後継者

活力ある組織を作るために後継者ができる事 嫌われることは後継者の仕事ではない

社員に対して、自分は上司だからとあからさまに上から物を言う後継者を時折目にします。
十分な信頼関係が築けている状態であるなら、それは問題になる話ではないかもしれませんし、上司は嫌われてナンボ、という考えを持っているのかもしれませんが、それで生産的な組織ができるのでしょうか?

往々にして、そういったリーダーに限って、コミュニケーションがうまく取れている組織をうらやんでいるのではないでしょうか。


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親の会社を継ぐ技術

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ある後継者の方は、やたらと事務的に社員に対応します。
彼に話を聞くと、こういいます。
「会社には仕事をしに来てるのだから、余計な無駄話も必要ないし、上司の命令を聞くのは普通じゃないですか?」
確かにごもっともな話です。

お互い雇用契約を履行しているだけ。それでいいのなら、それもありでしょう。
しかし、彼はしばしばこんな愚痴を漏らします。

「もう少し仕事への責任感を持って、もっと勉強すべきじゃないか。」
「進んで、自分の仕事を手伝うべきじゃないか。」
「全く社員から何の提案も出てこない。やる気も感じない。」

こういった組織は、大抵は社内キャンペーンを行ってもしらけムード。
何か社内イベントを企画しようとしても、誰も手を出そうとはしません。
やらされ感が手に取るようにわかります。

 

この後継者の言いたいことはわかるのですが、ちょっと引っかかる部分があります。
あなたは、その不満な状態を改善するために何をしましたか?
と問うと、彼は答えます。
「相応の報酬を出してるのだから、当たり前じゃないか?」

きっと、社員はそうは思っていないでしょうね。

そもそもこの後継者、活気のある組織にあこがれを持っています。
しかし、この考え方ではなかなか難しいかもしれません。
なぜなら、報酬と労働という物々交換の関係しか築けていないからです。
言ってみればその場限りの関係です。

そこから踏み出すとすれば、リーダーたる後継者は社員に、決まった報酬以外何を与えてるか?を考えてみてください。
多くの場合、こういった後継者は
社員に対して求める事ばかりで、与えることをしていない傾向が強いようです。

与えるといっても、プレゼントをしなさいとか言う話ではありません。
シンプルに言ってみれば、
どれだけ社員を気にかけているのか?
という事です。

 

カリスマについて研究しているオリビア・フォックス・カバンは、その著書「カリスマは誰でもなれる」のなかで、カリスマを構成する振る舞いの3要素を
①プレゼンス ②パワー ③誠意
としています。

特に、①のプレゼンス(存在感)に関していえば、

相手とのやり取りに全ての意識を集中させること

と言っています。

 

存在感を発揮させるのに、自分がどうあるかではなく、相手に集中するとはにわかにはピンとこない話です。
しかし、実際のところ、「人は、自分の話を聞いてくれる人を重要視する」という事は、誰もが経験があるのではないでしょうか。
私自身、実体験としてそれを感じることがあり、試してみたところ、随分と社内のコミュニケーションが円滑になった事があります。

騙されたと思って、仕事上の悩みであれ、プライベートのたわいもない話であれ、社員一人一人の声を聴く努力をしてみてください。
数か月もすれば、ずっと雰囲気が変わる事を実感できるでしょう。

なぜそう言い切れるのか。
何を隠そう、冒頭の後継者は10年前の私だからです。


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