私たち後継者・跡継ぎ・二代目社長は、現状に対して非常に厳しい目で接してはいないでしょうか?
会社の状態だったり、社員の振る舞いだったり、先代の差配だったり、いろんなものを厳しい目でみがち。
自分ではそんなつもりはないけど、周囲から見ると「目くじらを立てる」というぐらいのレベルなのかもしれません。
事業承継という重いプレッシャーの中で、後継者・跡継ぎ・二代目社長がそうなるのは当たり前と言えば当たり前かもしれません。
事業承継はそれほど難しいことですし、集中しなければやり遂げられない事でしょう。
けど、それが事業承継をより難しくしているとしたら、いかがでしょうか。
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Contents
集中は時として大きな失敗を招く
集中したからこそうまく行かなかった事例
冒頭でお話したとおり、私たち後継者・跡継ぎ・二代目社長は、とにかく事業承継に集中しているのではないでしょうか。
単にいまの状態のつじつまを合わせるというだけではなく、将来にわたって会社を良くしていかなければならない。
そんな思いの中で奮闘しているのが、事業承継真っただ中の後継者・跡継ぎ・二代目社長だと思います。
しかし、集中するからこそうまく行かないことも実はあります。
例えばある医療機関では、簡単な手術のはずが、麻酔のミスにより患者を死なせてしまった事例があります。
この時に、看護師でも思いつくような蘇生法を試せばよかったのですが、主治医は目の前の状況の対処に精一杯で、時間感覚を喪失し、自分が今やっている処置を手放せないまま患者は帰らぬ人となったと言います。
ある航空機の事例では、機長が着陸用タイヤの状態を気にするあまり、やはり時間感覚を喪失し、気が付いたときには燃料がゼロになっており墜落状態だったと言います。
いずれも集中するがあまり、視野が狭くなり、他のことを試すというアイデアさえ思いつかなかったと言います。
事業承継における後継者・跡継ぎ・二代目社長の振る舞いもまた、自分のやり方にこだわるあまり、意固地になっていく傾向がけっこうあるように思います。
後継者・跡継ぎ・二代目社長が事業承継で一つの方法に固執すると…
大抵の事業承継での親子の確執は、双方が「自分が正しい」という思い込みが前提で起こります。
この状態の時、親も子もかなり自説に集中した視野を持って接しています。
だから、第三案を出すことができないのです。
すべてが万事。
これは会社の方針だけではなく、社員一人一人の振る舞いに対しても同じ思いを抱きがち。
自分が正しいのだから、社員のやり方は間違っている。
その間違いは許せないから、正さねばならぬ。
そうなって、マイクロマネジメント(細かすぎる指示だし)を行い、後継者・跡継ぎ・二代目社長は疲れ果て、社員も指示だけに従うロボットとして疲弊し、会社全体の元気がなくなっていきます。
この状態の時、後継者・跡継ぎ・二代目社長はきっと「社員がまったく自主性に動かない!」なんて怒り心頭かもしれません。
しかし、そんな組織を作ってしまったのは、今回の文脈で言うなら後継者・跡継ぎ・二代目社長自身の問題です。
違うものを受入れていく
考え方の違い
自分の考え方と、先代の考え方が違うのは当たり前です。
ただそれを、マウント合戦をするかのように、自分が正しいから相手を排除する、ということをやっていると結局会社はうまく行きません。
どっちのやり方が正しかろうが、会社は衰退していきます。
組織である以上、全体の調和が大事ですから、組織としての結論を出す必要があります。
俺が正しいから俺についてこい、ではなくて、俺の意見があって先代や社員の意見がある。
それらを一蹴するのではなくて、ちゃんと受け入れて、考えて、最もいい形のものを採用する。
それが多くの会社に必要なことではないかと思うのです。
そもそもコミットできない会社の方向性に、社員がついてくるはずがありません。
違いを受入れる
違うものを受け入れるには、「違ってもいい」という許しを与える必要があります。
社員や先代が、自分とは違う方向に動いているのを見ても、「まあ、それもいい」と思えることは大事。
それではリーダーの統率力が疑われるじゃないか!と思われるかもしれませんが、ダメ出しして統率してもうまく行くのは一時的な感じだと思います。
じゃあどうすればいいかというと、社員が後継者・跡継ぎ・二代目社長を見るような状態を作っていくことが必要です。
それは彼らの中での存在感を増していくという事。
その手っ取り早い方法は、自分から彼らのことを関心を持ち、知り、絆をつくることです。
人間一定程度の人的絆ができたとき、その人の言葉を無視するのは難しくなります。
そういった形で、社員一人一人とつながっていくことで、組織が出来上がるし、
彼らもまた、考えてやった行動を認めてもらえるから、また考えようとするのです。
大事なのは、自分が欲しいものを、先に与えるという事なのではないでしょうか。
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