いものがあるのではないでしょうか。
自分はとにかく前を向いて走りたい。だから、問題なんて起こされたくないのです。
自分の顔に泥を塗らないでくれ、という思いなのかもしれません。

同じ場所にはとどまれない

成長したいという欲求

このところ私は、朝は5時台には普通に起きています。日によっては4時台とかもアリです。
ほんの1年前には、7時すぎないと起きれなかったのですが。
はじめのころは大変だったのですが、習慣になると当たり前になります。
今お付き合いしている人たちの多くは早起きなので、6時くらいになると普通にメッセンジャーのやり取りが飛び交ったりします。

そういう環境でいると、普通に早寝早起きになってしまいます。

また、大阪府箕面市にある箕面の滝に毎週末登っています。
これも、初めははあはあ、ぜいぜい言いながらでしたが、今や当たり前で、時折けっこう険しい道も歩いたりするようになっています。

何が言いたいかというと、同じ場所にいるとそれがたやすくなってしまいます。
それが心地いい、という一面もありますが、もう少し上に行くと、もう少し上の景色が心地よくなったりします。
そうやって一歩一歩前に進むことで、人生って充実していくのではないか?と思ったりします。

慣れたら次へ

人が幸せを感じるに際して、ほんの少し難易度の高い目標にチャレンジする、という考え方があります。
そうすることで、無我夢中の状態を作り出すという事です。
無我夢中になる時、人は余計な思考を行わないので、とても幸せな気分になります。
一生懸命なので、幸せを感じている暇もないのかもしれませんが……。

なんにせよ、ある心理学者の研究では、そういった一生懸命な状態に入ることで幸せを感じることができると言います。
後継者は事業承継をコンプリートすることが確かに一つのゴールでしょう。
しかしそれとは独立して、幸せな生涯を送ることもまた、私たちの人生のミッション。
ぜひとも、そのミッションにコミットしていただきたいものです。

 

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非常識な後継者50の心得(0) はじめに 目次

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