非常識な後継者50の心得

非常識な後継者50の心得(10)人に任せる勇気を持とう!

後継者って、完璧主義な人が多い。
とにかく失敗すること、失敗を人前に晒すことが大嫌いな人が多いのではないでしょうか?
上手くいかないならはじめからやらない、という人も多いでしょうし、ちゃんとできる事が確信できるほど練習しなければやらないという人も多いでしょう。

自分自身が失敗したくないという思いは、これを部下にも強いる傾向があろうかと思います。
自分の指示が、自分が思った通りの順序で、形で、実現されないと気が済まない。
だから結局何でもかんでも自分でやってしまう。
そして一人あたふたと忙しくなって、周囲の社員を見回したとき、彼らがしっかり仕事をしないからだと怒りだしてしまう。

そうなると、組織化はどんどん遠のいてしまい、社員もついてこない。

こんな後継者に必要なのは、失敗を受入れる度量。
それも、自分以外の人間の失敗を受入れるという事を学ばなければなりません。

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人に任せるという事の本当の意味

ただ仕事をやらせることが任せることではない

よくある上司のパターンとして、仕事の結果だけを求めて丸投げする人がいます。
そして結果が良くなければ部下のせいにし、結果が良ければ自分の手柄にしようとするタイプ。
ドラマに出てきそうな意地悪上司ですが、意外とリアルにも多く見かけます。

私が経験の中で学んだのは、仕事を人に任せるというのは、その結果も含めて自分が責任を持つということ。
かといって、あれこれ細かな指示を出すマイクロマネジメントをするのとはちょっと違う。それだと、部下をロボット扱いですね。
そうやっているうちは、上司がずっとその場に関わり続けなければならないので、組織化は不可能です。

そうではなくて、任せる部下の人としての可能性を含めて仕事を任せるという事が、人に仕事を任せるという事だと思います。
それはつまり、仮に思ったような結果が出たとしても、その責任を自分が負う前提であることが大事です。
運命共同体という表現もありますが、もはやその部下と自分が一つの人格であるかのような状況が最も理想的な状態じゃないかと思います。

信用することから始まる

そうなると、何が必要かと言えば、その社員を信用することから始めなくてはなりません。
出なければ、結果を含めて任せるなんて言えません。
同族経営の場合、この人を信用し、任せるという事ができない役員がとても多いように思います。
それだけ会社のことを自分事、と真剣にとらえているという側面はありますが、どうしても「自分でなければ」という思いを捨てきれません。
これは、「自分こそが最も正しい」というぜんていをもちたい、という心の表れ。
ある意味、社員に対するマウンティング状態と言えます。

そんな風に考えると、人に仕事を任せるというのはとても勇気のいることです。
社員に仕事を任せると、あんな失敗しないだろうか、こんなことになったら厄介だな、そのやり方で大丈夫か?など、心の声が次々と湧き出てきます。
けどそれを飲み込んで、きっとアイツならアイツらしいやり方でうまくやってくれる。
もしかしたら自分よりうまくやれる方法を編み出してくれるかもしれない。
そんな思いや期待をもって、けど不安を乗り越えエイヤ!で任せるシーンも出てきます。

人に仕事を任せるのは本当に勇気がいります。
けど、それを乗り越えて初めて人は、一歩成長するのです。

私の失敗、あなたの失敗

ミスが起こった時を想定した行動

後継者である私たちは、失敗したくないという思考回路を持つ傾向が強いと言いました。
その結果、仮に失敗のリスクがある場合は、常に先廻りをしてミスが起こった場合のことも想定して動いている人が多いと思います。
常に、リスク回避思考を持っている私たちに対して、仕事を指示した社員の脳内は見えるはずもありません。
私たち後継者に見えている、失敗が起こりやすいシーンへの配慮も、彼らは気づいているのかいないかさえもない。
ときに、見ていたら、ミスの中にまっすぐ進んでいる社員さえいたりします。

そんなリスキーな状態にあって、後継者であり上司である私たちは無防備。
もちろん気が付けば指摘してもいいとは思いますが、すべてのことが目の前で起こるわけではありません。
自分なら考えられないようなミスを、他人は起こしたりしますからなかなか気が休まりません。
するとだんだんバカバカしくなってくるのです。
自分だったらやらないミスを社員がやって、そのせいで自分があれこれカバーしなければならない。
こんな面倒な思いをするなら、全部自分でやってしまったほうがいい、と。

しかしもし、組織を成長させたいという前提があるなら、そういった問題も受け入れていく必要があります。
自分の失敗なら納得できるけど、他人のしかも思慮の欠けた失敗を容認するというのは精神的にきついものがありますが、リーダーというのはそういったことを受入れていく必要に迫られるのではないでしょうか。

前提を変える

こういった問題にどう対処していくべきでしょうか。
ここで多くの後継者は、社内のルールを強め、マニュアル化を進め、システム化をすすめたりします。
まあここで、親子の確執が起こったりもします。
けど結論として、それがうまく行ったという話はあまり聞きません。
一時的にはミスは減ったけど、社内のモチベーションがガタガタになったりするのがけっこううかがう話です。

ルールもマニュアルもシステムもいいのですが、まずその前に、リーダーたる私たちが変わることが先決だと私は感じています。
具体的には、「ミスやトラブルはおこるものだ」という前提に立つこと。
これまでは、ミスやトラブルをゼロにしようとヤキモキしてたのですが、何をどこまでやってもミスやトラブルがゼロになることはあり得ません。
ならば、「ミスやトラブルはあるもの」という前提に立てば、気持ち的には楽になります。

トラブル対処は精神的にきついものがありますが、それは私たちがそれを過剰に嫌がるから余計に怖く、つらいものになります。
しかし、これも通常業務の延長として避けられないもの、と考えて対処すれば意外と楽になってくるものです。
勿論ミスを減らす努力は必要ですが、ゼロにはなりません。

沢山の経営者とかかわってきましたが、社内の問題がゼロの会社なんて皆無です。
そんなもの、と思えば、ゆとりができ、人を赦せるようになり、すると組織が成長し始めます。
ぜひ、気をつけて見てみてください。
果たして自分は、社員の失敗を受入れられているのかを。

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