後継者の立場から見た船井幸雄先生の言う「包み込みの法則」

たまたま、船井幸雄先生の古い本を読みました。
船井幸雄先生といえば、日本の経営コンサルタントのなかではかなり有名な人で、船井総合研究所という会社を創業された方でもあります。
船井総合研究所、略して船井総研は、日本で初めてコンサルティング会社でありながら上場を果たしたという事で、日本の経営コンサルティング会社のなかではかなりの存在感だと思います。
創業者の船井幸雄先生はすでに故人となられていますが、先生のおっしゃる内容はシンプルであり、自然の法則をベースにしているので応用範囲が広いと思われます。
そんな事から、後継者という立場の中に、船井幸雄先生のおっしゃる経営のコツの一つを当てはめてみるとどうなるかを考えてみました。
それが、「包み込みの法則」です。

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包み込みの法則とは?

船井幸雄先生が提唱する経営のコツ4選

船井幸雄先生の著書を読んでみると、実はおっしゃっていることは比較的シンプルです。
その中でも、「即時経営向上法」として以下の4つの話が良く紹介されています。

①長所伸展法

読んで字のごとくで、良いものを伸ばせ、という事です。
具体的な経営戦略で言うと、一番売れているものをとにかく伸ばせ、という事です。
売上データを見て、自社の中に必ず何か光る一商品やサービスがあるからそれを徹底的に伸ばせという事です。

これは例えば人の育成でも応用できるようで、船井総研内では徹底的に長所を見つけ、それを伸ばす指導をしているそうです。

②圧縮付加法

よくリアル店舗の例で説明されていますが、店舗を間仕切りをして少し狭くします。そうすることで、商品がひしめき合う状態を作るわけです。
高密度な店舗の中で、一番商品が際立ってくるので今度はその一番商品の枠を増やしていく、という感じです。
ドン・キホーテのお店の感じを見てみると、こういった手法が有効なんだな、と実感させられます。

③力相応一番化

船井幸雄先生に限らず、一番化というのはとても大事だと言います。普通で行けば目指すは地域一番店。但しそのためには一定程度の規模感が必要になります。
じゃあ、小さなお店は無理なのかというとそうではなくて、自分のビジネスの中の何か一番の特徴を作り出そうという考え方。
例えばスーパーならば、売上で地域一番にはなれなくとも、「鮮魚だけなら負けない」とか、「肉だけならどこにも負けない」という特徴をつくれ、という事なのかもしれません。

④包み込みの法則

これを「大は小を兼ねる」と言ってしまうと簡略化しすぎでしょうか。
簡単に言うと、他店がもっているものをすべて取り扱ったうえで、それを超えた品ぞろえを実現しようという事。
他店の特徴を包み込んだうえで、プラスアルファを持っている状態を目指す戦略。
今回の話題は、この包み込みの法則についてです。

目標設定における「包み込みの法則」

私たち後継者の場合、多くはその目指すところは当面は家業を大過なく引き継ぐという事だと思います。
家業を引き継いだうえで発展させることが、私たちの使命であるという認識をされている方が大半だと思います。
しかし、それではなかなかうまく行かない状況を多くの後継者・跡継ぎ・二代目社長は体験されているのではないでしょうか。
そういったとき、持っている目標に忠実にあれ、と頑張れば頑張るほど、自分が孤立してしまったり、会社が停滞してしまったりすることが多いのではないでしょうか。

そういったときに、多くの場合は目標を下方修正しがちです。
会社を発展させるための努力が受け入れられないなら、せめて自分だけは困らないような自分の生きる道を探そうとか。
ただこう言った目標の下方修正でうまく行った後継者・跡継ぎ・二代目経営者の方と、私はあったことがありません。
ならば、発想を逆にしてみてはどうでしょうか。

家業をしっかりと引き継ぎ、発展させるというところをゴールとするのではなく、それはあくまで中間地点であるという考え方です。
普通の後継者・跡継ぎ・二代目社長の目標を、含んだうえでプラスアルファの次元での目標設定を行うという事です。

目標を上方修正すると気になっていることがどうでもよくなる!?

視点を変える

会社を安全に引き継ぐという事を考えていると、社員の振る舞いや、制度やルール、様々な今の会社のことが気になってしょうがないと思います。
だから、強硬に自分の考えを浸透させ、社員を従わせ、先代の反対と向かい合うという事に疲弊しがちです。
しかし、目標の次元を上げると、そういった問題は実は些末なことで、目標に至る道はたくさんあるという具合に視野が広がる可能性が高いと思います。

例えば、今の会社を、今の形態で継ごうと思えば、取引先との関係や商品のコスト、社内の効率など、すでにギリギリまで絞り込んできたことをさらに絞り込まねばならなくなります。
しかし例えば、今の商品をお客様とのつながり発見の手段として位置づけ、バックエンドの商品を別途開発するという方法も開けてくるかもしれません。
逆に別のフロントエンド商品でお客様とつながり、今の商品をバックエンドに持ってくるという事もあるでしょう。
また、今とは違ったユーザーに価値が提供できるかもしれないとか、逆にもっと専門性を絞り込むとか、色んな道が開けてきます。

会社の生産性を単純に上げようと頑張っていたものが、ビジネスモデルの転換を行うような動きにかわれば、気になっていたことも霧散する可能性だって大いにあります。

家業を引き継ぐのは目的ではなく手段

つまり、家業を引き継ぐという目標・目的は、経営者としての自分の目標・目的の中に含みこむ(これを船井幸雄先生は包み込みとおっしゃっていると私は解釈しています)ことを考えればいい、という事です。
考えるだけなら何のリスクもありませんので、一度、カフェにでもこもって構想を練ってみてはいかがでしょうか。
きっと今期になってることがどうでもよくなるんじゃないかと思います。

 

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