非常識な後継者50の心得

非常識な後継者50の心得(35)ワークライフバランスをとろう!

昭和の時代は、家族などは二の次で、とにかく仕事に命を懸けるのが男の生き方である、なんていう話をよく耳にした気がします。
私たちの世代は、むしろワークライフバランスが重要と言われます。
親の会社を事業承継する後継者の立場からすると、自分の足りない部分を労働時間や努力、気合で埋めようとしがちです。
しかしそういった自己犠牲は、結果として家族の自己犠牲をも生み出します。

リーダーがそういった感覚で仕事をすると、社内にもやはり似た空気が蔓延します。
それは果たして現代的な経営にふさわしいのかどうか。
そういった働き方の転換も、後継者の役割ではないかと思うのです。

仕事のために生きるか?生きるために働くか?

事業承継というキッカケに人生を考える

かつて、人は大学を卒業し、大企業に勤め、そこで出世することが基本的な成功パターンとされてきました。
しかし、最近、それも疑わしいものに変わりつつあります。
出世レースで疲れて会社に行けなくなったり、株主からの突き上げからとにかく規模拡大が目的となった会社からの無茶な指令で身体を壊したり。
あるいは、年上の上司の姿を見て、「自分の10年後があれじゃあ、このルートの先に幸せは感じられないな」とあきらめムードが漂ったり。

この混乱はまさに、社会の転換期に来ている証拠だと思います。
世の中の価値観が大きく変わる中、私たちは「今までの成功パターンが幻想である」という事に気付き始めます。
そういう中でも、中小企業というのは狭い世界、狭い価値観の中で閉じこもりがち。
とくに、先代と同世代の社員が固定されているような会社だと、ガチガチの昭和的価値観の中で動いている事が多いのではないでしょうか。
すると、若い人を採用する際にも随分嫌われますし、なかなか難しい状態ではないかと思われます。

自己犠牲で犠牲にするもの

親子の事業承継の中で、後継者自身がツラいという話はたくさんあります。
しかし、あまり表に出ませんが、後継者の妻という立場もまた、後継者自身以上につらい立場に追い込まれることがあります。
奥様は子育てなどの中で、非常に近い距離で義両親と接し、時に会社の経理まで任されることも少なからずあります。
それが心地よい状態であればいいのですが、そうでなければ大変です。
だいたいそういった状態の後継者というのは自分のことしか見えていません。
だから自分さえ我慢すれば、と思っていることも多いのですが、自分のガマンが妻や子供にも波及していることは決して軽くあしらえる話ではないと思われます。

私たちはどこを向いて歩んでいるのか、というのを今一度考える機会を持ってもいいのではないでしょうか。

家庭の幸せあってのビジネス

仕事がうまく行っていても…

私の知る限り、とても儲かっている会社の社長には二つのタイプがあります。
一つは、かなり無理をして会社を上昇気流に乗せている社長。
こういう社長は、朝から晩まで働き詰めで、休む暇もありません。
本人はそういう状態が心地よいようで、家庭のことなどほとんど顧みません。
当然家庭は荒んでおり、子どもはぐれたりいろいろ問題が起こりがちです。

忙しいことが本人的に幸せと感じているように見えるのですが、実は本人はずっと空虚な心の穴のようなものを感じています。
だからもっと働こうとするのですが、いくら働いても、いくら稼いでも、いくら遊んでも、その穴を埋めることは出来ないようです。
最終的に、こういう人は孤独に人生の扉を閉じていく。
そんなパターンの方を非常に多く見かけます。

一方で、そんなに無理をしているわけではないけど、安定して会社を良くしている社長もいます。
実はこういう社長は、家族が円満なことが多い。
どうも、心の穴埋めのための仕事ではないから、仕事も家庭もうまく行くのだと思います。
前者が、執着心で仕事をしているのだとしたら、後者は、楽しみとして仕事をしているという感じでしょうか。
私たちはどんな経営者を目指すのか、ちょっと考えてみたいところですね。

後継者は穴埋め仕事になりやすい

実は事業承継を受ける後継者・跡継ぎ・二代目社長は、そもそもが「二代目としての評価におびえている」ケースが多いと思われます。
そういった不安や恐怖心から会社を預かることが多いので、その不安や恐怖を埋めるために仕事をすることが多いように思います。
そのまま行ってしまうと、先ほどの例の前者側の社長パターンに陥りがちです。
後継者が少し成功すると、金遣いが荒くなり、遊びだすシーンが多いのはまさにそういった傾向によるものでしょう。

もしそうなりたくないのであれば、私たちは本当に何を大事にするのか?という事を考える時間をとったほうが良いのではないかと思います。
仕事のために生きるのか、生きる楽しみのために働くのか。
とても大事な問いだと思います。

  

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