非常識な後継者50の心得

非常識な後継者50の心得(45)「正しいこと」に囚われないよう気をつけよう!

日ごろ、私たちは物事を「正しい」か「誤り」かという判断をしがちです。
ただ、事業承継に関わらず、会社経営に置いて言うとこの考え方はけっこう危険です。
なぜならば、多くの成長企業は、創業当初、経営の専門家の評価によると誤った戦略だったことが多いようです。

たとえば、世界的にラジオがお茶の間の娯楽の基本だったころ、テレビの出現に懐疑的な経営コンサルタントが多かったそうです。
ラジオは”ながら”で聞けるから良いのであって、テレビのようにその前に座っていないと楽しめない娯楽が普及するわけはない、と。
しかし結果は皆さんご存知の通り。

GAFAだって創業当初は、随分と冷たい評価を受けていたようです。

さらに言うと、正誤という判断基準は、対立を生み出します。
そこに親子の確執の根源があるのですから、気をつけたいところです。

——————————————
小冊子無料ダウンロードはコチラ

Facebookグループ「後継者・跡継ぎ・二代目社長の交流場」を作りました。
どんなことでも言い合える場所、経営について相互に交流できる場所にしたいと思っています。
良かったら、気軽に申請してみてくださいね。(無料)
https://www.facebook.com/groups/atotsugi

こちらは私のFacebookページです。よかったら、いいね!フォローお願いします。
時々ライブ配信とかやってます。

https://www.facebook.com/kaorutamura.kt

 

関心を持っていただいた方は、画像をクリック。

——————————————

「正しい」ことは、本当に「正しい」のか

経営に正誤はない!?

世の中にはいろんな経営メソッドがあり、いろんな成功法則があろうかと思われます。
それぞれの提唱者が、自分が正しいことを喧伝しますが、実際のところは使えないものも少なからずあるようです。
また、それぞれの専門家の言う「正しさ」のレベルがまちまちであるとも言われます。
たとえば、「とにかく無難に、失敗を極力減らす経営」にコミットしたものと、
「それなりに前のめりに改革をすすめていく経営」にコミットしたものではおのずと内容が変わってきます。

となると、結局は正しいか、誤りか、ではなく、自分のやりたい事とのマッチングではないかと思うのです。

言い換えると、正誤があるというよりかは、どれもきっと正解なのだけど、それをやりたいかやりたくないか。
あるいは、自分の方向性とあっているかあっていないか。
やりきれるか、やりきれないか。
そんなところの問題ではないかと思うのです。

自分が「正しい」と思った瞬間に…

物事を正誤で判断すると、自分が何かを「正しい」と思った瞬間、それ以外が間違いである、という思いを強くするのが一般的です。
Amazonが初めて本の通信販売を始めたころ、周囲は「そんなのムリ」と言ったそうです。
それでも創業者のジェフ・ベゾスは、自分の考えが正しいと思ったから突き進んだわけです。
一方、周囲の人たちは、彼の考えは誤っていると思ったから制止しようとしたり、批判したり。

この溝は、決して埋まることはなかったのでしょう。

結局、ジェフ・ベゾスは、やり切ったからヒーローになることができました。
結果的に「正しかった」という事なのでしょうが、何事も結果が出るまでは、実は正誤はわからないというのがビジネスではないでしょうか。(本当はビジネスだけではない話だと思いますが)
それが古いことでも、新しいことでも同様です。
今までのことを継続してやり続けるという事でも、実はそれさえも正しいか誤りかはその時にはわからない。
結果が出たときはじめて、「(自分にとっては)正しかった」か「(自分にとっては)誤りだった」という判断が生まれるのではないかと思います。

なのに、人は多くの場合、自分が正しいと思った瞬間に、それ以外の意見を「誤り」と判定してしまうのです。

親子の確執の裏に潜むもの

自分が正しく相手が悪い

親と子供の事業承継において、それぞれにそれぞれの立場があるわけです。
会社をこれからどうしていきたい、という思いは後継者なら持っていた方がいい、というのが一般的な考え方。
しかしそれを持つことで、「自分が正しい」という思いを形作り始めます。
その方向性が親と同じなら良いのですが、たいていは違うから、「親である先代は間違っている」という事になりがちです。

事業承継において、こんどは親の立場から見て見ると、こんな構図が見えてきます。
親である自分は長年このスタイルでやってきて、会社が今も存続している。
そもそもこの会社は自分の物である。
この自分の会社の方向性は自分の考えが正しいのだ、という前提に立っている可能性が高い。
となると、自分の意見に異を唱える後継者である子どもは間違っている、という事になります。

冷静になって俯瞰すると決してこの構図は難しいものではないのですが、渦中に入ると心理的なバイアスからかすっかり見えにくくなってしまうのです。

正しさに囚われない

じゃあどうすればいいのでしょうか。
私なりの考え方は、「正しいか、誤りか」という価値判断を捨ててしまう、という事が大事じゃないかと思います。
決して簡単ではないと思います。
人は、何かを見た瞬間、いいことと悪いこと、正しいか誤りか、といったことを判断しています。
けどその判断を保留して、その事実をただの減少として受け取る事を日々気を付けておきたいと思うのです。

たとえば、親が言っていることが「明らかにおかしい」と思ったとしても、ちょっと立ち止まって観察してみます。
先代がそう考えるには、それなりの理由があるはずです。
そういった相手の考えや、価値観などを観察してみると、その思いがわかるようになります。
その先代の考えを採用するかどうかは別の話ですが、理解が深まると「すかさず拒否」という次元とは違う関係が現れるはずです。
相手の物の見方を知ったうえで、自分の選択を作っていくという事をするだけで今までと違った関係性が現れてきます。

会社の経営における判断、あるいは先代との事業承継における人間関係において、「正しい、誤り」というステレオタイプな判断は割と邪魔になりがちです。
その判断を保留してみる、という事を少し試してみることをお勧めします。

  

目次に戻るには、以下から。

非常識な後継者50の心得(0) はじめに 目次

——————————————
小冊子無料ダウンロードはコチラ

Facebookグループ「後継者・跡継ぎ・二代目社長の交流場」を作りました。
どんなことでも言い合える場所、経営について相互に交流できる場所にしたいと思っています。
良かったら、気軽に申請してみてくださいね。(無料)
https://www.facebook.com/groups/atotsugi

こちらは私のFacebookページです。よかったら、いいね!フォローお願いします。
時々ライブ配信とかやってます。

https://www.facebook.com/kaorutamura.kt

 

関心を持っていただいた方は、画像をクリック。

——————————————

関連記事

  1. 非常識な後継者50の心得(48)ものの見方を変えると世界は変わる

  2. 非常識な後継者50の心得(35)ワークライフバランスをとろう!

  3. 非常識な後継者50の心得(29)仕事以外のこともやり切ろう!

  4. 非常識な後継者50の心得(31)業界のしきたりよりお客様のホンネ

  5. 非常識な後継者50の心得(11)変化のベクトルは正反対だけではない

  6. 非常識な後継者50の心得(40)仕事の任せ方には気をつけよう!

  7. 後継者50の心得(7)勉強よりも大事なもの

  8. 非常識な後継者50の心得(14)自分の痛みを我慢しない